遅ればせながら、しばらく前にようやく乗ったモダン・ジプニー。ジプニーとは、定員20名程度の乗り合いバス。その他の東南アジア諸国にもある、タイの「ソンテウ」やインドネシアの「アンコット」と同じような公共交通機関。路線バスほど遠くまでは行かないけど、タクシーに比べるとずっと安い点も共通しているようです。
フィリピンに住んでたり、何度も訪問した方には耳タコの説明ですが、第二次対戦後に米軍が残していった軍用ジープを改造したのが、そもそもの始まり。だからジプニー。人によってはそのまま「ジープ」と呼んだりもりする。
そして外観は、いかにもフィリピン好みらしく、ゴタゴタとデコレーションやイラスト満載のボディ。カトリック国なので、イエス・キリストを賛美する言葉を誇らしげに描いたりもします。この辺りが観光客に異国情緒を感じさせるので、ジプニーのミニカーは、空港でのお土産の定番。
ただ日常的に使ってみると、そんなことはどうでもよくて、騒音、排気ガス、乱暴な運転、エアコン無しの蒸し暑さは、何とかしてほしいもの。何しろ何十年も騙し騙し使ってきたであろう車両ばかり。排ガス規制も何もあったものではありません。本当に安いだけが取り柄としか言えないぐらい。
そしてようやく21世紀も20年以上経過してから、やっと旧態依然たるジプニーにも近代化の波が押し寄せました。ここまでの話は、3月(2023年)にも投稿済みで、ここからが今回のメインである、実際に乗車してみての感想。
実は4月にセブに行った時が、モダン・ジプニーの初体験。ぱっと見には既に西ネグロスの州都バコロドでも走っている電動車両と似た外観の日野製。でもエンジンはディーゼル。つまり車種が変わったってだけなんですが、乗ってみると、もはやジプニーと呼ぶのも憚られるほどの変わりよう。
まず座席だけでなく、普通に立って乗れる。もちろん吊り革もついている。ドアも窓も閉められてエアコン完備(これ最重要)。驚いたのは車掌さんが若い女性で、発券用の小型端末を持っていること。しかも私服ながら服装もきちんとしていて、軽くメークにピアスまでしてるお洒落さん。旧来のジプニーにも、車掌らしいオっちゃんや兄ちゃんは同乗してましたが、みんなヨレヨレシャツのサンダル履きなのに比べると、隔世の感。
とまぁ、我ながら大事件のように書いてしまいましたが、要するに日本の路線バスをちょっと小ぶりにしたようなもの。みんなスマホ見てるし、中には居眠りしているオバちゃんまでいる。唯一、騒がしい音楽を車内に流しているところだけは、フィリピン・スタイル。
その翌週、たまたまバコロドでも乗る機会を得たモダン・ジプニー。こちらは正真正銘の電動自動車。でも乗り心地はセブのディーゼル・ジプニーと何も変わらない。車掌さんが女性だというのも同じ。雨だったので、エアコンの効力がより際立ってました。
ほんと、雨中のジプニーって最悪なんですよ。窓ガラスがないので雨避けは透明ビニールしかなく、これ閉めちゃうと蒸し風呂状態。その上、腰をかがめないと乗り降りできないから、足元が危なくて仕方がない。
もちろん、料金は旧来型に比べると増額にはなりますが、せいぜい50円が100円になった程度。昨今のインフレを考えれば、むしろ当然なくらい。収入が増えればドライバーや車掌の質も改善されて、乱暴な運転もマシになるでしょう。
ということで、近々、おらが街シライにも、バコロド行きのモダン・ジプニーが乗り入れるそうなので、私がバコロドに出かける頻度も上がるかも知れません。
バコロド〜シライ乗り入れ予定の モダン・ジプニー(出典:Silay City) |
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