2018年5月19日土曜日

美系人材が集うフィリピン


一般社会におきましては、美術系学校の卒業生とかデザイナーなどという人に出会うのは、かなりのレア・ケースと言ってもいいでしょう。2015年度大学卒業者の統計を見てみると、文系47.6%、理系33%。美術系という分類はなくて、芸術系にひとくくりで、わずか2.7%。芸術には、音楽なども含まれるので、美術に絞るともっと少数派。せいぜい100人に1人か2人というところ。

三十数年前、京都市立芸術大学なる学校でプロダクト・デザインという学科を専攻していた私。在学中の4年間、石を投げれば、芸術家やデザイナーの卵に当たるという環境。それが、某電気メーカーに就職した途端、「芸大卒」というだけで超希少種扱い。バブル真っ只中で、新入社員が3000人という、今思えば、神話みたいな時代でも、デザイナーとして採用されたのは、10人に満たない数でした。

とまぁ、昔話がしたかったのではなく、実社会で、いかに私の属性、文系でも理系でもない美系(私の勝手な造語)が、マイナーな存在かを、ご理解いただきたかった。

ところが、フィリピンに移住を果たし、フェイスブックでフィリピン関連のグループに入ってみると、やっぱりいるんですよ、美術系の学校を出たり、デザイナーだったりする人が。私が知り合ったのは、メーカーのインハウス・デザイナーという、私と同じ経歴の方が2人。グラフィック・デザイナーの方が1人。美術系大学卒業生が2人。合計5人。

フィリピン在留邦人がざっと1万7千人だそうで、100人に1人の単純計算では、170人の美系人材がいることになるわけですが、どう考えても、それは多すぎる。だいたい、アーティストやデザイナーが、そう簡単にメシが食える環境ではないし、美術関係者が憧れるような土地柄でもない。上記の5人にしても、フィリピン在住は3人だけで、他の2人は、フィリピンに関わりを持ちながらも、日本国内にお住まい。

もちろん本気で探せば、もう少しはフィリピンの美系人材が、見つかるかも知れませんが、たったの5人でも、巡り合っただけかなりの幸運という気がします。相手のプロフィールを見て、びっくりしてメッセージを送ったというパターンばかりですから。その中のお2人と、妙に意気投合して、FB内にフィリピン関係の新グループを、共同で立ち上げてしまいました。

正確には、同業者ではなく、年齢も私よりかなりお若いお2人ながら、ちょっとした専門用語や略語を、いちいち説明せずに使えるだけで、ずいぶんと気安い感じ。さらに、お1人が関西出身者。私の生まれた尼崎の隣で、かの有名な「聖地」甲子園がある、西宮市のお生まれ。つまりコテコテの関西ネタを振っても、ちゃんとツっこんでもらえるというわけです。

ということで、もしこのブログ読者の中で、我こそは、フィリピン関係者にして美系である、という方がおられましたら、どうか名乗り出ていただきたい。(笑)


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