実は、新しい描き方をいろいろと模索しておりました。前回までのスタイルは、リアルな画法で言うならば、油画のように隙間なく絵の具を乗せて、隅々まで重厚に描き込むやり方。仕上がりはリアルで、そこまで到達したかどうかはともかく、肌の質感まで触れられるぐらいの仕上がりを追求しておりました。
当然ながらこの方法は、1枚仕上げるのに数週間から1ヶ月。体力も集中力もずいぶんと使います。正直に言って、年齢的にしんどくなってきたんですよ。年に1〜2作なら何とかなりますが、描きたい対象はいっぱいあるし、気ばかりが焦って仕方がない。なので、もうちょっと1枚当たりの描画時間を減らせる描き方に、シフトしてました。
とは言うものの、短時間に仕上げる=簡単に描ける、わけではなくて、シンプルな表現ってむしろ難しい。目標にさせてもらったのが、かつて少年ジャンプ誌で「すすめ!!パイレーツ」や「ストップ!!ひばりくん!」で憧れた漫画家の江口寿史さん。今ではイラストレーターとしてご活躍。私より6年先輩なのに、まったく画力に衰えはなく、可愛さに磨きがかかった美少女を描き続けておられます。
この辺りの経緯は、去年の投稿でも書いてますね。結局ジタバタして、新しい描き方が安定するまで、1年以上も費やしてしまいました。
例によって前置きが長くなってしまいましたが、今日のイラストは、ずいぶん前に安請け合いして結果的に放置してしまったもの。以前にもモデルになっていただいたことのある、セブ在住の美しき日本人女性。
めでたいことに、彼女はフィリピン男性とゴールイン。ただ諸般の事情で結婚式はされなかったそうなので、それではせめてイラストでもと、ウェディングドレス姿をプレゼントしようと思い立ったわけです。
こういうイラストの場合、まずモデルに似ていることが大前提。リアルに描き込むスタイルなら、あんまり考えなくても参考写真に忠実に描けば自動的に似て来ますが、シンプルタッチではそうはいきません。街頭の似顔絵描きの人って、初対面の人を短時間で、しかもデフォルメしたコミック風なのに、ちゃんと似せて描きますよね。あれは相当なセンスと訓練がないと出来ない芸当だと実感。
ということで今回は、描き慣れない男性と愛犬まで「似せて」描くのに、少々手こずりました。モデル本人に見てもらうのはドキドキしましたけど、喜んでいただいたようでホっとしております。
過去の「私的フィリピン美女図鑑」は、こちら。
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