2019年12月7日土曜日

運転手を雇える身分


今年(2019年)の8月、信号待ち中に追突されてからというもの、車の運転に嫌気が差して、滅多に自分でハンドルを握らなくなっていました。(踏んだり蹴ったりの誕生日

実はそれ以前から、できることならフィリピンでは、自分で運転したくなかった私。運転自体が下手くそで、今までもあちこちぶつけたりもしてる。ただ、一番の理由はそれではなく、自家用車を購入して6年以上も経つのに、こちらでのドライブ環境にどうしても慣れないから。

それは何かと言うと、日本の常識はまったく通用しない運転マナー。ウィンカー出さずに進路変更、右左折なんてのはまだマシで、トラックやバス、ジプニー(乗り合いバス)などが、無茶苦茶に強引な割り込みをするし、横断歩道の有無などお構いなしに、道幅の広い道路を歩行者が渡る。さらに、信号無視は多い。そもそも信号そのものが、何ヶ月も故障したまま放置されてる。

こんな状況なので、止むを得ず、急ブレーキを踏むことだってあります。ところが、助手席に陣取っている家内は、まるで私が無謀運転をしたかの如く怒りだす始末。私も相当なストレスを感じながら運転しているので、つい強い口調で応戦。よくないですね〜、こういう夫婦喧嘩。

そんな事が積み重なった上での、8月の事故だったので、それ以降、隣街のタリサイやバコロドに出かける際には、Grab(グラブ)使ってばかり。

Grabとは、最近、世界的に普及した、スマホ経由の配車サービス。タクシー会社に所属するのではなく、Grabに登録した運転手が自分の車をシェアするというスタイル。地図アプリを駆使して、目的地やルートが明確で料金も最初に提示される。

時間帯によっては、タクシーより少し割高になることもありますが、自宅前まで来てもらえるし、運転手や車種の情報、ナンバーまで記録に残るから、タクシーに比べると、はるかに安心、しかも車内がきれい。移住した当初に利用できていれば、おそらく自家用車は買わなかっただろうと思うほどの便利さ。

とは言え、既にある車を、ガレージの肥やしにするには勿体なさ過ぎる。そして、一箇所に行って帰ってくるならまだしも、3箇所、4箇所と回るような時は、さすがに費用がかさむし、電波が届く場所にいるとも限らない。それなら運転手を雇えばいいと気が付いたわけです。

日本だったら、よほどの金持ちでもない限り、まずあり得ない選択肢。ところが、新車をキャッシュで買えるぐらいの経済状態なら、むしろ運転手を雇わない方が不自然なフィリピン。私たち家族の住む、ビレッジと呼ばれる宅地では、メイドと同様、住み込み運転手がいるという世帯も、それほど珍しくはありません。つまり人件費が安いわけです。

ではどうやって運転手さんを探そうか、となれば、困った時のライラ(我が家のメイドさん)頼み。親戚か知り合いに、運転してくれる人いない?と訊いたら、たちまち同じバランガイ(町内会)に住むオジさんを紹介してくれました。

名前はナルシソ。(ナルシストではない)年齢は私と同じ57歳。少し前まで、シンガポール人家族の運転手でしたが、雇い主が仕事の都合で帰国してから失業状態だったとのこと。

その初仕事が本日、土曜日。生まれて初めて、自分が所有する車を、雇った運転手さんに任せるという経験。考えてみれば、いい身分になったものです。

ということで、前振りだけでずいぶんと長くなってしまったので、続きは、次回の投稿へ。


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