2022年11月30日水曜日

バスが時間通りに来る国

 一時帰国を明日に控えて、前回に引き続き「日本が良いのはこういうところ」第二弾。今回は公共交通機関についてです。

こう書くと、フィリピンに限らず、海外に長く住む日本人なら言わでもがなでピンと来ると思います。鉄道にしろバスにしろ、公共交通機関が時刻表通りに運行されているのって、多分日本だけじゃないでしょうか?

かれこれ30年ぐらい前になりますが、仕事やプライベートで頻繁にヨーロッパ旅行をしていた頃、ロンドン〜カーディフ(ウェールズの首都)、ハンブルグ〜ハノーバー(ドイツ)、アムステルダム〜ロッテルダム(オランダ)そしてアムステルダムからブリュッセル、ルクセンブルグを結ぶ国際列車などに乗車。当時はまだEU統合前だったので、客車の中でパスポートにスタンプを押してもうらう経験もしました。

地下鉄や都市内鉄道なら、ロンドン、パリ、ミラノ、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴ、シンガポール、香港、台北...。思い出してみると、我ながらずいぶんといろんな国で鉄道を利用したもの。もちろんマニラのLRT・ MRTにも何度か乗ってます。

そのどれもが、定時運行という点では、日本に比べるとユルユル。定時どころか、突然の欠便があっても誰も驚かない国も多く、数分の遅れを神経質なまでに気にするのは、間違いなく日本だけ。

さすがに路線バスになると、日本でも寸刻の遅れなく...とはならないけれど、それと分かる渋滞や事故でもない限り、せいぜい10分以内程度の誤差で来ますからね。しかも路線によっては、次のバスがどの辺りを走ってて、到着時刻のデジタル表示があるバス停だってある。前回の一時帰国で、久しぶりに大阪市バスに乗って驚いた浦島太郎は、私です。

それとフィリピンの地方都市を比べるのは、あんまり意味がないかも知れませんが、そもそも私の住むネグロス島には、旅客鉄道がない。わずかに敷設された線路も、走ってるのは、サトウキビ運搬のための蒸気機関車。これがまた機関車ヤエモンを彷彿とさせる、博物館展示品級の車両。一時引退してたのが、ここ最近のガソリン価格の急騰を受けて、また使い始めたそうです。

運転が殺人的に乱暴で、ドライバーに覚醒剤中毒者が多いと噂される、ネグロスの路線バスのセレスなど、時刻表なんてあったっけ? 歩合制なのでぶっ飛ばしてできるだけたくさんの乗客を運んだ方が儲かるから、もしあっても完全無視でしょうね。乗り合いバスのジプニーに至っては、乗客の求めに応じて臨機応変に停車する自由気ままな運行。乗る人が少ないと、増えるまで延々待たされたりする。

こんな状況に慣れてしまうと、携帯アプリやヤフー検索の路線情報を見て、軽く感動してしまいます。行き先と目的地、時間さえ入力すれば、最適の乗り継ぎを一瞬で探してくれる。しかもネグロスに居ながらにして調べられる。何より、そのナビゲーションに従ったら、本当に時間通りに着いてしまうんだから、やっぱりすごいですわ。

ということで、今日は朝から荷造りしたり、日本に滞在中の予定を立てたり。待ち合わせ時間から逆算して、電車に乗る時間をスケジュールに入れつつ、カウンター・カルチャーギャップに浸っております。



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