2023年6月4日日曜日

フィリピン人だって喧しいと眠れない

 フィリピンに移り住んだ日本人が、なかなか慣れないことの筆頭なのが騒音の問題。もちろん飛行場とか幹線道路を走るトラックの話ではなく、昼夜関係なく近隣から流れて来る大音量の音楽。私の住む宅地、セント・フランシス・ビレッジは、手前味噌ながら、市内でも最高級の部類なので、さすがに貧困層が多い建て込んだ市街地に比べると静かなもの。

それでも、家族や親戚が海外出稼ぎで一山当てて、成金になって分不相応な家のオーナーになった人が、たまに田舎の親戚を集めて、深夜から朝方までドンチャン騒ぎすることもあります。

さらに月に一回ぐらいの頻度で、市内のバランガイ(町内会)が、週末にやるフィエスタ。これが業務用のバカでっかいスピーカーで、終夜屋外ディスコやカラオケ大会。距離があるので、我慢できないほどではないけれど、重低音の「ドスドス」が耳障りで眠れない時もあります。わざわざこのために、日本に一時帰国した時に耳栓を買いましたよ。

これは本来、飛行機の機内などで入眠する時に使うもの。耳栓とノイズキャンセル機能付きのヘッドフォンを併用すると、かなり防音効果が高いとか。そこまでの投資をする気はありませんけど。

このブログでも何度も取り上げたこの話題。つい最近まで、フィリピン人なら全員この手の騒音には耐性があって、誰も気にしてないんだと思い込んでました。何しろ「これはフィリピン文化だ」とイバる人もいるぐらい。

ところがやっぱりそうでもなかったらしい。と言うのは、私のイロンゴ語の家庭教師バンビの旦那さんのマイケル君。実際は入籍してないので、バンビはパートナーと呼んでますが、事実上の夫婦。

このマイケル君。今年(2023年)になってから、隣島パナイの州都イロイロ市で働いてます。仕事はコンピューターのプログラミングで、給料も悪くない。通える距離ではないので、週末だけフェリーでネグロスに帰り、平日は職場近くの寮で寝泊まり。

問題は、その寮の隣人。ずいぶん安普請の建物らしく、部屋を分けるのがベニヤ板の薄い壁で、その隣人が毎晩友人と酒を飲んで大騒ぎ。その上、近所に住む人たちが深夜に大音量のカラオケをやるので、可哀想なマイケルは慢性的な寝不足になっている。

私だったら即刻大喧嘩になるか、トットと寮を出ていくでしょうけど、家賃が安いし気が弱くて文句も言えない。せっかく週一で帰宅してもほとんど寝てるそうで、気の毒なことこの上なし。同情のあまり、未開封の耳栓を2セット進呈しました。

バンビに訊いてみると、文句も言えないのはともかく、マイケルが特別デリケートで騒音に弱いわけでもない。バンビ曰く「フィリピン人は、隣近所への配慮がなさ過ぎる」。騒音問題に関しては、フィリピンでもかなりの割合で、不満を抱えている人がいるんですね。そりゃ同じ人間ですから。

ここからは例によって私の推測ですが、これは貧富の差と比例するような気がします。つまり、貧乏人ほど喧しい音楽を好むという法則。考えてみると、結婚するまでフィリピン大学で研究員をやっていた家内。友達付き合いする人は、頭脳明晰で家柄も良く富裕層出身者がほとんど。

もちろん音楽は好きな人も多いけど、音量や聴く時間帯は、ほぼ一般的な日本人並みの節度があります。正直なところ、移住前まではそういう人たちしか知らなかったので、実際に住んでみて驚いた次第。ここまで無節操とは思いませんでした。

聞くところによると、深夜の大音量音楽は、その子供たちにも悪影響があって、宿題ができない上に宵っぱりになって、授業中に居眠ったり。貧困から抜け出す唯一の道である教育をもダメにしてる。そう考えると、単に近所迷惑というだけでなく、フィリピン社会の将来にも暗い影を落とす、悪しき習慣なのかも知れません。



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