2019年12月8日日曜日

運転手・メイド・セラピスト


前回に続いて、個人で運転手を雇ったお話。

メイドのライラに紹介してもらった、57歳の運転手ナルシソおじさん。約束は土曜日朝の10時だったけど、15分前には自家用トライシクル(三輪バイク)に乗って、我が家の前に到着。フィリピンでは、これだけでも信頼の証になる快挙。

実は先週、家内のオフィスで働いている、別の運転手さんを頼んでいたけれど、まさかのドタキャン。それも時間を過ぎてからの連絡でした。

さて、やって来たナルシソ。よく日に焼けて、年齢よりだいぶ老けて見えます。ただ、いい感じに年齢を重ねてたようで、表情が柔らかな田舎のおじさんという佇まい。オートマティックには不慣れなようですが、運転は見かけ通りの穏やかさ。

無茶な運転はしない私でも、ナルシソの真似は難しそう。横暴なトラックが強引に割り込んで来ても、すんなり減速して道を空けるし、そのあとノロノロ走られても、十分余裕ができるまで、追い越しをかけない。

日本の職業ドライバーなら、安全運転は当たり前と思われるでしょうけど、フィリピンに限っては決してそんなことはありません。どちらかというと、タクシーやジプニー、路線バスの運転手の方が、総じて運転は荒っぽい。

特にバスは、運行スケジュールはなく歩合制なので、できるだけ速く、たくさん乗客を詰め込んだ方が手取りが増える。満員でブっとばすから、事故ったら大惨事。ネグロスのバスのコーポレートカラーは黄色。そこから「黄色い棺桶」なんて、恐ろしい渾名で呼ばれています。

そんな公共交通に比べると、はるかに穏やかな運転のナルシソ。タクシーに比べたら少し時間は長めだけど、久しぶりにゆっくり周囲の景色を眺めてのドライブ。土曜日は天気も良かったし、家内と無意味な言い争いをすることもないし、なかなか快適な時間でした。

この日回ったのは、隣街のタリサイ市内にある、一部で日本の食材も扱っているスーパー、その近くのホームセンター、その後、州都バコロドのショッピングモールでお昼を済ませて、別の場所をさらに2箇所。最後はバコロドの街外れにある、家内の叔母の家を訪問。

自宅に戻ったのは夕方4時過ぎだったので、ざっと6時間。車で移動している時間は、全部足してもせいぜい1時間程度。つまり運転手さんは、5時間もただひたすら雇い主を待っているということになります。それこそ絶対に私には真似のできない仕事。

本当は最後に、近所でもう少し買い物をしたかったのですが、途中で奥さんから「待ってるから、早く帰って来て」との催促電話。スピーカーを使っての通話だから、会話の内容がダダ漏れなんですよ。これでは、早く仕事を終わらせてあげないと可哀想。

ということで、昼食時の待ち時間に渡した、ランチ代100ペソと合わせて、支払ったのは500ペソ(約1,000円強)。半日拘束でこの値段は、やっぱり安い。ちなみに、自宅からバコロドの市街地までの片道で、タクシーやGrabだと、時間帯によっては400ペソもかかります。

好調な経済成長が続くフィリピンで、物価はどんどん上がっているとは言え、相対的に、まだまだ安い人件費。メイドのライラと、週一で出張マッサージに来てもらってるセラピストのリケル(中年女性)、それに続く運転手のネルシソ。日本では想像もできなかった、使用人に支えてもらう、フィリピンでの生活です。


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