2023年6月19日月曜日

マニラを外してセブ経由


 正式名称ニノイ・アキノ国際空港、略称NAIA。このフィリピンの首都マニラの玄関口である空港が、このところ国際線を中心に、大混乱が続いているようです。

少し前は、4つあるターミナルのうちの第2ターミナルを占有していた、ナショナル・フラッグ・キャリアのフィリピン航空による、長年のターミナル使用料未払いが発覚。ドゥテルテ大統領の指示で、莫大な罰金を課されるという不祥事がありました。また、空港職員が旅客の荷物に銃弾を隠し、それを理由に金銭を要求する犯罪も多発。

最近では、今年(2023年)の正月1日に大規模な停電を起こして管制が全面ストップ。マニラ離発着便だけでなく、フィリピン全土の空の便が麻痺状態に。規模はやや小さいけれど、ついこの間にも停電がありました。情けないことにその原因が、スタッフが自分の携帯電話を充電するために、メインシステムの電源を引っこ抜いたから。ちょっとこの国は、どうなってんですかね?

振り返ってみるに、私がフィリピンと関わりを持ち始めた1990年代から、NAIAは悪評ふんぷん。税関では乗客から公然と賄賂を要求してたし、ボロボロの荷物カートは有料。設備は古くて汚いし、フライトの遅れは常態化。Filipino Air Line を捩って Flight Allways Late なんて言われたものです。そして最悪なのが、外国人観光客と見れば、タクシー運転手はメーターも倒さず法外な金額を請求したり。特にお人好しの日本人は、格好のターゲット。

2010年代後半に入り、上記のドゥテルテさんにシバキ上げられたお陰で、常連だった「世界最悪空港ランキング」上位からは外れたものの、丸三年続いたコロナ禍の後は、どうやらすっかり元の木阿弥。新任大統領のボンボン・マルコスは、文字通りのボンボン。まったく睨みが効かず、緩みまくっております。

そして最近の、第3ターミナルへの国際便集約で、混乱は頂点に。

本来ならばずっと以前に、空港のキャパシティ不足を補うために、首都第二空港を作っておくべきだったんですよね。日本ならば、羽田と成田、あるいは伊丹と関空みたいに。遅まきながら数年前には、ビールで有名な大財閥のサンミゲールが、マニラ首都圏北部のブラカン州に国際空港建設のプランをぶち上げましたが、コロナのため着工準備に手間取っているらしく、続報も耳に入ってこない状態。

ただ私と家族が住んでいるのは、マニラから遠く離れたネグロス島。別にマニラを経由しなくてもマクタン・セブ空港があります。コロナ禍の間は日本への直行便はすべて休止の憂き目に遭いましたが、すでに成田へのフライトは再開し、嬉しいことに11月にはセブ〜関空が復活するらしい。

ネグロスからセブは、正味30分のフライトで行けるし、国際線のターミナルは新しくてきれい。何よりターミナル間の連絡が良好で、ストレスなく移動ができるのが最高。マニラの場合、一旦空港外に出ないといけない所は、昔から一向に改善されず。フィリピン航空ならば同じターミナルで乗り換えできたのが、最近の改悪でそれも不可能に。

ということで今後しばらくは、ハブ空港としての機能を喪失したマニラに見切りをつけて、一時帰国はセブ経由一択ということになりそうです。


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