出典:ABS-CBN |
ようやくと言うか、意外にも早くと言うか、3月1日(2021年)ここフィリピンでも、新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりました。ただ両手を上げて喜べないのは、第一陣ワクチンの製造元が、中国シノバックであること。
何度か、このブログでも書いたように、中国製だから信用できないのではなく、成分や治験のデータが公表されていないのが問題。
ここ最近、多くの専門家や医師の方々が、ワクチンの安全性に関してのデマや、無責任なマスメディアの報道が拡散することを懸念して、自らデータと証拠に基づいた発信をされてます。
そうした、信頼に足る情報に当たっても、シノバック製ワクチンに関しては論文が皆無。有効率が50%だとか70%との報道は、裏付けの取りようがないので、現時点では、何とも意見の言いようがないとのこと。
こんな不透明な状況で、フィリピン以外にもインドネシア、マレーシア、アラブ首長国連邦(UAE)、トルコ、ブラジルなどの国々は、シノバックからの供給契約を締結。特にインドネシアでは、すでに1月中旬から国民への接種が始まっています。
今のところ、重篤な副作用が多発したとは聞かないし、インフルエンザなどの既知ウイルス向けと同じ、死んだウイルスの一部を使って、体の免疫系を刺激するタイプ。有効性は低くても、接種後に深刻な症状が出る事は、考えにくいらしい。
ぶっちゃけた話、ファイザーやバイオンテックなど、きちんとデータを公表し、接種の進んだイスラエルで、ほぼデータ通りの有効性が確認されたワクチンが良いに決まってます。でも、ヨーロッパ諸国間ですら、ワクチンの争奪戦が始まっている現状。
WHO(世界保健機構)が立ち上げた、コバックス・ファシリティ(COVAX Facility)という仕組みで、公平にワクチンが分配されるよう取り組んでいるものの、やっぱり、中国が政治利用の意思を露わに、発展途上国にワクチンを売り込むとなると、フィリピンのような立場の国が、そっちになびくのも仕方がない。
ただ、そうした背景とは関係なく、フィリピン国民からすれば、安心して接種を受けろというのが無理な話。まずは、医療や政府関係者からなので、大規模な拒否は起こらないでしょうけど、5月以降とされる、一般国民への接種開始時には、かなりの混乱があるかも知れません。
そして、今後シノバックだけでなく、アストラゼネカなどのワクチンも入って来るので、もし選べるのならそちらを取る、という人の方が多いでしょうね。
ただでさえ、この手の、大人数を時間通りに一定の場所に集める催事運営が、からっきし苦手なフィリピンの国民性。なんだか想像するのも恐ろしくなってきました。
ということで、いずれにせよ、地方在住でシニアでもない外国人の私が、ワクチン接種できるのはまだまだ先。ここは、慎重に状況を見守るしかありませんね。
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