2021年3月22日月曜日

フィリピンで自殺が増加

昨年(2020年)フィリピンで自殺した人の数が、前年比で26%も増えたそうです。総数が3,529人なので、人口がほとんど同じの日本で、約2万人が亡くなっていることを思うと、少ないとも言えます。

しかし、身近なフィリピンの人々を思い浮かべてみると、みんな楽天的で、とても自殺しそうには見えない顔ばかり。特に経済的に余裕がなく、日本人だったら鬱病になりそうな環境でも、いつも笑顔で楽しそうです。たとえ機嫌が悪くなるようなことがあっても、大人が大喧嘩したり大泣き。これならストレスが溜まりにくいんじゃないかなぁ?

数年前、私の顔見知りで、家内の高校からの友人が自殺しましたが、他の多くの場合と同じく、原因は恋愛にまつわる悩み。お金や健康の問題より、失恋や嫉妬が自殺の引き金になるケースは、おそらく日本に比べると際立って多いと思います。

ちなみにこのニュース・ソースは、日刊まにら新聞。有料記事で、見出ししか読んでないので、本文に書かれているであろう、自死に至った原因や背景は分かりません。それでもコロナ禍での自殺者増なので、失業による生活苦があったことは、容易に想像できます。

加えて、子供や老人が外出できないことも大きかったかも。少し前には、先生に直接会っての授業ができないことから、勉強についていけずに子供が自殺という、痛ましい話も。

そんな、フィリピンを覆う閉塞感を象徴するような出来事が、昨日の日曜日にありました。つい先日、合同の誕生日パーティを開いたばかりの、私の義父と義妹のジーナが、なんと喧嘩になったらしい。

ジーナ夫婦は、2LDKの家に中高生の子供が二人、そして義父の5人暮らし。ジーナにとっては、舅さんと同居していることになります。とは言え、もう結婚して20年以上。今まで、家族仲が険悪になったなんて、聞いたことがない。

一体何があったのかと、家内は朝から実家に急行。同じシライ市内で、トライシクル(オート輪タク)に乗れば、ものの10分もかからない距離。本来ならば、ジーナの夫である、義弟のロイが、間に入れば良いんですが、気の弱いロイは、こういう問題がからっきし苦手。

しばらくして帰宅した家内によると、どうやら根本的な原因は、家の狭さ。というよりも物が増え過ぎたと言うべきか。フィリピン庶民の感覚からすると、決して狭い家ではないはずが、ここ最近の好景気で、大画面テレビはあるし、洗濯機に冷蔵庫、電子レンジと、日本並に家財道具が充実で、ガレージにまで物が溢れている。その上リモート授業で、居間に子供たち専用のパソコンが陣取っている。

正直に言って、たまに遊びに行っても、居場所がないぐらいに人と物でぎゅうぎゅう詰めの感じ。これでは、いくら仲の良い家族でも、イライラもするでしょう。そしてダメ押しが、コロナによる外出制限。友達とのお喋り大好きな、80代の義父にすれば、監獄に入ってるみたいなもの。

実は、家内が仲裁に行く前に、ひょっとすると、我が家で義父を引き取ることになるかも、という話はしました。元々、家内の両親と同居するつもりで設計した家なので、空き部屋が二つもあります。

結果的に、何とか義父とジーナの仲を取り繕うことができたようで、大事にはならなかったものの、まだまだコロナは、終息の兆しも見えない。せめて土日だけでも、義父を我が家で面倒を見て、ジーナが息抜きできるようにしてあげたらと、思うんですけどね。

ということで、コロナ禍の影響による、表向きの景気や治安の悪化だけではなく、各家庭やご近所さん同士の悪感情が、水面下で膨れ上がっている気がする、ここネグロス島です。


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