私たちの住むフィリピン・ネグロス島のシライの街を歩いていると、たまに市の紋章が描かれたハシゴ車みたいな高所作業用の車を見かけます。最初は消防車かと思いましたが、これは樹木の剪定や伐採のためのもの。
街路樹やサトウキビ畑と市街地の境界に植わった並木を切り倒して回ってます。依頼があれば私有地内の木もバッサバッサやってる。なんともったいなく無残なことか...と感じるのはまだ熱帯慣れしてない証拠。
年中雨が多く、20度以下には絶対下がらない気候だとどうなるかというと、草だろうか木だろうが猛烈な勢いで育ちます。わかりやすいのが去年建てた自宅の庭。別に何も植えたつもりはないのに、いつの間にやら何本も木が生えてきました。そのうち2本はチェリーだそうで、1年もしないうちに2階の屋根より高く。
小さな白い花が咲くので、半年ほど前の投稿で花見でもしようかと気楽なことを書いてましたが、台風が近づいたりすると幹が風に吹かれて軒にガンガンぶつかります。これは恐ろしい。慌てて家内やメイドさんに手伝ってもらって、危なそうなのを数本、大汗かいて枝打ちしました。もうちょっと小さいうちにやっとけば良かった。
こういう目に会うと、何故わざわざ税金使って市内の木を伐ってるのかよ〜く理解できます。2年前のスーパー台風ヨランダの時は、大木が根こそぎぶっ倒れてブロック塀を倒壊させたのを見ました。熱帯で育った樹木というのは急激に大きくなるものの、その分かなり柔らかい。ちょっと強い風が吹くと簡単に大きな枝が折れたり、木そのものが倒れてしまいます。
日本でも梅雨時や夏場など、空き地がすぐに草ボウボウ状態というのはありますが、フィリピンでは草どころか、1年も経てば熱帯雨林に戻ってしまう勢い。空き地だけでなく、舗装道路にまで蔦が這ってきてどこが道なのか分からなくなるほど。
子供の頃から「緑を大切に」と散々教え込まれてきましたが、フィリピンでは緑は守るべきものというより、場合によっては駆除の対象と言ってもいいほど厄介なものだったりします。
時々落下したヤシの実で怪我人も出ます
自宅ベランダからの風景は緑一色
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