それはともかく、日本でライフラインと言われ出したのは、確か1995年の阪神淡路大震災の報道からだったと記憶しています。私がいた尼崎でも停電。比較的早い時間で復旧したものの、人生最長の電気のない時間でした。それから20年足らずで、その記録は、ネグロス移住直後の2013年、スーパー台風ヨランダであっさり更新。あの時は、丸二昼夜でしたからね。
まぁ、史上最強・最悪の台風では仕方ないにしても、ネグロスのライフラインは本当に頼りない。ここ最近は計画・計画外を含めて、矢継ぎ早の連続停電。短ければ10分とか30分。長ければ12、3時間も電気が止まる。このブログでも何度もボヤいてます。
電話・インターネット、ケーブルテレビもイマイチ。通信障害は日常茶飯事だし、停電時に相手がPLDT(フィリピン長距離通信、日本ならばNTTみたいな会社)だと通話できなかったり。電力は発電機で賄っても、途中の配信設備がダウンするせいか、テレビをつけても砂の嵐。
ガスは、最初から配管自体がありません。どこの家でもガスボンベを常備して、ガスがなくなったら、近所のガソリンスタンドや、ガス専門店でボンベごと新しいものと交換。下手にインフラ依存していないので、皮肉なことに、ガスが一番安心かも知れません。ただ深夜や早朝にガス欠は困るので、我が家ではボンベは二つをローテーションさせてます。
そしてメインの話題は水道。
裏庭に建設中のゲストハウスのために、先週の日曜日に購入したのが、水道水を加圧するためのポンプとタンク。井戸水でもなく、ちゃんと水道があるのになぜ必要?と思われるかも知れません。
フィリピン在住でも、コンドミニアム暮らしをされているとピンとこないかも。実はフィリピンの水道は、とても水圧が低い。水道局は「盗水」つまり、勝手に配管をいじって水道水を盗む輩が多いからだと説明してます。それも多少はあるでしょうけど、おそらく、きちんとメンテナンスができてなくて、漏水が多いんじゃないかと推測。
特にシャワータイムの朝に、水が出なくなるのはとても困る。なので、経済的に余裕のある家庭なら、水道水を貯めてポンプで加圧する設備を自前で購入するのが一般的。ホームデポに行けば、自家用の発電機と共に、いろんなサイズのポンプとタンクが並んでます。
と書くと、何やらすごい機材が必要なのかと思いきや、直径40センチで高さ1メートルちょっとのタンクと、私でも持てる程度の小さなポンプがあれば、普通の家の生活水は十分カバーできます。値段も両方合わせて、数万円程度。畳半畳分のスペースがあれば余裕で置ける。
ただ、ここまで準備しても完全ではありません。つい最近もあったのは、たまたまタンク内の水が少なくなったタイミングで長時間の停電があると、ポンプが動かず我が家だけ断水。ちょうど発電機が不調で、修理しようとしてた矢先だったので、本当に困りました。
もっと言えば、今年夏にマニラ首都圏やセブで起きたような渇水になれば、いくらポンプを用意しても意味はありません。実際に高級コンドミニアムでも断水したそうです。
それにしても電気や水道も、安定供給には自助努力が必要なのは、さすがのフィリピン。その昔、日本人は水と安全はタダと思ってると、外国から批判されたりしました。今では批判する側の気持ちが、何となく分かってしまいます。
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