2021年3月5日金曜日

バランガイからの召喚状


 いや〜、驚きました。なんと、フィリピンのバランガイ(最小行政区画)から私個人宛てに、召喚状(Summons)が来てしまいました。出来合いのフォーマットに、虫食い式で日付けと氏名を書き込むタイプの簡易版ながら、堂々たる英文で、バランガイ・キャプテンの署名まである公文書。

You are hereby summoned to appear before me in person, together with your witness, then and there to answer to a complain made before the for mediation conciliation of your disputes with complaint.

Your are hereby warned if you refuse or fail to appear in obedience to this summons, will entitle the complainant to proceed directly against you in court, where you may be barred from filing any counterclaim arising from said complaint.

Fail not els face punishment as for contempt of court.

なんちゃって英会話しかできない私には、辞書なしでは到底詳細を理解できない、難しい単語がずらり並んでいます。グーグル翻訳の力を借りると、こんな意味合い。

これにより、あなたは証人を伴い、苦情との紛争の調停への回答をするため、召喚されます。  故意か否かにかかわらず、あなたがこの召喚状に応じなかった場合、申立人は法廷であなたに対して、直接訴訟を起こす権利があることを警告します。そこであなたは、苦情への反訴を禁じられる可能性があります。  法廷侮辱罪に問われぬよう注意してください。

思い当たる節は大ありで、苦情を申し立てたのは、我が家から見えるぐらいの場所で、毎日農作業をしているオっちゃん。もう60歳ぐらいの、私とだいたい同世代。聞くところによると、息子のために宅地を買ったけど、まだ家を建てる予定はない。土地を遊ばせておくのももったいないので、自分で野菜を育てているとのこと。

こういうのは珍しくないフィリピン・ネグロス島。まだ半分以上も空き地の、私が住む分譲地のあちこちで、カラバウ(水牛)を使って、本格的な畑を作ってます。ただしこれは、本業の農民に土地を貸しているらしい。地主本人が耕しているのを見たのは初めて。

とまぁ、これだけなら別にどうってことはないけれど、ここ1ヶ月ぐらい、オっちゃんは何をトチ狂ったか、サイドカーみたいな自転車の荷台に取り付けた、相当大きなスピーカーを二つ、音量最大でラジオを鳴らし始めました。

我が家の前を通る時は「チンドン屋でも来たんか?」という騒ぎ。しかも遮蔽物がなく、100メートルほども離れている、私の部屋まで聴こえてくるんですよ。これを朝から暗くなるまで、土日なしに連日やられるものだから、ストレスが溜まることこの上なし。

それでも、ここはフィリピンだと、3週間ぐらい我慢してました。でも、さすがに音を上げて、オっちゃんが帰宅する時に「静かにしてくれ。(Be quiet.)」と英語で苦情。ところがオっちゃん、気がついているのに完全黙殺。

騒音があるので、声は大きめだったものの、怒鳴ったり、威嚇したりということは全然ありません。言った言葉も、ビー・クワイエット、だけ。

迷惑だと分かってもらえないので、仕方なしにメイドのライラに、犬の散歩がてらに文句を言ってもらったり、家内経由で宅地の警備員に注意してもらったり。その効果があってか、数日前からぐっと音量が下がって、私の部屋には音が届かなくなりました。

やれやれ、と思った矢先の召喚状という次第。

これって話が逆やんか。というか一体私に、何の苦情があるというんでしょう。音量最大でラジオを聴かせろ、とでも言いたいのか、それとも、私が日本のヤクザか何かと勘違いして怖がっているのか。

家内やメイドのライラなど、面白がって大笑い。今までの経緯を、半ば当事者の立場で知っている、地元出身の二人が笑い飛ばしているので、おそらく大ごとではないと思います。それでも苦情申立てされた私にすれば、気分が悪い。

移住以来、誰かが私のブログ・ネタを提供するために、わざとやっているのかと言うぐらい、騒音にまつわる話は、途切れることがありません。よ〜し、そっちがそう出るなら、事をの顛末をとことん楽しんで、ブログに書き倒してやりましょう。

ということで、バランガイ・オフィスでの話し合いは、週明け月曜日の朝です。乞うご期待。


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