2023年4月9日日曜日

国際結婚悲喜交々 義理親との距離感

 国際結婚シリーズの第二回は、義理親との付き合い方。と言っても、私はこの件で、そんなに苦労しているわけではありません。家内と一緒になってから、最初の15年は日本暮らし。義両親と顔を合わせるのは、年に一度の里帰り時で、せいぜい1週間程度。

家族で家内の実家がある、ここフィリピン・ネグロス島に引っ越した10年前には、既に義母は他界。すっかり好々爺となった義父とも、同居しているわけでもなく、そもそも揉める理由がない。

ただ、最初の日本人が相手だった結婚では、直接の離婚原因ではなかったものの、私の実母と前妻は最後には修復不可能の関係でした。一応二世帯住宅で水回りは別にしていたとは言え、やっぱり同居そのものに無理があったんでしょうねぇ。

同じ母でも、フィリピン人嫁に対してまったく別人のように穏やか。最初からそうだったわけではなく、当初結婚に大反対だったのが、母の怪我〜入院に際して、家内が毎日病院通いで入浴の手伝いをするなど、献身的な介護以降の手のひら返し。これは国籍の違い云々ではなく、個人同士の相性の問題なんだと思います。

そして最近は、時々SNSで目にする国際結婚での義理親との不協和音。

おそらくこちらも、必ずしも国際結婚だから...ではなく、世界共通で起こりがちな、子供の配偶者との感情的な対立が根本。私も、自分の子供が成人になろうかという年齢になって、ようやく多少の想像はできるようになりました。

特に息子の母、娘の父ならば「子供を取られてしまう」との理不尽な思いに、一瞬でも囚われたことがないと言ったら、嘘になる気がします。少なくとも寂しい気持ちにはなるでしょう。「花嫁御寮はなぜ泣くのだろう」的な感傷は、国や時代が変わっても大差はないはず。

当然ながら、フィリピン人同士の結婚でも、義理親との喧嘩はよくある話。つい最近も、コロナ禍で長く外出できなかった、上記の義父。そのイライラが募った結果、同居していた義理の娘(つまり私の義妹、以前に彼女のイラストも描きました。)と関係が険悪化して、わざわざ家内が仲裁に入ったこともありました。

同郷人でもこうなるんだから、親としての感情にプラスして、人種や国籍、生まれ育った地域などの、変えられない属性への差別意識があると、さらに問題がややこしくなる。私の母など、はっきり口に出して「息子が何でフィリピン人なんかと結婚するんや。相手が白人ならともかく。」と言い放ったものです。ここまで正直だと、当事者としては清々しいぐらい。

母の場合は、以前にフィリピン人に会ったことすらなく、完全に思い込みだけ。それだけに顔を合わせて家内の人となりに接してからは、ずいぶんと態度が軟化し、上記の入院事件後は「ウチの嫁は、エエ嫁や」と180度の変わりよう。単純な性格の母親でよかった。

しかしながら、こんな人はかなり珍しい部類で、多くの場合、自分の中の差別感情は、無意識のうちに否定してしまうもの。偏見や差別からではなく、相手のためを思ってと当人が本気で信じての言動なので、反論されると自分が全否定されたような過剰反応。もう書いてるだけで面倒になってきた。

こうなると、お互いを「敬して遠ざける」しかない、というのが私の結論。一般的に、フィリピン人に比べて、内向的・自照的に反省しがちな、多くの日本人には分が悪いかもしれませんが、どっちが悪いのでもなく、相性が合わないだけのこと。大家族が普通のフィリピンで、郷に入っては郷に従うしかないと流されるのではなく、これだけは自分の意思を通さないと、精神を病んでしまいます。

あ〜、やっぱり面倒臭い話になってしまってすみません。



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