2023年5月31日水曜日

言語多様性の宝庫フィリピン

 ここ最近になってから、ツイッターで知り合った言語学者にして某大学の教授。たまたまお名前が、私の家内と同じジョイさん。と書くと、知ってる人には一撃で身バレですが、本名でSNSやっておられますので。ご両親はアメリカの方ながら、育ちは日本で国籍もれっきとした日本人。そして日本の方言を研究されているとのこと。

そのジョイさんが調査されたところによると、かつてカタツムリの名称は日本全国でなんと400以上もあったそうです。この100年でほとんどが消滅してしまい、多様性が失われたことにジョイさんが残念がっておられました。ところがそのツイートへ、ITエンジニアを名乗る方が「なにが残念なのか分からない。言語は英語だけに統一してほしい」と返信。

う〜ん、言語学にはまったくの素人の私ですら、これは暴言だと思いますよ。まず英語って発祥の地のブリテン島の中ですら多様な方言。有名なのはロンドン訛りのコックニー。労働者階級が話す下町言葉なので、あまり上品なアクセントや語彙ではなさそうですが、英語に限っても、こういう方言を切り捨ててしまうと、多くの微妙なニュアンスが表現不可能になるでしょう。

曲がりなりにも英語を喋り、今住んでいるネグロス島の方言イロンゴ語を勉強中の私にすれば、日本語を含めてたった三つの言葉ですら、それぞれに置き換えができない言い方がいっぱい。無理に翻訳したら、すごく長くなって説明臭くなるのがオチ。言い換えれば、地域性とか固有の文化って、言葉に負うところがとっても大きい。私など日本語どころか、関西弁ですら絶対に捨てたくありません。標準日本語だけしか喋れなくなったら、60年かかって作り上げて来た私の人格は、確実に変質してしまうでしょう。

私が思うに、言葉というのは思考の道具。例えば1枚の絵を描くにしても、鉛筆なのか絵筆なのか、使う道具次第で生み出される絵はまったく別物。最近はパソコンのアプリとペンタブレットでタッチの似せることはできても、画面上で見るのと、実際に目の前にある手描きの完成品では、見る人に与える印象はガラっと変わる。複数の道具を使いこなせれば、作品の幅はさらに広がる。

つまり私の感覚からすると、言語を英語に統一するのは、油絵だけしか表現方法が無くなったようなもの。水彩画も、木炭によるデッサンも、水墨画も版画も全部使うなと言われるに等しい。確かに十分に訓練された画家にかかれば、油絵の表現力ってすごいけれど、やっぱり多種多様な人間の創造力を盛る器としては、制限が多過ぎます。

少し前の投稿で、フィリピンは教育の場での公用語を一つに絞るべきだ、なんて偉そうなこと書きましたが、これは飽くまでも教科書の話。教室から出れば当然母語で喋るべきだし、プライベートまで英語で通せと言っているわけではありません。

実際に現在発展している地域や国を考えてみれば、アメリカ然り中国然りEU然り。どこも方言も含めて、膨大な言語の多様性を持っています。近年、グローバル規模で大きなインパクトをもたらしたiPhoneがアメリカから生まれたのは、決して偶然ではないと思います。

そう考えれば、主要な方言だけでも8つあり、話者が少ないものも数えると約170もの言語を有するフィリピンは、多様性の宝庫。貧困やそれによる教育格差で、その潜在的なパワーは十分に発揮されていないけれど、すでに経済成長という点では日本すら凌ぐ勢い。


出典:Deviant Art


考えてみれば明治時代以降、方言を極力排して日本語の多様性を狭めてきた日本って、それ以前に比べれば効率は良くなっても、思考の幅が狭まったように思います。バブル崩壊以降の日本の低迷は、大きく見れば、みんなが同じように考え同じように振る舞った結果。「同調圧力」という言葉が、それを象徴してます。

ここ数年は、私のような定年退職者だけでなく、20代30代の若者が海外に生活や仕事の場を求めるケースが増えているのも、どっちを向いても同じような人ばかりの社会から、無意識のうちに逃げ出した結果なのかも知れませんね。



2023年5月30日火曜日

国際結婚悲喜交々 嫉妬深さは世界一?


 先月(2023年4月)に、シリーズで書き始めた国際結婚について。(どっちの言葉で話する? / 義理親との距離感 / 子供のアイデンティティ)3本書いて尻切れトンボになってたのを、一応最終回としてもう1本。お題は「嫉妬」についてです。

フィリピン人と国際結婚したり交際したりすると、男女を問わず閉口するのがパートナーの嫉妬深さ。もちろん全フィリピン人がそうだというわけではなく、ウチは全然そんなことないってカップルもいるでしょうけど、大概は心当たりがあるんじゃないでしょうか。

まずは些細なことながら、フェイスブックが火種になるケースが多い。実は私の家内もやっているタイムラインの巡回。夫や妻・恋人が、誰の投稿に「いいね」やコメントしているかを、ストーカーの如く毎日チェックして、それが妙齢の異性だったりすると、内容に関係なく烈火のように怒りが爆発。

家内の場合はプライドが高いのかキレたりはしませんが、時々マジで「これ誰?」とご機嫌斜め。このターゲットが、ものの見事に年齢と容姿で選別されていて、親戚や共通の友人を除けば、女性として魅力的な人ばかり。

最近は、ちょっとでも疑われそうな相手には、下手なコメントはしないようにしてます。ちなみに、なぜか日本人の友達だと、いくら美人でも無反応なのに、同国の若い女性にはとても厳しい。フィリピナ心の難しさよ。

さらにこれは、自宅で働いてもらうメイドさんや私の家庭教師、出張マッサージのセラピストにも適応されるのが厄介なところ。結局いろいろあって、現在は3人とも「オバちゃん」で落ち着いております。さすがに、家内の嫉妬でクビにした人はいないものの、ティーンエイジャーとか20代で、見た目が魅力的な女性に対しては、はっきり分かるほど当たりがキツかった。まぁ私の態度にも、無意識のうちに家内を怒らせるようなことが、あったのかも知れません。

その他では、人に聞いた話で恐縮ながら、仕事で異性と話をしてるだけで腹を立てたり、さらに驚くことに、夢の中でパートナーが浮気しても、そのパートナーが悪いってことになるらしい。ここまで来ると一方的な言いがかり。少なくとも私の感覚からすれば、これを理由に怒ったり泣かれたりしたら、そしてそれが頻発したら、十分離婚の理由になるでしょう。ちょっとこれは重過ぎですね。

この嫉妬に関しては以前の投稿で、親の表現過剰な愛情と、それに伴う甘やかせ過ぎが原因ではないかと分析したことがありますが、本当のところはよく分かりません。日本人でも、パートナーに愛想を尽かされるレベルの嫉妬深い性格の人はいても、それはかなり珍しい部類。

ここまで恋愛感情を激しく表に出しちゃう人が多いと、痴話喧嘩が高じての流血沙汰もよく耳にするフィリピン。パートナーの浮気が事実かどうかは無関係に、自分を抑えられずに相手を傷つけたり、時には殺人事件になってしまったり。これも日本でもたまに報道される類のことながら、頻度では圧倒的にフィリピンが勝っている印象。

にもかかわらず...なのか、だからこそというべきか、子供が何人もいる夫婦が別居(法的に離婚が認められていないフィリピンでは、事実上の離婚)するケースが多いんですよね。家内の叔父とその息子、つまり従弟が親子二代でやらかしてます。私も子供はいなかったけど、きっちりバツイチなので、偉そうには言えませんが。

その叔父が亡くなった時には、葬儀の際に前妻と後妻が鉢合わせして、棺の前で修羅場が展開されたのには驚きました。

ということで、シリーズ「国際結婚悲喜交々」は、嫉妬について語って幕引きとさせていただきます。



来るのか来ないのかゴミ収集

 仕事でも日常生活でも、決まったことを決まった日時にコンスタントに...というのが苦手なフィリピンの人々。まぁこれはどっちかと言うと、規則にがんじがらめの一般的な日本人の感覚が、世界的は少々異常なのかも知れませんけど。

その手の話で、最近ちょっと目立つのがゴミ回収のイレギュラーさ加減。以前からいったい何曜日に集めにくるのか判然とせず、しばらく毎週月曜日だと思ってたら、いつのまにか木曜日になってたり。2週間以上も音沙汰なくて、大きなゴミのポリバケツが溢れそうになってから、思い出したように、土・日にやって来ることもあります。

これは私の想像ですが、ゴミ回収車の運ちゃんが「昨日の晩、飲み過ぎて二日酔いだから休み!」となって、回収をスキップ,,,なんてことがあるのかも。実際、そういう休み方があったりするのがフィリピンのユルさ。そもそも給料が決して高くないであろうゴミ回収なので、能力も仕事へのモチベーションが高いような人材は、まず集まらないでしょうね。

ただ困るのは、野良猫や野良犬たちが多いこと。ちゃんと蓋が閉まるポリバケツならそうでもないですが、こっちでよくある古タイヤをリサイクルしたゴミ箱だと、簡単に蓋を開けてられて、生ゴミを食い散らかされたり。年中暑いフィリピンでこれをやられると、周囲にすごい臭いが拡散します。中には犬・猫対策で、家の前の木にスーパーのポリ袋に入れたゴミをぶら下げる人もいる。対策としては有効でも、見た目が最悪なんですよね。

ちなみに日本では、これまた異常なまでに厳しくなったゴミの分別回収。一時はシライでも、燃えないゴミは分けて出すようにとお達しが。でも回収の様子を見てたら、ゴミ回収のオっちゃんたちは、せっかく分けて出してもごちゃ混ぜに放り込んでるし。

ところで、こんな具合に集めたゴミ。一体どこへ持っていってどのように処分してるんでしょうか。家内も地元の親戚や知り合いも、誰も知らない。おそらくは焼却とか埋め立てなんていう、お金も手間もかかることはせず、かつてマニラにあったスモーキーマウンテンのごとく、どこかの山中に野積みなんだろうと思います。

10年ほど前、日本のNGOの活動に参加して、セブで同様のゴミ捨て場を視察したことがありますが、とんでもない広さと臭気。そしてゴミの中から使えるものを拾って売り捌く、通称スカベンジャーの家族もいました。側から見てると悲惨そのものでも、意外に儲かる仕事なんだとか。もちろんやりたいとは思いませんが。

ということで、先週も「パス」された、私が住んでいる辺り。丸十日ぐらい放置されたゴミは、今朝ようやく回収されていきました。やれやれ。



ネグロスでも強風 スーパー台風2号の脅威

 発生時点で、すでに猛烈な強さになることが予想され、日本でもニュースになっていたらしい2号台風、国際名マーワー(Mawar)でフィリピン名はベティ。これがまさに予想通りのスーパー台風で、直撃を喰らったグアム島は、全島が壊滅的な被害。インフラがダメージを受けたのはもちろん、空港も閉鎖され、なんとも気の毒なことに、運悪く滞在していた日本人観光客の皆さんが、ホテルは追い出された上に帰国もできない状態。例によって日本政府の対応は冷淡なんだとか。

そして、私たちが住むフィリピン・ネグロス島。今まで何度も台風には痛い目に遭っているので、雨雲レーダーや日本気象庁のサイトで、強さと進路を逐一チェック。当初からフィリピンの主要島嶼に上陸の可能性は薄そうだったし、せいぜいルソン島北部を掠めるぐらいだろうと思ってたら、これが意外に大きな影響が出ました。

ネグロスへの最接近(と言っても何百キロも離れてますが)は、昨日(2023年5月29日)の月曜日。雨はほとんど降らなかったものの、終日の強い南風。風だけに限れば、並の台風の強風圏に入ったんじゃないかと思うぐらいの激しさ。庭の植木は倒れるし、室内にまで風が吹き込んで、カーテンが外れてしまうほど。

その程度ならブログには書かなかったんですが、厄介なのが停電の多発。こっちでは台風が来なくても、伸び過ぎた樹木の枝が送電線に触れてショートなんて事故が多い。結局24時間で3回も電気が止まり、そのうち2回は2時間以上に及ぶ長時間停電。

そして停電の最中、職場にいる家内から電話で、大学生の甥っ子アンドレとその友達に、我が家の発電機を使わせてやってくれないかとの電話が。タイミング悪く、当日の昼過ぎに教授に提出予定のレポートがまだできておらずピンチなんだとか。「そんなギリギリになるまで放置するなよ」と喉元まで出かかりましたが、今それを言っても仕方がないので、二つ返事で引き受けました。

昼食後に、慌ただしく自家用車でやって来たアンドレと友人の二人。発電された電気を使ってバタバタと1時間ほどの作業。なんとか間に合ったらしく、お礼の言葉も早々に足早に去っていきました。

結局、私の知る限り、ネグロス島のシライ市内では、目立った被害は停電ぐらい。今日が締め切りだったオンライン日本語クラスへの授業料振り込みもできたし、停電後にしばらく不調だったインターネットも復旧。やれやれです。ちなみに強風の方は、翌日の今日になっても、まだ時々思い出したように吹き荒れてます。もう停電するなよ〜。


ブログ執筆中もどんより曇ったネグロス島

それにしても、はるか沖合いを通過しただけでも、これほどの影響の大きかった台風ベティ。もしネグロスを含むビサヤ諸島に上陸してたら、10年前のヨランダや一昨年のオデットと同様、多数の犠牲者を出す大惨事になっていたのは、想像に難くありません。実際、今回のグアムでの映像を見ると、まさしくヨランダの悪夢再びの惨状。

ということで、このベティ。これで終わりではなく、5月30日現在は台湾の東海上にあって、今後沖縄から日本の本土に上陸する可能性も。これはまだまだ予断を許さない状況が続きそうです。どうか皆さまご無事で。



2023年5月24日水曜日

行けなかった姪っ子のデビューパーティ


中央がジャスミン、両端が父母
隣にいるのが兄のアンドレと私の息子

 かれこれ1ヶ月以上も経ってしまいましたが、実は先月(2023年4月)、私の姪っ子ジャスミンのデビュー・パーティがありました。要するにフィリピン版の成人式で、日本のように18歳になった人全員を集めて1月に式典をやるのではなく、それぞれの18歳の誕生日を人生最大レベルに派手に祝うというもの。これをデビュー・パーティと呼びます。こっちでは「Debut Party」をデブ・パーティと発音するので、最初は何のこっちゃと思いました。

法的には男女関係なく18歳で成人。ところが、こんなお祝いをするのは女の子だけ。男は、3年遅れで21歳にデビューとなるそうなんですが、よほどの富豪とか有名人でもない限り、こちらは滅多にパーティは開かないらしい。ちなみに私の息子も今年18歳。背は伸びたものの、中身はまだまだ子供。やっぱりこの年齢は、日本もフィリピンも女の子の方が早熟ですね。

おそらくデビューとは社交界への仲間入りで、かつての上流階級の習慣だったと思われます。ところが今のフィリピンは、中流層が大躍進。貧困層はなかなか這い上がれないものの、子供を大学に進学させることのできる中流層は、この10年ほどでずいぶんと厚くなりました。リッチとは呼べないまでも、決して貧乏ではない義弟夫婦。義弟のロイは市役所の管理職で、義妹ジーナは公立小学校の教師。不必要な贅沢をしなければ、生活にはかなりの余裕があるようです。ちなみにフィリピンの学校は、私立より公立の方が教師の給与は高い。

なので、その娘ジャスミンのデビュー・パーティは、結婚披露宴並みに、西ネグロスの州都バコロドの高級ホテルで開催。おそらく両親の収入の2ヶ月分ぐらいは注ぎ込んだと思われます。すごいなぁ。

私たち家族も出席の予定で、家内と息子は1ヶ月も前から貸衣装屋さんで寸法合わせ。ちょっと早過ぎないかと言ったら、家内曰く、この時期は学校の卒業式シーズン。早めにやっておかないと、借りる服がなくなっちゃうんだとか。加えて、ジーナ行きつけ(私も利用してます)のゲイの美容師も招待して、当日はホテルの一室でジャスミンも含めて身内の女性たちのヘア&メイク。いよいよウェディングパーティのノリ。

日頃、親戚が集まると、頼まれもしないのにいつも歌ってた私は、当然のように「歌うか?」との聞かれました。そりゃあ、聞かれたら歌いますよ。ただ難しいのは選曲。最初はフィリピンでも大ヒットしたディズニー映画の主題歌、レリゴーこと「Let it go」を考えていました。あれって「あるがままの私で生きるのよ」みたいな歌詞なので、成人式にはいいかなと思ったものの、家内から「ちょっと違う」との物言い。散々悩んだ挙句、同じくディズニーの超スタンダード・ナンバー「星に願いを」を歌うことに。

衣装は、昨年の還暦祝いに用意したものがあるし、これで準備万端...のはずが、パーティの一週間前のセブ旅行で引いた風邪が治らず。熱は一晩で下がったけれど、しつこい咳が続いてました。歌えないのはもちろん、峠は越えたとは言えコロナを疑われそうだし、こっちではもっと恐ろしい結核というのもある。これでは迷惑だろうと、前日になって出席を諦めました。残念至極。

さてパーティの内容は、直後からフェイスブックに大量に投稿される写真で、だいたいの雰囲気は伝わりました。期待通りの大盛会で、ジャスミンの同級生と思しき、正装した若い男性がたくさん。学校のミスコンで「クイーン」に選ばれたこともあるジャスミンなので、きっと大モテなんでしょう。

それにしてもフィリピンでは、ジェンダーを意識した催し物が頻繁なこと。何かと言うと、小学生の学校行事でさえコスプレ紛いの服着せたり化粧させたり。前述の通り学校でも、さらには町内会レベルでもミスコンは盛んだし、フェイスブックにはセクシーな水着や際どいドレスのセルフィーがずらり。それに対して「グワパ(美人)」「セクシー」とのコメントが同性からも上がります。

ミスコンやヴィクトリア・シークレットの下着ショーに風当たりが強いアメリカや、それに追従する日本では、ちょっと考えにくいぐらいの盛り上がり。かと言って、昔ながらの男性優位の価値観に女性が縛られず、社会進出は世界レベルなのが、フィリピンのすごいところなんですよね。



フィリピン人のIQ

 先週投稿した「フィリピンをディスる在留邦人たち」が、最近の私のブログにしては珍しく反響が大きく、いつになくコメントもいただきました。やっぱり同じことが気になってる人が、多いんでしょうね。

その中で「フィリピンの男はバカしかいない」という某日本人のツイートを取り上げて、そうじゃないだろ、みたいな事を書いたわけですが、タイミングが良いのか悪いのか、ABS-CBNが「フィリピン人のIQが低い」との記事が。それによると、最近の調査ではフィリピンの平均IQが200カ国中111位で、なんと81.64しかなかったらしい。(Bakit mababa ang average IQ ng mga Pinoy kumpara sa mga taga-ibang bansa?

ちなみに普通は100程度はあるそうで、130だと天才、俗にギフテッドと呼ばれる子供のレベル。70以下だと知的障害者とされ、支援が必要となります。ただ70以上〜85以下は「境界知能」。障害とまでは行かなくても、学校では通常の授業についていくのが難しく、仕事もなかなか覚えられない。IQでは世界2位の日本でも、この境界知能の人が統計上は全人口の14%、1,700万人もおられるそうです。これは全然知りませんでした。(NHK WEB特集 なぜ何もかもうまくいかない? わたしは「境界知能」でした。

悲しいことに日本では、境界知能だと支援を受けることもできず、かと言って通常の業務に就いても長続きしない。簡単な計算ができなかったり、物の名前が覚えられないので、本人は努力しているにもかかわらず、周囲からは「不真面目」「やる気がない」と見られてしまう。

そう言われれば、このブログを書き始めてから、ある一定の割合でトンチンカンなコメントする人たちがいますねぇ。いわゆる日本語を理解できない人。短い文章の意味は分かるので、タイトルだけに脊髄反射。ちょっと内容を読めば分かるはずのことを重ねて質問したり、結論とは逆の事を書いたり。

そして問題なのがフィリピンの人々。確かにドン引きするぐらい計算がダメな人が時々います。さらに深刻なのが、とてもシンプルな因果関係に基づく予測ができないケース。つまり、半月先までの生活を賄う必要のある給料を、1日で費っちゃったり、月曜日の朝早くに仕事があるのに、日曜日深夜にドンチャン騒ぎしたり。その結果、早々に雇い主に給料の前借りを頼むわ、月曜日は休んじゃうわ。年に数回程度ならともかく、毎回これだとクビにもなるでしょう。

なるほどなぁ。あれは態度が悪いのではなく境界知能が原因だと考えれば、いろいろ腑に落ちます。

ただ私が10年間フィリピンに暮らした印象からすれば、全員が境界知能レベルとはとても思えません。おそらく、それ相応に教育を受けられる環境にあれば、日本の平均と同じか、さらに聡明な人も多い。飽くまでも私の感覚ですが、高い方と低い方に二局分化してる気がします。まさに貧富の差が知能の差にまで影響している。

ABS-CBNの記事では、記憶力偏重のフィリピンの教育の、質の改善が必要との意見があります。それよりも私は、何度もこのブログで指摘している通り、教育で使う言語の一本化が急務だと思います。教科としての英語だけでなく、数学や理科も英語で書かれた教科書で、社会や歴史はフィリピノ語。私の住むネグロスなど、母語のイロンゴ語に加えて2言語必須になるという重すぎる負担。なので英語とフィリピノ語が苦手だと、ほぼ全教科全滅になってしまいます。ひょっとすると、IQテストの英語で書かれた問題の文章が、理解できないから点が低いなんてこともあるのかも。

私のイロンゴ語の家庭教師で、現役の高校教師のバンビによると、英語ができる子は知的レベルも高い。そりゃ必然的にそうなるでしょうね。例えば日本だと、英語ができなくても、腕のいい技術者になることは可能ですが、フィリピンでは英語苦手な子は、最初から理系の道を断念するしかない。

ということで、フィリピンで息子を高校に通わせている親としては、暗澹たる気持ちになる話でした。



2023年5月19日金曜日

使えなくなった携帯番号

 フィリピンでは、携帯電話の新規番号取得が実に容易で安い。50ペソ(約120円)ぐらいのSIMカードを買って手元の携帯に入れるだけ。日本のがんじがらめの仕組みとは違い、住民票持って来いだの、運転免許見せろなんてことは皆無。そもそも日本に比べると端末そのものが、安いものだと数千円。月給が1万円ぐらいのメイドさんでも持ってて、フェイスブックしてますからね。

...というのも今年(2023年)の4月25日までで、さすがに犯罪に使われた時に、持ち主が分からないのはマズかろうと、住所や氏名などの個人情報の登録が義務化されました。期限を過ぎたて未登録だと、自動的にその番号は無効に...なるはずだったのが、登録者が少な過ぎて、結局90日の延期になっちゃったらしい。この辺りがフィリピンらしいユルさ加減で、やっぱりそうなったか、というのが正直な感想。

私と家族は、もちろん早々に登録完了。やり方は至ってシンプルで、各キャリアのサイトにアクセスして、顔写真のある身分証明書のアップと、それを持った自撮りをアップするだけ。外国人の場合は、それに加えてパスポートの写真や番号の入力が必要なものの、大した手間ではありません。

もし日本で、同じ規模の登録なんてことになると、年寄りはできないから、店舗に手書き書類を持参して対面で説明して云々と、大変なことになるんでしょうね。

とまぁ、登録が済んでる私からすれば、いくら期限を伸ばそうが、何ならやっぱり無理で諦めてもらってもいいんですが、困ったことに、登録したはずのSIMカードが使えなくなりました。これが、ある日突然プツって切れたのではなく、何となくシグナルが弱くなってきて、テキストを送ってもなかなか発信できない。受ける方も、昼間貰ったものが、夜になって着信したり。

最初は、最寄りの基地局に不具合でもあったのかと思ったら、家内や息子の携帯は問題なく使えてます。とうとうシグナル強度を示す4本グラフが1本も見えなくなり、試しに息子のSIMを入れ替えてみたら、ちゃんと3本立ちました。結局何が悪かったのかは分からないまま、とっとと新しいSIMを購入。安いし、それほどの手間もかからないから、下手に手持ちのを修理しようなんて考えない方がいい。

実は電話を使うのは、外出時にWi-Fiのない環境で、家族や近しい友人と連絡を取る時ぐらい。ネットにさえ繋がれば、フェイスブックのメッセンジャーか、日本人相手ならLINEで十分。

それにしても、フィリピンでの携帯電話の身元確認。自分でやってみて分かりましたが、誰か身代わりを立てれば、いくらでも偽情報が登録できるんですよね。本気でヤバい犯罪者なら、簡単に回避できるザルな仕組み。一体何のために大騒ぎしてるのか、イマイチよく分かりません。

ということで、図らずも新しくなった私の携帯番号は至って快適で、たまにモバイル通信をオンにすると、一撃でLTEが繋がります。日本への国際電話も大丈夫だし、不安定な光ケーブルより安定してますねぇ。


フィリピンをディスる在留邦人たち

 ここ最近ツイッターで、立て続けに目に付いたフィリピンの悪口。人を雇っても全然ダメで、特に男はバカしかいないとか、フィリピンで英語留学しても時間と金の無駄だとか。極め付けは、観光地も名所旧跡もないし治安が悪いから、友達を誘うこともできないというツイート。

これらが、ロクに現地の事を知らない日本人のやっかみじゃなくて、何ヶ月か、あるいは何年もフィリピンに住んでると思われる在留邦人からの発信。いちいち反論するのも面倒なので、直接リプライなんてしませんが、まず人材の件に関して言えば、探し方が悪いんだろうと思います。

どうせ安い給料を提示して、フェイスブック内の求人グループででも募集したんでしょうね。そんな雑なやり方でも、そこそこ仕事ができる人が見つかると思うのは、おそらく日本でしか通用しない考え方。世界でも珍しいほど、従順で平均的な能力を育成する教育システムのお陰で、黙っていても時間は厳守するし、細かい指示がなくても、だいたいは自分の判断で動けるのが一般的な日本人。今では逆にそれが災いして、給料が下がってるのに劣悪な業務環境で使われてしまってます。

フィリピンで、というか日本以外のほとんどの国で、本気で使い物になる人材に来てもらいたいなら、まず高給を提示するのは大前提として、信頼できる人物から一本釣りで紹介を依頼しないと無理。一見効率の悪いやり方に見えても、玉石混交の中から血眼になって数少ない玉を探す労力を思えば、最初から石は無視するのが良策というもの。

実例で言うと、近所にオープンした、私が住む田舎街シライ市内には珍しい高級レストラン。そこの受付やウェイター、ウェイトレスの人たちが、日本で働いても十分通用するレベル。むしろ日本のコンビニやファミリーレストランのバイトに比べれば、はるかに優秀と言えるかも。

メッセンジャーのチャットで予約する時から、ぶっきら棒な紋切りスタイルではなく、ちゃんとした会話で予約を受けてくれるし、全文がきれいな英語。レストランに着いたら着いたで、出迎えの人もテーブル周りで接客する人も、全員が同じく笑顔で対応。呼んだらすぐ来てくれて、頼んだこと以外にも「〇〇はいかがでしょう」と痒いところに手が届く受け答え。

昔、「人間の証明」で大ブレークした推理小説作家の森村誠一さんが、エッセイに書いていたところによると、作家になる前はホテルマンだった森村さん。良いホテルのサービスとは、誰か特定の担当者が良い印象を残すのではなく、全体的に何となく良かったと思わせるのが一番なんだとか。シライのレストランが、まさにそんな感じでした。

とても感銘を受けたので、家内に「どうやってスタッフをリクルートしてるんだろ?」って訊いたら、まずオーナーが超金持ち。このレストランは、スペイン統治時代の大邸宅を改装したもので、そもそも上流階級に人脈があるから、親戚や知り合いに人の紹介を頼んでも、高学歴で評判の良い人が候補に上がるのは当然。あるいは、職業学校や大学の教授に伝手もあるらしい。

これを、ぽっと出の日本人が真似しようとしたら、まずは然るべき投資をして金持ち階級と人脈を作るところから始めないとダメということ。頭からフィリピン人を見下して、どうせダメな奴ばかりだろうと端金で人を選んでたら、そりゃ優秀でやる気のある人材なんて集まりっこありません。よく考えたら、これは日本でも同じかも知れませんね。

さらに英語留学が無駄なんて、その経験がないとしか思えない。実際、私の知ってる範囲にたくさん元留学生がいます。それがきっかけでフィリピンで起業したり就職したり、中にはフィリピン人配偶者を見つけて、人生の新たな境地を切り拓いた人がいくらでもおられる。もちろん無駄にしちゃった人もいるでしょうけど、それは本人が貴重な経験を活かせなかっただけの話。

フィリピンに友達を呼べる場所がない、に至っては、せっかくフィリピンに住んでるのに、ずいぶん狭い範囲でしか生活してないだろうと、気の毒になるぐらい。こっちの方がよっぽど人生の無駄遣いのように聞こえます。よく言われる、マニラ首都圏には観光地がないという話。ちょっとでもフィリピンの歴史を知ってれば、興味深く見て回れる場所はいくらでもあるはず。食べ物だって日本では有名じゃなくても、美味しいものはたくさんあるし。何より地元の人と接するのが楽しい。

ということで、フィリピンに「住まわせて」もらってるんだから、気に入らないことや好きになれないことがあっても、最低限のフィリピンとフィリピン人への敬意を忘れちゃいけません。相手を見下してると、それは確実に見抜かれてます。いずれ手痛いしっぺ返しを喰らいますよ。



2023年5月11日木曜日

治らぬ風邪の後遺症

 先月(2023年4月)の中頃にセブに出かけて、帰りに風邪を引いてからもう4週間近く。風邪そのものは、それほどひどくもなく、熱は一晩熟睡で治ったものの、それからずっと後遺症が続いてます。と書くと、何やらたいへんなようですが、朝晩限定の軽い咳と嗅覚が鈍くなったこと。ただ、今の私の生活にはとても重要な二つ、歌唱と料理に影響するので少々困っております。

歌に関しては、おそらく無理して歌えばボイストレーニングもこなせるんでしょうけど、一度喉を痛めたことがあり、その時はずいぶん長いこと高音が出なくなってしまいました。それ以来、喉の調子には神経質に。結局のところ、歌い過ぎにしろ風邪が原因にしろ、喉の復調に効果があるのは、喉を休めることがベスト。つまり、全然歌ってないんですよね。

一応、家内に買ってきてもらったシロップタイプの咳止めを飲んでみました。多分日本の咳止めと同じ成分で、眠気と頻尿の副作用。咳止めや風邪薬って、成分のコデインの依存症が問題になったりしてるし、3本服用してまったく効果が見られないので、今は飲むのを止めてます。

そして嗅覚。食べ物が味気なくなるだけでなく、毎日の料理担当の私。味見をしてもイマイチ味が分からないので、料理そのものの楽しさも半減。ただ当初は、まったく匂いがしない時期もあったものの、今ではかなり戻っているのが救い。近所の焚き火の焦げ臭さや生ごみなどの悪臭も感じちゃいますけど。

ここで気になるのが、コロナの疑い。知り合いのSNSでの投稿や、ネット記事で目にする長く続くコロナ後遺症。典型的なコロナの症状で、嗅覚がダメになるってのも広く流布されてましたね。もちろん一般に言われるコロナの後遺症って、そんな生やさしいものではないらしく、ちょっと調べてみても、咳や味覚障害だけでなく、倦怠感、筋肉痛、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑鬱、睡眠障害...。これでは日常生活にも支障を来たします。

そもそも熱が出た時でも、今までの風邪と同じ程度の症状。医者が言う軽症でも、人生で最も辛かったとなるそうですから、仮にコロナだったとしても、ほとんど無症状に近いぐらい。まぁブースター含めて3回、アストラゼネカを接種したお陰なのかも知れません。

実は移住してから、風邪引きの後に何度かしつこい咳や鼻詰まりが続いたことがありました。そんな時に近所の診療所に行けば、抗生物質を処方されるのが常。これが霊験あらたかなほどに効くんですよ。効き過ぎて怖いぐらいに。

でも、あんまり多用するのも良くないのが抗生物質。有名なのが結核治療に使うケースですが、下手な使い方をすると耐性菌ができてしまい、かなりヤバいことになったりするらしい。

正直に言って、抗生物質の件だけでなく、地元の診療所ってできれば行きたくないんですよね。タイミングが悪いと何時間も待たされるし、冗談じゃなしに結核患者も多い。病気の治療に行って、待ち合いスペースで他の感染症を移されそうで、気が気ではありません。

ちなみに私の住むシライの診療所は、各科のドクターが個室を構えた小規模なもの。オバちゃん看護師一人がいる受付と待ち合いは、屋根はあるものの周囲に壁がない、半分屋外のような場所。年中夏だし風通しも良いので、これはこれで十分な設備です。

ということで来週には丸1ヶ月が経過。これで治らなければ、重い腰をあげてドクターに診察してもらうしかなさそうです。


2023年5月8日月曜日

鬼っ子低気圧で乾季なのに大雨

 日本ではゴールデンウィークが終わり、これから6月末まで祝日はないという5月初旬のこの時期。フィリピンでは乾季の真っ盛りで、一年で一番暑い時期。さらにエル・ニーニョ現象の影響らしく、マニラなどの大都会では連日の最高気温40度越え。例によって首都圏では渇水だし、コロナ禍明けもあって、急激な電力消費量の伸びに発電が追いつかず、各地で計画外停電のニュースも。

ここネグロス島のその例に漏れず、先々週の水曜日(2023年4月26日)から、三日続けての停電。送電が止まっている時間は1〜2時間と、時々ある半日に及ぶような計画停電よりはマシですが、同じ日に2回も3回もとなると、さすがにこれは不便で仕方がない。どうやら、責任はネグロス中央電力ではなく、その上部組織である、NGCP (National Grid Corporation of the Philippines) 管轄の問題だそうで、影響が出ているのはネグロスのみならず、ギマラスとパナイの三島に及ぶ広域停電。

と、ここまでは、多少例年よりは暑さが厳しいとは言え、まぁまぁ真夏のフィリピンではありがちな話ながら、何をどう間違えたのか停電騒ぎの後の先週、時ならぬ長雨に見舞われたフィリピン。乾季の真っ只中で台風でもないのに、ほぼ終日の雷雨が、これまた三日も続きました。

あまり天気予報が当てにならないこの国なので、私は自分のスマホに入れた雨雲レーダーアプリを常用してまして、これによると、どう見ても台風並みに渦を巻いた雨雲が、次々にフィリピン東岸から押し寄せて来ていて、まるっきり雨季の様相。日本の気象庁からは台風情報が出てないので、気圧の低さはそれほどではないけれど、どうやら季節外れの熱帯低気圧が、ミンダナオからここビサヤ諸島の上空を通過したらしい。

涼しくなって良いし、その間は停電もなかったんですが、学校は二日連続の休校。息子の通う高校では、暑さ対策で週二回オンライン授業実施中で、休校日の一日がオンライン日。てっきり授業はあるのかと思ったら、それでも休校なんですね。水捌けの悪い我が家の前の道路は、案の定二日続けて冠水。

週末に入ってからは、終日の土砂降りではなくなったものの、乾季らしからぬ不安定な天候で、朝は快晴なのに、昼過ぎからは曇って、夕刻から夜には土砂降りの雷雨定期便。なんだか季節のサイクルが、一月分ぐらい早送りされた感じです。

そんな中、この土曜日に予定していた、家内を伴ってのホテルでの夕食。今年が結婚25周年の銀婚式で、挙式以来一度も行ったことのなかったバコロド市内のホテル「シュガーランド」で、久しぶりにディナーでもと思って、家内に頼んで予約してもらってたんですよ。

天気はもう大丈夫かと思って出かけた週末のバコロド市内は、コロナ明けで大渋滞。さらに夕食時を狙ったかのごとく、5時頃から土砂降りに雷雨。本当ならプールサイドのレストランで、ゆっくりお食事のはずが、使えるのは狭いカフェのような場所のみ。せっかく予約まで入れたので、雨の中ホテルには行ってみましたが、何とも間の悪いことに、隣席は超騒がしいお客さんが、耳も聾さんばかりの大盛り上がり中。どうやら久しぶりに再会した友達か親戚らしい。

フィリピン的には我慢すべき範囲なんでしょうけど、軟弱な日本人の私には、とても落ち着いて食事ができる雰囲気ではありません。同じカフェ内にガラスで仕切られた個室があって、そこを使えないかと訊いてみたら、何とルームチャージだけで10,000円。残念ながら諦めて、腹ペコのままシュガーランドを後にしました。

1時間遅れで自宅のあるシライ市に戻り、いつもの地元料理のお店で仕切り直して、一応満腹にはなったけれど、息子を含めて家族三人、何ともどよ〜んとした雰囲気に。返す返すも恨めしい、鬼っ子低気圧の置き土産でした。

これに懲りて、週末夕刻にバコロドの市街地に行くことは、当分ないでしょうなぁ。