2022年4月6日水曜日

大統領選の投票まで1ヶ月のフィリピン

 6年に1度の大統領選の投票日まで、あと約1ヶ月となったフィリピン。私たち家族がネグロス島に引っ越してから、3年に1度の総選挙は4回目で、大統領選も既に2回目。

日本の場合、地方自治体の首長や参議院・衆議院の議員などの任期は連動しておらず、解散時期も決まっていないので、たまに統一選などはあったとしても、基本は都度バラバラに行われる選挙。

ところがフィリピンの場合は、最小行政単位であるバランガイから、市町村、プロビンス(日本の都道府県に相当)、上院・下院議員のすべてが3年ごとに同時改選。6年ごとにはこれに正副大統領選が加わって、文字通りのお祭り騒ぎとなります。

日本に住んでいる頃から、その騒がしさだけでなく、対立候補のそれぞれの支援者が、近所同士で反目して、時には流血の惨事にまで至るとは聞いておりました。そして実際その通りで、私が住んでいる田舎街のシライでも、今ぐらいの時期になると、あまり出歩かないように気をつけているほど。

「田舎街」と書きましたが、実際のところ山間部や離島などの方が、選挙を巡る諍いは激化しやすいかも知れません。特に市長選ぐらいだと、争点が超現実的・具体的になって、それぞれの利害関係が露骨に衝突。一票が千円〜二千円ぐらいの相場が囁かれ、盛大に金がばら撒かれる。

そして今年、2022年の大統領選。

フィリピン国内の報道では、現大統領ドゥテルテの娘サラ(副大統領候補)と、悪名高いかつての独裁者の息子ボンボン・マルコス(大統領候補 / 略称BBM)のコンビが過半数を超える支持率なんだそうです。ところが私の親戚、友人、知人が、なぜかほとんど現副大統領で次期大統領を目指すレニ・ロブレドの支持者ばかり。

両者とも、ここネグロスに遊説に来て大観衆に迎えられたものの、人の集まり方はロブレドの方が上回った印象。沿道や集会場所のスタジアムなどが、彼女のキャンペーンカラーであるピンクに染まる様子は、なかなかの壮観でした。


出典:Daily Tribune

ちなみに首都圏の大学生に限ると、支持は9割がロブレド候補なんだそうです。そもそもフィリピンの調査は、まったく当てにならないとの話も聞こえてきますけど。

インテリ層ほどロブレドを支持するのは、外国人の私にも理解できて、人権すら無視したドゥテルテの、反ドラッグや反汚職政策を評価はしつつも、その強引さに嫌気がさしての反動があるんでしょう。

ところが、それに対するサラ・BBM陣営が、なぜか公開討論会にすべて欠席。サラは父のやり方を踏襲するのは分かりますが、何が政策の目玉なのか見えてこないがBBM。


出典:Journal News Online

おそらく、その出自やら、最近になって指摘され始めた2,000億ペソを超えると言われる脱税疑惑など、ツッコミどころが満載過ぎて、危なくて討論などできないというのが本音なのかも知れません。下手に反論すると、独裁者の再来と思われるでしょうし。

結局のところBBMはドゥテルテの操り人形で、大統領職の名をもらう代わりに、実質的はドゥテルテ父娘が2期12年に渡って国政を支配する、そして次の大統領選にはサラが立候補して、18年に及ぶドゥテルテ王朝...が狙いなのは、私にだって容易に推測できるシナリオ。

いずれにしても、選挙権のない私には見守るしかできなフィリピンの国政選挙。1ヶ月後フィリピン国民は、どんな判断をするんでしょうか?



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