2015年11月25日水曜日

もう日本には戻れない 携帯編

ガラパゴス携帯「ガラケー」の名称で揶揄される日本国内向けの携帯端末。一般的にはタッチパネル型のスマホは含まれていないので、もっぱらひと昔前の10キー付きで二つ折りやスライド式のスタイルを指すようです。しかしフィリピンでの携帯サービスに慣れると、日本の携帯電話のサービスそのものが世界的には独特で孤立したガラパゴスに思えます。

昔からそうで、今もドコモやau、ソフトバンクのサイトを見ても皆目理解できないのが料金体系。まず端末が「¥0」(無料)というのが訳分かりません。しかもナンバーポータビリティと称して他社を解約して新規契約する方が継続するより安くなるという不思議。月々の料金には端末代が上乗せされているので、純粋な通信料金が一体いくらなのか実に分かりにくい。

移住前は電気メーカー勤務で、ごく短い期間ながら携帯端末の開発に関わったことがあるのに、あの料金体系のカラクリは謎のままでした。だいたいお客様のために作っているはずの携帯端末が、通信業者が儲けやすいように製品仕様を決めるのが腑に落ちません。

携帯端末ほど個人が愛着を感じる電気製品も少ないでしょう。お客様によっては肌身はなざず持ち歩くもので、特に若い世代にとってはファッションアイテムでもあり、恋人や友達とのコミュニケーションを取るための大事な道具。

そんな自分の分身みたいな存在なのに、まだ壊れていなくても通信業者を変えると強制的に使用不能にされてしまいます。資源を大切にだとか地球に優しくというキャッチコピーが溢れている世の中で、時代の先端を走っている多くの企業がこんな矛盾したことしている。しかも誰でも分かっていることなのに、誰も積極的に変えようとしない、できないのが日本の抱えている病巣を象徴しています。

少し前にフィリピンの携帯事情について書きました。こちらでの端末購入は通信業者は全く介入しません。最近はどんな小さな街でも中国製の格安端末売ってるし、メーカーの専門店に行けば、それなりに高級機種もあります。アップル・ストア(ネグロスには直営店はなく「i Store」の名称)も車で30分以内の範囲で2軒。

「自分の端末」をまず買って、どの通信業者にするかは、一つ100円ほどのSIMカードを購入する時に決めます。身分証明も契約書も何にも要りません。実にシンプル。一つのSIMと一つの番号がセットになっているので、電話を変えたければSIMを入れ替えるだけ。

サービスは月2千円程度からの定額制もありますが、必要に応じてプリペイド式に追加で払っていくのが一般的。ほとんどの人がショートメッセージと通話しか使わないので、金額は知れています。ネットに繋ぎたければ、ショッピングモールや飲食店のフリーWiFi使えばいい。

もう、あの日本の摩訶不思議で恐ろしく高額な通信料が必要な世界には、とても戻る気になりません。


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