「まだ残ってたんか?」というぐらい引っ張り続けている、裏庭のゲストハウス建設に伴う作業。クリスマスまで一週間という土壇場になって、ようやく最後のアイテム、バンブーハウスの修理が終わりました。
バンブーハウスとは、名前の通り、竹で作った小さな家。広さは三畳分ぐらいでしょうか。ちゃんと床もあり、屋根は茅葺。日本のものとは違う種類かもしれませんが、フィリピンにも千萱(ちがや / Cogon )が自生してるんですよ。
これは、母屋を建て始めた6年前に購入したもの。完成品をトラックに積んで、裏庭に人力で据付けたという代物。クレーンも何もなしに、10名ぐらいの人夫さんが「エンヤコラ」と人力で下ろしてくれました。
相当しっかりした造りで、熱帯の強烈な日差しも、滝のような豪雨でも大丈夫ですが、さすがに竹と茅。3年に一度ぐらいは手入れが必要です。具体的には竹材にはニス塗り、茅の屋根は葺き替え。
実はゲストハウスを着工した今年(2019年)4月頃には、茅がかなりずり落ちていて、隙間からは雨漏りする状態。一時は鶏舎にもなっていたので、床にはこびり付いた鶏糞だらけ。大掃除して、工事中は大工さんの休憩所になっていました。
当初は、購入したお店に修理を頼むつもりでしたが、メイドのライラが、ご近所さんに修理できる大工さんがいると言うので、そちらに頼むことに。
やって来たのは、大工の旦那さんと、以前、ゲストハウスの大掃除に来てくれた奥さん、そして12歳の男の子ボージ、10歳の女の子ダカ。子供二人はクリスマス休みに入ったそうで、材料の茅を運んだり、掃除をしたりの大活躍。お昼休みに、おにぎりを作ってあげたら、家族全員大喜びで頬張ってました。
ダカとボージ兄妹
ライラから聞いたところ、旦那さんが大酒飲みで、せっかく稼いだお金もアルコールに化けてしまうらしい。なので、すごく小さな家に住んでいる。何と、今回修理してもらったバンブーハウスよりも狭い場所に、家族四人が寝起きしてるというから驚き。
案の定、旦那さんは英語が全然ダメ。つまり小学校をギリギリで卒業したけれど、中・高等教育には縁がない。こうなると子供にも教育を受けさせることができず、下手すると女の子の場合、16、7歳で妊娠するケースも多い。巷で言われる「貧困の連鎖」をリアルで見る思いです。
それでも、見た感じは仲のいい家族で、笑顔もいっぱい。少なくとも不幸な印象は全然ありません。こういう姿を見た、日本からの観光客や短期間滞在者は「貧乏でも幸せなフィリピン人」みたいなステレオタイプを量産するんでしょうね。
実際には、子供が病気にでもなったら、薬も買えないし医者にも診せられない。救えるはずの幼い命が、たくさん失われているのが、フィリピンの現実。
と、感傷的になっている間も無く、バンブーハウスの修理は二日で完了。ニスを塗った竹は購入時の光沢を取り戻し、真新しい茅葺屋根も、散髪したての男前。照明を入れて、テーブルを置けば、来客時のカフェテラスには最適の空間。ハンモックでも吊るせば、昼寝もできます。
ということで、翌週から泊まり客を受け入れる予定のゲストハウス。タイミング良く作業が完了しました。
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