2021年3月24日水曜日

偉いさんが来ると、仕事が止まる


 ここ一週間ほど、フィリピン人の家内は大忙し。

と言うのは、家内が勤務するフィリピン教育省のネグロス島シライ市分室。西ビサヤのリージョナル・ディレクター(西ビサヤ地方統括本部長、みたいな感じになるんでしょうか。)が視察に来るので、その準備に忙殺されています。

これって、日本の会社でも似たようなもので、本社の偉いさんが地方の小さな支店に来るなんてなったら、ここぞとばかりに支店長が点数稼ぎに血眼になる。実務には何の役にも立たない、エエ格好するためだけの資料作りで、担当者は大騒ぎになるわけです。

最重要ポイントが「責任者が恥をかかない」だから、もしあれを訊かれたら、このグラフが必要で...と、芋づる式に用意するものが増える。その上、メール添付の事前送付では済まなくて「念のため」全部印刷することになりがち。もう、思い出しただけで、胃が痛くなってきた。

当然ながら家内の機嫌が良いはずがなく、毎日帰宅したら、シライ分室の責任者を「アホ」呼ばわりで愚痴ばかり。

それに輪をかけて、フィリピンのオフィスって、この手のセレモニーっぽい会議が大好きなんですよね。エントランスに「歓迎、〇〇本部長」の横断幕を飾ったり、たった一回だけのために、会議室の机に、参加者全員のネームプレートを用意したり。

そして視察に付き物なのが接待。私がフィリピン出張していた二十数年前なら、日本食レストランに連れて行かれて、その後は、お姉ちゃんが横に座るタイプのバーに。なぜ日本から来た社員にを日本食?と思いますが、要するに接待する側が、食べたいからなんですよ。

ちなみにこれは、バブルの余光が残っていた時代のお話。見る影もなくなった現在の日系企業では、まずありえないでしょうねぇ。

さすがにフィリピン教育省だし、八割ぐらいが女性職員なので、ホステスのいる店で接待はないけれど、市内唯一のアミューズメントパーク「マジック・ランド」に行くらしい。まるっきりお遊びですな。

さて、ドゥテルテさんが大統領に就任してからというもの、警察を含めて、政府内の各省庁の腐敗一掃の、暴力的なまでの改革が実行中のフィリピン。悪名高い陸運局などに比べると、教育省は、かなりマシなようですが、それでもこの程度の無駄遣いは、問題にすらならない。

まぁ、年度内に予算を使い切りたいという事情も分かるし、コロナ禍で飲食店も遊園地も経営が苦しい最中なので、これぐらいは仕方ないかもしれません。ただ、学年が切り替わる繁忙期に、一週間以上も職員の手を止めさせるのは、いかがなものかと思いますね。



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