2019年12月9日月曜日

声優さんの訃報に思う


フィリピンでも若年層を中心に人気の日本製アニメ。フェイスブックで、若いフィリピンの友達のプロフィール写真を見ると、日本のアニメキャラか、韓流ポップス・映画のスターというパターンも多い。

おそらく、私を含む昭和30年代生まれの日本人は、物心ついた時に既にテレビがあって、連日のようにアニメが放映されていた最初の世代。母によると、2歳の私は、日本初のテレビアニメ(当時は「テレビまんが」と呼ばれていました)「鉄腕アトム」の主題歌を「でんで〜ん、あと〜む〜」と歌っていたそうです。

つまり、日本でのアニメの発展と共に育ったようなもの。「巨人の星」でプロ野球に憧れ、「サスケ」「忍風カムイ外伝」を見て忍者ごっこ。「マジンガーZ」が流行れば、親に「超合金」の玩具をねだったり。

「ガッチャマン」を始めとするタツノコ作品には大ハマりして、「ふしぎなメルモ」で性に目覚め、「宇宙戦艦ヤマト」でハードSFの世界を知ったという具合。その他にも最初の「機動戦士ガンダム」は、たまたまリアルタイムで放送第1回を見て、衝撃を受けました。

私にとって、キャラクターを演じる声優さんは、ヒーローであり恋人、時には親友だったり、家族の一員にすら匹敵するほど近しい存在。ちょっと大袈裟に言うと、人生の伴走者。

ところが最近立て続けに、声優の方々の訃報が。

2013年/納谷悟朗さん(銭形警部、沖田艦長)、内海賢二さん(ブライキング・ボス、則巻千兵衛)

2014年/永井一郎さん(磯野波平、佐渡酒造、ダイス艦長、錯乱坊、小鉄)、仲村秀生さん(力石徹、島大介)

2015年/大塚周夫さん(ねずみ男、石川五エ門)、熊倉一雄さん(ヒゲオヤジ、ゲゲゲの鬼太郎・主題歌)

2016年/大平透さん(宇宙の帝王ゴア、ハクション大魔王、南部博士、喪黒福造)、肝付兼太さん(ジャングル黒べえ、ギャートルズの父ちゃん、銀河鉄道999車掌)

2018年/藤田淑子さん(一休さん、マライヒ)、麻生美代子さん(磯野フネ、ロッテンマイヤー)

2019年/白石冬美さん(星明子、サイボーグ001、ミライ・ヤシマ、パタリロ)

()内は、私にとって印象深い役

私がフィリピンに移住してからだけでも、お馴染みの声優さんが、こんなにたくさん鬼籍に入っています。そしてつい先月(2019年11月)、ルパン三世の第2シリーズ以降の石川五エ門や、巨人の星の花形満、キャプテン・ハーロックなどを演じた、井上真樹夫さんが亡くなりました。

この他には、ルパン三世役で有名な山田康雄さんと、タイガーマスクの伊達直人、侍ジャイアンツの番場蛮、宇宙戦艦ヤマトの古代進などで知られる富山敬さん。(二人とも1995年逝去)

こうして書き並べてみると、本当に溜息が出る思いですね。

どの声優さんも、草創期から日本のアニメを支えたパイオニアばかり。今回、この投稿を書くに当たって調べたら、戦前の中国や旧満洲ご出身の方もちらほら。考えてみると、私の親の世代。

声優さんの場合、テレビや映画でお姿を見ないことが多く、声だけでは年齢がよくわからない。中には、観る人の夢を壊したくないと、敢えてカメラの前には出ないことを信条にする、峰不二子役の増山江威子さん(ご存命)のような方もおられる。

私が子供の頃から活躍されているんだから、もう相当な年齢になっているのは当然。それでも突然の訃報に接すると、その役のキャラクターも一緒に死んでしまったかのように錯覚して、ショックも大きい。

井上真樹夫さんが亡くなった時、ルパン三世の次元大介役で共演の小林清志さんが、「残されたのは不二子ちゃんと次元の二人になっちまった」とコメント。そうなんですよ。こうなると私も、自分の年齢についてしみじみ考えてしまいます。


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