2020年12月7日月曜日

帰国を余儀なくされた人たち


 今年(2020年)も12月になってしまいました。中国の湖北省・武漢で、最初に新型コロナウイルスの患者が確認されてから丸一年。いつもなら師走となると、あっと言う間に一年が過ぎたなぁと感じるところですが、今年に限っては、去年の今頃が、ずいぶん昔のことのように思えます。

2019年の12月と言えば、我が家ではゲストハウスが完成し、もう何組かのお客さんが宿泊していました。年末、年明けにかけて、入れ替わり立ち替わりで賑わっていたのが、嘘のよう。最後の日本人宿泊者が退去してから、もう半年が経過します。

私が付き合いをさせてもらっていた、ネグロス島在住だったり、ネグロスを起点にその後職を求めて、セブやアンヘレスへ移った、20〜30代の日本の若者たち。そのざっと半数が、今回のコロナ禍によって帰国を余儀なくされてしまいました。

私のように、貯蓄や年金で暮らしている退職者ならばともかく、彼らは、主に日本からの学生さんを対象とした、英語学校の仕事に従事。海外渡航がほとんどできない状況となっては、到底成り立たないビジネス。

数ヶ月で戻れるとの見通しで、教室として借りていた家屋を、家賃前払いして一時帰国した人もいました。ところが、家主が約束を反故にしたため、結局賃貸契約を解除。あるいは、勤務先が閉鎖の憂き目に遭い、自力で日本食の宅配を始めて頑張っていた人も、10月末には已む無く撤退。

中には、フィリピン女性と結婚したばかりなのに、ロクに新婚生活を楽しむこともなく、新妻を残してフィリピンを離れたという、気の毒としか言いようないケースも。

それ以外で、私が伝え聞くところでは、マニラ首都圏やセブでも、観光や飲食関連を中心に大打撃。多くの日本人起業家の方々が、涙を飲んでの帰国となってしまったようです。

少し前に、SNSでセブ在住の邦人の方が書かれていた投稿によると、一時は隆盛を極めた短期英語留学ビジネスは、コロナの影響で、オンライン・レッスンに大きくシフト。フィリピンへの渡航規制が緩和されたとしても、そう簡単に生徒さんは戻らないとの予測。

私の知るフィリピン人英語教師の中にも、オンライン専門に移って仕事再開した人がいます。確かに、日本でも業務形態や働く人のマインドが変わってきたようなので、まったく同じように復興というのは、難しいかも知れません。

さて、事態終息に向けての決定打と思われるワクチン。このところ、アメリカやイギリス、中国、ロシアなので、驚異的な早さでの開発と治験で、間もなく一般への接種が始まるとの報道がネット上を賑わせています。

でもこれって、本当に大丈夫なんでしょうか? 本来5年から10年は要すると言われるワクチン開発が、いくら各国政府の全面的な支援があったとは言え、1年も経っていません。素人の感情論で申し訳ないけれど、フィリピンではつい数年前、フランス製のデング熱ワクチンの副作用で、何十人もの子供が亡くなる薬害事故が起こったばかり。

しかも今回は、健康被害があっても、製薬会社は賠償責任を負わない条件での緊急輸入だと言います。日本政府は、もしもの場合、国が肩代わりすると発表しているものの、フィリピンでは心許ない限り。

さらに、もし中国製のワクチン接種となったら、ほとんどの人が拒否するか、安全を確かめるまで、様子見をするかも知れません。正直、私だって怖いですよ。

そんな懸念もあって、先日フィリピン国家経済開発庁の関係者が、ワクチン接種が広く普及するのは2021年末の見込みで、検疫の完全撤廃は2022年になるだろうとの述べたのは、現時点でかなり妥当な見解だと思います。(Philippines likely to remain under quarantine until end-2021

ということで、心ならずも日本に去った友人たちがフィリピンに戻り、私が一時帰国できるのは、まだ当分先になりそうです。


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