2022年2月4日金曜日

反ワクチンに堕ちる人々


出典:CNN.co.jp

 一旦は収まりかけたかに見えたコロナ禍は、新たな変異株のオミクロンにの出現により、母国日本でも、ここフィリピンでも再び新規の感染者数が連日新記録。数字だけを見ると憂鬱になりそうです。ただ、1年前に比べると、お先真っ暗の危機的状況というのとは、ずいぶん変わったと感じるのは、多分私だけではないでしょう。

オミクロンの感染力は極めて強く、フィリピン在住の友人・知人の中にも感染したという話を聞きますが、幸いどなたも重症化や入院にはならず。普通の風邪よりかなり辛い症状は出ても、何とか自宅療養で回復されたとのこと。そして重要なのは、私の知る限り、全員がワクチン接種を済ませていたという事実。

相変わらず日本のマスコミは、感染者数の増加を見出しにする一つ覚えスタイル。ひたすら不安を煽り立てる報道が多い。デルタ株が猛威を振るった時期とは、明らかに状況が変わったのを周知して、国民の不安を抑える方向にならないものでしょうか。

だからと言って、すべてを一気にコロナ前に戻すべきとは思いません。外出時にはマスク着用、適切な距離を保って手洗い励行、大人数での会食を慎む姿勢は、もうしばらく必要でしょう。ただ、ワクチン接種を済ませた身としては、仮に感染しても重篤化の可能性が低いと思えば、精神状態には雲泥の差があります。

ところが、ここまでワクチンの有効性がはっきりした2022年2月現在でも、反ワクチンを頑なに信じ込んでいる人がいるのは、理解に苦しみます。しかもフィリピン在住邦人で、私が実際に会ったり、SNSで頻繁なやり取りがあった方の中から、いつの間にかガチガチの反ワクチンとなった人が3人も。

3人に共通しているのは、全員、平均以上の知的レベルの持ち主だという点。有名国立大卒だったり、実業家、医療関係者など、正直に言って、私などよりよっぽど頭の良い人たち。それなのにSNSのタイムラインを見ると、どう考えても眉唾物の、陰謀論で染まったユーチューブ動画や記事のシェアが並んでたりします。

特徴的なのは、単にワクチンに懐疑的なレベルに止まらず、かなり激しい口調で、ワクチン関係者や組織を名指しで非難。さらには、反ワクチン的な主張とセットになって、特定の隣国を嫌悪したり、極端な健康食志向になってたり。中には法皇フランシスコを犯罪者と決めつけた主張を展開されてる人も。

実はこの3人、いずれも反ワクチン以外では、ここまで極端でなくても、以前からそういう傾向がありました。それがSNS上で私が縁を切った理由でもあります。なので、知的レベルの件を除くと「やっぱりそうなってしまったか」とも思ったり。

いずれにしても、こうなると、SNSだけでなくリアルな付き合いがあったとしても、疎遠にならざるを得ないでしょう。以前にも書いた通り、もし家族の誰かが反ワクチンを信じ始めたら悲劇。

聞くところによると、これは日本人に限ったことではなく、フィリピンでも起こっているそうです。ワクチン接種完了率がこの期に及んでも54.2%と、今ひとつ伸び悩んでいるのは、反ワクチン感情が一因なのかも知れません。

残念ながら今回のコロナ禍は、健康面や経済面だけでなく、人と人とのつながりにおいて、深刻な爪痕を残したようです。



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