もう先月(2020年11月)になってしまいましたが、右目と左目に、順番で目ばちこが出来てしまいました。
方言生活者あるあるな話で、私は「目ばちこ」は全国で通じる、普通の日本語だと思ってましたけど、これは関西のみ。関東を含む東日本で言うところの「ものもらい」です。
面白いことに、ネットで調べてみたら、大阪府下の眼科ホームページでは「目ばちこ、または、ものもらいとも言う」となっていて、関東地方だと「ものもらいは、大阪では『目ばちこ』、北海道では、『めっぱ』」と、それぞれ自分の地域を中心に説明してます。
ところで、物貰いなんて名前なので、感染する病気なのかと思いきや、三軒の家から米を貰って食べたら治る、などの伝承から付けられたのが、今まで残ったとのこと。感染はしません。
お医者さんが書く病名では、「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」。これを書いているパソコンで、一撃でかな漢変換されたので、私が思っているより一般的な名称なのかも知れません。
さて、私の目ばちこ。
特に寝不足が続いたとか、疲れやストレスが溜まっていたわけでもないのに、ある朝目が覚めたら、右の上瞼、ちょうど涙腺の辺りが腫れぼったい。鏡で見ると、喧嘩して殴られたみたいな顔になってます。と言うのは、ちょっと大袈裟で、眼鏡をしたら分からないぐらい。
それでも、瞬きをする度に違和感があるし、何をしていても右目に意識が行ってしまう。日本だったら、ひどくなれば眼科のお医者さんに診てもらえば、なんとかなるだろうとの安心感はあっても、私が住んでいるのはフィリピンの片田舎。
しかも、一時期シライ市内だけで、何百人も出ていた陽性患者の数は二桁代になったとは言え、まだまだコロナ禍の真っ只中。大きな総合病院だけでなく、こんな地方都市の診療所まで、診察待ちの患者さんが長蛇の列。これは、よほど状態が悪くならない限り、通院する気にもなりません。
それに加えて、ここ最近、なぜか身体の右側ばかりに不具合が出るのも気になってました。今回の右目の目ばちこ以外にも、ちょっとした擦り傷や打撲、調理中の火傷や、原因不明の長引く筋肉痛など、ことごとく右腕や右足。
う〜ん、これは何か変な「霊」が、右肩に乗っているのかいな。と書くと冗談みたいですが、ここネグロス島では、呪い(まじない)で悪霊を祓う「呪医」が、職業として成り立っています。ちゃんとお金を払えば、お祓いをしてくれるんですよ。
こんな具合に、一人でビビっているうちに、右目の目ばちこは数日で腫れが引きました。慌てふためいて、呪医さんにすがらなくて良かった。と思って朝起きたら、今度は、左目が目脂で開かない。うわぁ、またやんか〜。
どうやら右のが霰粒腫で、左は麦粒腫だったようです。症状としては、左の方が厄介で、痛みと痒みがある上に、かなりの膿が出る。これが目脂の正体でした。
さすがにこうなると、悪霊の祟りとか呪いじゃなくて、タチの悪い熱帯特有の感染症じゃないかと、嫌ぁ〜な想像をしてしまいます。上瞼の内側で、それほど目立たなかった右と違い、下瞼の真ん中にニキビみたいなのが一つ。出てくる膿をティッシュで拭ってたら、血が出ちゃった。まるで血の涙を流してるみたいで、見ていた家内もドン引き。
ちなみに目ばちこは英語で、Sty(スタイ)。西ネグロスの方言イロンゴ語では、Timos-Timos(ティモス・ティモス)と言うそうです。どっちも知らんかった〜。
ただし、転んでもただでは起きない関西人なので、フェイスブックでネタにして、「今日の目ばちこ / Stay of the day」なんて、日英併記の目ばちこ日記を付けてみたり。そうこうしているうちに、お陰さまで、一週間ほどで完治いたしました。怖い感染症じゃなくて、よかった。
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