出典:The Dialog |
コロナ禍以前は、毎年のように書いてたネタ。そもそもハロウィンは、酒飲んで騒ぐお祭りではありません。興味のある方は、ウィッキペディアなり何なりで、調べていただけたらと思いますが、発祥は大昔のアイルランド。毎年10月31日に、亡くなった家族の霊が自宅に戻ると信じられ、それをお迎えするために食べ物を用意しておくという習わしだったそうです。
はい、季節は違いますが、日本の裏盆会(お盆)と、まるっきり同じ。
それがアメリカに伝わって、ご存知「トリック・オア・トリート」(お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ)に転じました。なので元来は、キリスト教とは無関係。むしろ異教の悪魔的な習慣だと敵視するクリスチャンも、少数派ながらフィリピンでもいるらしい。
ただカトリックでは、11月は死者の月とされます。ハロウィンは、翌日11月1日の万聖節(All Saints' Day)と11月2日の万霊節(All Souls' Day)の前夜祭という位置付け。正しくアイルランドの伝統を受け継いだフィリピンのお盆。なので、各地から帰省してお墓参りをする、8月の日本と同様の風景が繰り広げられます。
久しぶりに家族や親戚が一同に会したら、パーティやってお酒が入って...というのはフィリピンならば当然の成り行き。それでもカラオケやディスコで騒ぐのは、さすがにこの時期は控えるもの。伝統的には、夜通し故人の墓の前に集って、ロウソクの灯りの元、静かに死者と語らいます。
とは言え「仮装」という絶好のパーティアイテムがあって、若者を中心に騒ぎたくなる気持ちも分かる。最近の日本でもそうだし、アメリカやフィリピンの都会でも、ハロウィン・パーティはすっかり定着した感があります。
そんなわけで、一応カトリック信徒の私としては、ハロウィンのお祭り騒ぎを苦々しく横目で見ながら、それも仕方ないかと思っていた矢先、韓国ソウルの繁華街、梨泰院で起きた大事故。
圧死された方々は、さぞや苦しく無念だったことでしょう。亡くなったのは大多数が20代の若者。高校生の子供がいる身としては、親御さんたちの悲しみを想像すると、ハロウィンの意味を履き違えている云々と、批判する気は失せてしまいます。
私が思ったのは、今回の事故の遠因は3年も続くコロナ禍。制限されていた、外出や人との接触が一気に解放されたことが、大きかったんじゃないでしょうか。考えてみれば、10代から20代にかけての3年って、私のようなオっさんの3年とは比べものにならないほど貴重な時間。私が感じていたストレスの何倍、何十倍もの重圧だったのかも知れません。
時あたかも、ここフィリピンでは、長かった学校閉鎖が解かれ、この11月から本格的に対面授業の再開が予定されています。息子の学校も、まさに今日11月7日の月曜日から、ようやく毎日の対面授業が始まったところ。どちらかというとインドア派で、外出できないなりに日常を楽しんでいた息子ですが、やっぱり多少なりとも鬱積した感情はあったでしょう。
せめてこのクリスマスシーズンぐらいは、ハメを外して騒いでもいいんですが、あの事故のニュースを見ると若干の心配もしてしまいます。まぁソウルやマニラのような繁華街がない田舎のネグロス島なので、それも取り越し苦労なんでしょうけど。
ちなみに、昔から人混みが大の苦手な上、酒も飲めない私。なぜあそこまでハロウィンに浮かれ騒ぐ人が多いのかは、今でもまるっきり理解できません。
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