このところホリエモンこと堀江貴文さんのYouTubeチャンネルにハマって、いろいろ見てます。相変わらずの「いまさら」で、申し訳ないんですが、とても面白い。何が面白いって、話題の幅が実に広い。宇宙開発に東京オリンピック絡みの一連の逮捕劇、グルメ、ジャニーズ、お笑い、演劇...。そしてすごいのが、どれも聞き齧りの知識を披露してるんじゃなくて、全部自らビジネスを展開していること。
なので、いちいち言うことがリアル。最初はホンマかいなと思って聞いてたら、実際に自分でやってみた、あるいはその道でバリバリの実績を上げてる人が、実はビジネスパートナー、みたいなネタばかり。
一番最近見た動画が日本の農業に関するお話。対談形式で、お相手が茨城県で農場を経営している久松達央という方。和牛やラーメン、カレーなど数々のフードビジネスを展開する堀江さんに、有機野菜を供給されているそうです。
私を含め、身近に農業従事者がいない人は大抵そうだと思いますが、農業=仕事はキツいのに儲からない、お嫁さんが来なくて困ってる、みたいなイメージを抱きがち。ところが今や日本の農業って、守るべき可哀想な産業でもなんでもなく、集約化・合理化が進んで、儲ける人はすごく儲けている分野。農家の数が減っていること自体は、別に憂慮する必要はない...。というような話で、目から鱗の連続。
その中で出てきたのが、稲作は儲からないというトピック。
農業機械が発達して、しかも補助金まで出るので、稲作自体は昔に比べると人手はかからないし、ずいぶんと楽になった反面、広大な田んぼで大量に収穫しないとペイしないらしい。逆に手間はかかっても、ネットのお陰で、生産者と消費者が直接やりとりできる今なら、付加価値の高い野菜や果物を多品種少量に作るほうが、ビジネスとしては旨味が大きい。実際、上記の久松農園のホームページには、オンラインショップがあります。
つまり、米さえ腹一杯食べられて、おかずの野菜やお肉はそこそこあればいい、というのは遠い昔。少なくとも今の日本で求められるのは、量よりも質とバラエティ。
そこで堀江さんが例に出したのが、バングラデシュ。今でもアジア最貧国とされるこの国では、多くの国民にとって食糧はまだまだ質より量。日本やフィリピンと同じく主食の米は食べられても、タンパク質やビタミンの摂取がまったく足りない。
その結果が、身体の抵抗力が弱く、感染症などで命を落とす確率が高くなる。人口は多くても寿命が短い。
ここまで聞いて、私はハタと膝を打ちました。程度の差はあれど、フィリピンも似たような状況。なるほど、フィリピン、特に貧乏な人たちに、異常なまでにお米好きが多いのは、こういう背景なのか。
出典:The Culture Trip |
豚肉や魚を十分に買う余裕がなければ、せめて米で腹を膨らまそうと思うのは理の当然。私が子供の頃すでに昔話だった、おかずが梅干しだけの「日の丸弁当」が、フィリピンではリアルだったりします。もちろんこちらでは梅干しではなく、代わりに「塩」。住み込みメイドさんの虐待例として、食事は米と塩だけなんて話も。
まぁ塩だけは極端としても、我が家の先代メイドだったライラおばさんのお昼は、本当にそんな食べ方。好みは塩っ辛い魚の干物とか、醤油たっぷりのアドボ。これをおかずに山盛りの白米を掻き込んでたなぁ。たまに前夜のカレーなんかがあると、大喜びでした。
米好きが多いというと、日本人としては親近感を覚えて嬉しくなったけれど、貧困の裏返しだと思うと、何だか複雑な気持ちになります。日本では、食材を買う場所が市場の八百屋さんから、品数が豊富なスーパーに取って代わるのと時を同じくして「米離れ」なんて言われました。日本人の寿命が延びて、人生100年になったのも、それが理由の一つなんでしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿