少し前、糸井重里さんがネット上で主宰する「ほぼ日刊イトイ新聞」(ほぼ日)で、読み始めた「ある画家の記録。」という記事。これは、永瀬武志さんという油彩画家の、作品製作過程を週間の連載で綴ろうというもので、まだ第二回が終わったところ。
私は永瀬さんのことは、作品も含めてまったく知らなかったけれど、その超写実的な画風に、一発でファンになってしまいました。私も写真を参考にして、細く描き込んで写実的な描き方をしますが、永瀬さんの表現力は、ちょっとすご過ぎて、「同じタイプ」などと軽々しく言えないレベル。
以下、永瀬さんの言葉を引用します。
人が「写実絵画を観る」というのは、モチーフがリアルに描かれていることをたのしむと同時に、画家がモチーフと画面の間で、長い時間、思考しつづけた痕跡としての絵具の積み重なりを目の当たりにすることなんだと思います。
なるほどなぁ。
趣味の範囲とはいえ、何十枚も人物画を描いた身としては、実感として分かる気がします。やっぱり、考えながら、何度も失敗して描き直した部分は、自分で後から見返しても説得力があるもの。
すっかり影響を受けてしまって、次回作は「写実絵画」路線で行こうと、モデルさんに選んだのが、フィリピンでは誰知らぬこともない有名女優、ジュリア・パレット嬢。既に2回も描いております。(ジュリア・バレット / セーラー服フィリピーナ)
実は、昨年末ぐらいから、「フィリピン美女図鑑」本来のコンセプト(フィリピンのモデルや女優、有名女性の似顔絵イラストを描く)に戻そうかと考えていた矢先。今回のジュリアを筆頭に、フィリピン出身のインスタグラマーを、その写真目当てに、フォローしまくっていたのでした。
ということで、永瀬画伯の超絶的技法には遠く及ばないものの、いつもなら面倒になって省略してしまうディテールを、根気の続く限り、きちんと描き込んでみました。特に、睫毛、眉、頭髪、唇など、去年までの私なら、まずやらないやり方で、しつこく追求。おかげでイラストのデータがとんでもなく重たくなりました。
そして今回のポイントは、湯上がり女性のような、ほぼノーメイクに近いナチュラルさの表現。まだ乾き切っていない髪だとか、リップを塗ってないすっぴんの唇。きっちりメークの方が、ごまかしが効くので、自然な仕上がりを目指すと、ぐっと難易度があがります。
少々自虐的なほど、初めての事にトライした割には、最初から最後まで楽しく描けたので、意外なほどの短時間で完成しました。さて、出来栄えはいかがでしょう?
過去の「私的フィリピン美女図鑑」は、こちら。
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