2020年12月22日火曜日

やっぱり中国製ワクチンには疑問符

出典:ABS-CBN

遂にアメリカやイギリスなどで、ファイザーやビオンテックなどの大手製薬会社が開発した新型コロナのワクチン接種が始まりました。日本でも早ければ2月か3月頃には、接種開始の見込み。

2週間前の投稿(帰国を余儀なくされた人たち)では、あまりの開発スピードの速さに、本当に大丈夫かと書いた私ですが、どうやらアメリカやイギリス、ドイツなどの製薬会社の製品に関しては、大きな問題はなさそうです。

というのは、開発プロセスやワクチンの成分が、誰にでも確認できるようになっているし、各国の検査機関も、いくら急いでも必要な検査項目はスキップしないとの方針が明確。アメリカの場合、トランプ大統領から食品医療品局(FDA)に対して、大統領選の投票前の承認を迫る圧力があったものの、結局承認されたのは、投票の約1ヶ月後の12月11日。

それでなくても、新型コロナの治療法承認(血漿療法)の撤回と謝罪などで、政治介入に屈していると、非難を浴びてきたFDAのハーン長官。もし選挙日程に合わせるタイミングだったら、それが合理的な判断だったとしても、ワクチンの安全性に対する不安を煽っていたでしょう。

今回のワクチンに関しては、私もネット上でかなり調べてみました。その結論として今言えるのは、このワクチン開発は、「幸運」と「莫大な資金」によって成り立っているということ。

まず、新型コロナ・ウイルスは、2003年に流行した重症性呼吸器症候群の原因の SARSコロナや、2013〜15年の中東呼吸器症候群のMERSコロナと同系統だったことから、知見の蓄積があった。まったく未知の、人類が初めて遭遇するようなウイルスではなかったんですよ。

加えて、ここ10年ほど研究されてきた、mRNAという、インフルエンザや癌の治療に向けた技術が、運良く新型コロナのワクチン開発でも使うことができた。(詳しくはこちら

さらに、素人に一番わかり易いのは、従来の開発スピードの足枷になっていたコストを、ほぼ度外視できたこと。つまり、政府が臨床試験の成否に関わらず、すべてのコストを引き受ける約束をしたので、承認が確実ではない段階で、複数テストの同時進行や製造プロセスの先行投資が可能になった。要するに時間を金で買ったんですね。

とは言え、どんなワクチン接種にもある、副反応(ワクチンの場合は「副反応」が正式名称で、「副作用」とは少し違うそうです。知りませんでした。)は、当然ながらゼロではありません。発熱や悪寒、頭痛、関節痛などは、今までのワクチンでもあった症状。

ということで、早くできたからと言って、安全確認が疎かにはなっていないので、少なくともその開発や治験プロセスの透明性が確認できるワクチンなら、私も接種しようと考えております。

ただし問題なのは、中国製のワクチン。

日本に住んでいたら、こんな心配をする必要はないでしょうけど、フィリピンでは中国製ワクチンしか選択肢がなくなってしまう懸念も。一時はファイザー社との交渉が、フィリピン側のエラいさんが癇癪を起こして決裂したとの情報もあり、やきもきしています。一応、交渉は継続中。

今のところ、イギリスのアストラゼネカ社からの260万回分は確保されているそうですが、最速でフィリピンに導入できる見込みなのが、中国シノバック社製の2,500万回分。ところが、シノバックのワクチンは、まだ第三層の臨床試験が終わっていない。

気になったので、ツィッター上で公開質問を受け付けている、日本のバイオ研究者の方に聞いてみたら、中国産のワクチンは承認プロセスの情報が不十分で、疑問符がつくとのこと。

同社からのワクチン第一便がすでに到着しているインドネシアでは、1月からの接種開始に向けて、国民から不安の声が上がり、ジョコ大統領が対応に苦慮しているとの報道もあります。フィリピンでも中国製がメインになれば、同じことが起こるでしょうね。

コロナ禍が1日も早く終息してほしいのは山々なれど、安全性に疑問符がつくワクチン接種は、やっぱり怖いです。



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