2023年6月1日木曜日

この台風バグっとる


出典:ウェザーニュース

 もうバグってるんじないかとさえ思ってしまう、今回の2号台風フィリピン名ベティ。強さも並外れていますが、長引く影響力とんでもない。かれこれ4日も前に、フィリピン・ネグロス島のはるか離れた海上を通過して、6月1日現在は台湾の東なのに、今日も朝から土砂降り。

グアム島に襲来した時に比べるとかなり勢力は弱まったとは言え、中心付近の最大瞬間風速が秒速40メートル。まだまだ油断できません。すでに沖縄は強風圏に入っていて、さらに九州にも強い雨を降らせているようです。

普通の台風だったら、この段階でネグロスは静かになっているはずが、むしろ通過してからが連日の強風と大雨。最接近時の風で送電線がダメージを受け、西ネグロスの各地が停電が相次いだ話は先日投稿した通りながら、昨日・今日とオレンジアラーム(フィリピンの大雨警報)が発令され、シライ市内の全学校が臨時休校。引き続き風も強いので、猛烈な雨が室内に吹き込んで床がビチャビチャ。これでは窓を開けることもできない。

お天気アプリで雨雲を見て恐ろしくなったのは、九州からフィリピン、さらにはインドネシアを越えて、はるかインド洋にまで伸びる、ほうき星のような長大な雨雲。まるで巨大な吸引機でインド洋から雨雲を吸い込んでいる状況。ちなみにフィリピンの天気予報って、分かりにくい上に当たらないので、最近はアプリと日本の気象庁が頼みの綱。

それはともかく、例年4〜5月が乾季で暑く、6月に入った途端に雨季なので、季節の移り変わりは順当と言えるネグロス島。ただ台風が引き金になったのは、この十年の移住生活で記憶がありません。いつもなら、市長が休校を指示した時は大抵空振りで、昼前には日差しが戻って「市長が宣言出したら雨が止む」と揶揄されてたのが、今回に限っては、子供を休ませて良かったと思うほどの土砂降り続き。

過去フィリピンでは、ジプニーが土砂崩れに巻き込まれ、乗っていた登校中の子供たちが亡くなるという悲劇がありました。特に山間部に住んでいたり、橋のない川を渡し船で通学するケースが多いシライ。児童の安全には神経質なほど気を遣っています。

とまぁ、そのプロセスは異例だったとは言え、雨季の始まり自体は結果的に例年通り。羽虫が大量発生し、朝晩は扇風機も不要なほど気温が下がり、セミが弱々しい声で鳴き始めます。ネグロスのセミは日本とはずいぶん違って、盛夏には鳴かず、雨季の日差しが弱い時期に活動開始。

...と、ここまで書いたら、夕刻にはやっと雨が弱まってきました。さすがに台風の中心が2,000キロも遠ざかったらそうなりますわなぁ。ほぼ5日振りぐらいに、激しい雨音もビュービューという風の音もない、静かな夜を迎えたネグロス島です。

ということで、今度は日本列島を射程圏内に収めたベティ。最新の天気予報だと本土上陸の可能性は低いながら、進路に近い地域ではこの土日に大雨が降るかもしれません。日本の皆さま、どうかご無事で。

蛇足ながら日本の天気予報って、親切で分かりやすいですね。



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