2018年5月28日月曜日

クレープで起業 in ネグロス島

前回の投稿では、日本政治・社会の現状と将来を憂う、みたいな、私の柄でもないことを書いてしまいました。今回は、まだまだ日本の若者も捨てたものではない、というお話。

最近ネット上でよく見かける、クラウド・ファンディング。こんなビジネスを立ち上げますから出資してください、という内容を数十万円レベルの単位からでも募集できるもの。よく知られているのは、アニメ映画「この世界の片隅で」がクラウド・ファンディングで資金を調達したこと。

実はつい最近、私もクラウド・ファンディングで、ある新規ビジネスのパトロンになりました。企業での営業職を経験して、西ネグロスの州都バコロドでの英語留学。その後、その英語学校でマネージャーとして働く傍ら、日本式クレープの店を立ち上げようという、35歳の日本人青年、愛称タカさん。

もちろんネット上だけはなく、実際お会いしたことがありまして、一度、我が家に晩ご飯を食べに来てくれました。初対面なのにいきなり会話が弾んだタカさん。とにかくノリがいい。私が昔所属していた会社の、優秀な海外営業担当者に似たタイプ。彼らと一緒に試作品を持って、東南アジア諸国の販売会社巡りした頃を、思い出してしまいました。

ただノリがいいだけのお調子者ではなく、行動力もなかなかのもの。バコロド市内の大手ショッピングモールの場所を借りて、手作りクレープのテスト販売をしていると思ったら、ほんの数か月後にはクラウド・ファウンディングで資金集めを開始。


クレープってフランスのお菓子を、そのまま持ってきただけなのかと思ったら、日本式にずいぶんアレンジされたんですね。元々はそば粉で作った、甘くない食べ物だったんだとか。1977年に原宿カフェクレープで販売を開始したのが、日本でのクレープ発祥。

言われてみれば、日本のものと同じクレープって、フィリピンで見た記憶がありません。以前はドギツイほどに甘く、毒々しい色が当たり前だったフィリピンのケーキ。ところがここ何年かは、甘さを控えて、見た目も洗練されたものが人気。そのタイミングで日本式クレープに目を付けたというのは、かなりの慧眼と言ってもいいでしょう。

さらには敢えてマニラやセブなど、便利な大都会ではなく、地方都市のバコロドというのも、賢明な選択。場所代は高騰し、競争相手がひしめく血まみれのレッドオーシャンに、あまり深く考えもせずに飛び込む、日本の起業家は多いですからね。

そして、準備が完璧にできるまで動きません、という日本人の類型とは遠く離れた、即断即決で走りながらスタイルを改良していくタカさんの姿にも、感銘を受けました。これは僅かな金額でも支援をしなければと思うのも、同じネグロス在留邦人としては当然の成り行き。

タカさんだけではなく、年頭に紹介した、シライ市内で日本人向け英語学校を開校したユーキくんとサヨさんもいるし、こういう若者の姿を間近に見ると、まだまだ日本の将来にも、大いに希望が持てる。

有名大学を卒業して大企業に(それも国内に)勤めるという、20世紀型というか昭和スタイルは、もう過去の遺物。30年近く会社勤めをしていた私が、痛いほど思う実感そのもの。大きな組織にいると、スピード感が麻痺してしまうし、自分の頭で考えて判断する習慣が失われる。一番ヤバいのは、理不尽な要求に我慢を続けることが、当たり前になってしまうこと。

こんな環境に埋没して、他の選択肢に目を閉ざす人は、まず話していて面白味がなく、生きているのが辛そう。生きること働くことは辛さを我慢することだ、なんて人生哲学をご開陳されたりした日には、もう二度とお付合いは勘弁、と思ってしまいます。

ということで、この文章を書いている時点(2018年5/28)で、クラウド・ファンディングの締め切りまで残り11日。金額は3000円でもOKですので、意気に感じたという方は、どうかこちらからご支援をお願いします。


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