2017年2月13日月曜日

ラッキー・ジャパニーズ


出典:フリー素材 著作者:Inside.spirit

フィリピンは、治安が悪い。日本のメディアがフィリピンを語る時には、もう耳タコのフレーズ。平和で静かなネグロス島シライ市の自宅にいるとイラっとくるほど、何とかの一つ覚えのような繰り返し。と思っていたんですが....。

先日久しぶりに、Hさんと話す機会がありました。Hさんは、以前から親しくして頂いている日本からの移住者。私と同年代で、フィリピン人の奥さんと一緒に、ネグロス島で生活しています。そのHさんがお住いのシライの隣街についての話を聞いて、どうもシライ市、その中でも私たち家族が住居を構えるサブ・ディビジョン(宅地)が、特別な場所だという気がしてきました。

シライの市街地から、車で20分ほどの距離にあるHさんのお住い。その徒歩圏内で最近立て続けに、拳銃によるホールドアップ強盗や、殺人事件が起こったそうです。シライでも殺人が皆無なわけではなく、時々耳にはしますが、大抵は違法薬物絡みの犯罪者同士の争い。無辜の市民が巻き込まれるケースは、少ないと思ってました。

また、私たちの宅地では、24時間体制で銃で武装した、屈強なガードマン約10名が常に敷地内を見回り、外部からの立ち入り時には、住民の付き添いもしくは、IDをガードハウスに預けることが必須。

そして車やバイクの速度制限も厳しく、せいぜい時速20キロ程度。外では音楽をガンガンに鳴らすトライシクル(輪タク)も、この宅地内ではオーディオのスイッチを切ります。私はここにしか住んだことがないので、ゲートがあるような宅地は、どこでも同じようなものだろうと思い込んでいました。

ところが、Hさん宅のあるサブ・ディビジョンでは、ガードマンの数は少なく、しかも老人。近隣のスラムからは、しょっちゅう泥棒や空き巣の類が、フェンスを乗り越えて侵入して来るし、実際に盗難被害も多発。車は宅地内を時速60キロも出して走り、危なくてしょうがない。仕方がないので、家の前の道に自費でハンプ(コンクリー製のかまぼこ状の突起)を設置したんだそうです。

少し前に、拳銃を買ったという噂だけ流せば、コソ泥は寄り付かなくなると書いたけれど、これは本当にピストルを持った方がいいのかも知れません。そんなことを家内に言うと「ラルフ(家内の従弟)は持ってるよ」と、あっさり返されてしまいました。フィリピン人で、そこそこの収入がある場合、護身用に銃の携帯をしている人は、思ったよりも多いらしい。

フィリピンで合法的に銃を所持するには、ライセンスが必要です。また家に保管するのではなく持ち歩くには、さらに追加の携帯許可も。外国人による購入は禁じられていて、私の場合、家内にライセンスを取ってもらうしかない。

う〜む。今まで散々、ネグロス島の田舎暮らしは危険が少なく、のんびりできてお勧めだと書いてきましたが、必ずしもそうではなかったようです。考えてみると、たまたま家内の実家があるシライ市に住み、家内の母に見つけてもらった宅地を、あまり深く考えもせずに買ったのは、すごくラッキーなことだったんですね。


州都バコロドにあるガン・ショップ


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