2022年8月19日金曜日

引き継ぎできないフィリピンのメイド

 前回の投稿でも少し触れましたが、4年間我が家で働いてくれたメイドのライラおばさんが、どうやら辞めてしまったようです。「ようです」というのは、無断欠勤が今日で丸2週間。「身体がキツいので、10月までで辞めさせてもらいます。」と宣言したのはいいけれど、結局それが最後でフェードアウト。

フィリピン移住後、メイド雇い始めてもう10年目。ライラが5人目で、辞める時っていつも後味が悪いパターンばかり。働き始めて四日で「私には無理です」って辞めたジャジャの除くと、最初のカトリーナは無断外泊多過ぎで、家内が解雇。アミーとネルジーは、クリスマスやイースターの長期休暇明けにそのまま戻らず。

ベテランのライラは、ちゃんと2ヶ月も前に意思表示して、後任者に仕事の引き継ぎを済ませて、きれいに辞めてくれるのかと期待したんですが、やっぱりダメでした。

つい先日、フィリピンで人を雇うのなら、大卒でないと使い物にならないと自分で書いた通り、やっぱり高等教育を受けてない人って、肝心なところで社会人としての訓練ができてないんでしょうねぇ。当然ながら、これは人柄とは無関係で、我が家の歴代メイドは5人とも真面目だったし、怠けたり盗んだりといった悪癖は皆無。さらに言うと、教育機会を逸したのは、本人の責任ではありません。

ただ、雇い主の立場で守ってほしいのが「辞める / 休むなら連絡する」。ほんとこれだけなんですけど、それができない。まぁ、気持ちは分からないでもない。日本でサラリーマンやってた頃は、ちゃんと理由があっての欠勤でも、上司に連絡するのは気が重かったのは事実。

それにしても、無理な仕事をやらせたり、厳しい言葉で叱咤したことなんてないのに、私ってそんなに難しいボスなんでしょうか? これでもずいぶん気を遣ってるつもりなんですけど。

私としては、こうも不義理な去り方されると、とにかく残念でならない。一応は「次の人を探します」と言ってたライラなので、もう一回連絡してみようかと家内に提案したら「もう顔も見たくない」とご立腹。あ〜あ、フィリピンで主婦を怒らせたら、もう絶望ですね。仮にライラが戻ってきても、敷地にも入れてさせないでしょう。

こうなると、6人目のメイドさん探しに注力するしかありません。

最初に聞いてみた、マッサージ・セラピストのラケルおばさん。気合いを入れて探してくれたんですが、当てにしていた奥さん友達が、学校再開のために皆さん多忙でダメ。今のところ、家内の高校以来の友人で、ライラとも付き合いのあった隣人のナンシーと、私の家庭教師のバンビ&エイプリルに依頼中。

それだけでは心許ないので、我が家の修理をやってくれてる大工のリーボイにも打診することに。ちなみにライラは、別の大工さんからの紹介でした。

ということで、メイドの需要はたくさんあるのに、なぜかメイド・エージェンシーが存在しない、ネグロス島シライ市。こうなると頼れるのは、友人・知人・親戚の口コミネットワークのみ。早く次の人が見つかってほしいものです。


我が家の歴代メイドさん


2022年8月18日木曜日

遂にフィリピンの学校再開


出典:UNICEF Philippines

 昨日の水曜日(2022年8月17日)、高校生の息子が、約2年半ぶりに登校しました。フィリピンでコロナ禍が本格化した2020年の3月以来の長い夏休みにようやく終止符。もちろん夏休みと言うのは冗談で、その間もインターネットでのオンライン授業、プリントで出された宿題はあって、ちゃんとテストも実施。

それでも、ずっと家にこもっているのと、実際に登校して、先生や他の生徒と顔を合わせるのでは、まったく別の体験。少し前に、息子のワクチン接種が終わったのを期に、宿題を自分で取りに行かせたら、たまたま学校にいた先生や、顔見知りの守衛のおじさんに「大きくなったなぁ」と驚かれたそうです。

そりゃそうでしょうね。14歳から17歳にワープしちゃったようなもんですから、背も伸びたし顔つきもだいぶ大人っぽくなったでしょう。

おそらく世界中でも珍しい、国家レベルで長期間の学校閉鎖。内外からの批判も多かったようだし、報道によると、勉強についていけなくなって一人で悩んだ子供の自殺だなんて、およそ楽天的な国民性のフィリピンとは思えない、痛ましい事件もありました。

さて、我が息子はどうかと言いますと、以前の投稿でも書いたように、元々、一人で部屋にこもって絵を描いたり、読書したりが好きなタイプ。このパンデミックの間には、英語と日本語で世界史や日本史をネットで調べたりもしたようで、特に大きなストレスは感じなかったらしい。まぁ、お喋りな私と違って、口数が少ない息子なので、実際のところは分かりませんけど。

ちなみに息子を通わせているのは、自宅から徒歩圏内(日本人の感覚ならば)の、市内にある私立学校。小学校から中学・高校までの一貫校で、途中で卒業や入学はなかったものの、親が学費を払えず、ひっそりと公立校へ転校した子供が、かなりいたらしい。

日本円で年間十数万円の金額ながら、物価が日本の1/4程度のネグロス島にすれば、相当な負担。おそらくコロナ禍の影響で失業したり、収入が激減した親御さんもいたんでしょうね。学費無料の公立に流れるのも、仕方がない。

息子によると、以前は1クラス38名だったのが、25名になったとのこと。寂しいですねぇ。

肝心の授業内容はと言いますと、オンライン授業は月曜日から再開していて、昨日と今日の二日間だけお試しの対面形式。明日の金曜日は、またオンライン。来週からは、対面が週3回となる予定です。フィリピン教育省のサラ・ドゥテルテ大臣の発表では、11月には完全に通常の授業に復帰。

ちょっと困っているのは、まるで対面授業再開のスケジュールに合わせたかのように、メイドのライラおばさんが辞めちゃったこと。当初は10月までは働きますと言ってたのに、かれこれ2週間も無断欠勤で、どうやらこのままバっくれる模様。家内は激怒。

その影響で、息子が帰宅するお昼までは一人で留守番。家内の弁当配達もできないし、午後からは夕立のパターンが多い雨季真っ只中で、買い物での外出もままなりません。正確には、できないのではなく、面倒なだけですが。

ということで、一つ問題が片付いたと思ったら、次が湧いてくるフィリピン暮らしなのでした。



2022年8月16日火曜日

貧富で二極化するフィリピン社会

日本での紹介や報道では、枕詞として「貧富の差が激しい」と付くことが多いフィリピン。確かに大地主で資産が数億、数十億ペソの超金持ちがいる反面、今日の夕飯にも事欠く家庭がいっぱい。私が住むここネグロス島も例外ではありません。

ただ実際のところは、そんな極端な対比よりも深刻だと思うのが、中流と極貧の差。それも物質的なことより、考え方や感受性が違い過ぎる。

ここで私の言う中流とは、安定した収入源を持ち、少なくとも日々の食事には困っていない人たちを指します。つまり日本でも中流と呼んで、ほぼ差し支えのない範囲。広くはなくても、夫婦の寝室と子供部屋は別々にある家に住み、1ヶ月に何度かは外食。年に数回は、国内限定ながら家族で宿泊旅行も楽しめる。

持ち物では、大画面テレビ、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、エアコンなどなど。日本の一般家庭にあって当然の家電製品はだいたい揃っていて、一人一台ケータイとパソコン。これに加えて、自家用車や発電機(停電用)があれば、中流のかなり上となるでしょうか。

このレベルに到達するには、世帯の平均月収が10万円程度は必要。ネグロスでこの額を一人で稼ぐのは相当難しいので、夫婦共働きになるでしょうね。ちなみに私が頭に描いているのは、義弟夫婦。夫がシライ市役所の管理職で、妻が公立小学校のベテラン教師。大学生と高校生の子供は二人とも私学。ついでに高齢の義父も同居していて、わずかながら年金を貰ってます。

日本からフィリピンに移り住んだり、フィリピン人との付き合いが頻繁な日本人が、民度が低いとか常識が通用しないと、ボロクソに言ったり書いたりしてますが、私が知る限りでは、上記のような中の上ぐらいの人たちならば、それほどの差異は感じません。

20世紀末で頭のアップデートが止まってしまい、女遊びでしかフィリピンに来ないような人は驚くかも知れませんが、ここ20〜15年ぐらいで、フィリピンの中流化は相当な勢い。問題は、高度経済成長時代の日本に比べて、その流れに取り残される貧困層の数が、尋常ではないところ。

これは外国人とフィリピン人ではなく、フィリピン人の間での二極化が進んでいるということになります。

一番わかりやすいのが時間とお金の感覚。さすがに約束の5分前には必ず来る人は滅多にいなくても、それなりに教育のある人なら、30分も遅れる時は連絡があるし、その理由も大雨でトライシクル(オート三輪)がつかまらないとか、本当に子供が熱出したとか。そして、知り合いだからと、気安く金貸して、とはならない。

もう一つ付け加えるとすれば、性に関する感覚。

フィリピンでも社会問題になって久しいのが、10代の妊娠・出産。間違いなく世代間の連鎖的貧困の最大要因で、早すぎる出産のために教育機会を逸し、学歴社会のフィリピンにあって、安定収入への道を自分で閉ざしてしまう人が、どれだけ多いことか。学校での性教育が、内容も分量も、日本よりはよほど充実しているのに。

避妊をタブー視するカトリックの影響だと言う人もいますが、そもそも教科書に使われている英語やフィリピノ語の読解力に問題があって、せっかくの初等教育の恩恵に浴せない子供が多いからじゃないでしょうか。

本当に貧乏な家の子供って、自宅で宿題するような環境になかったりします。近所中で毎晩、大音量のカラオケやってたり、土日は子供も家計を助けるために働いてたり。

こうしたことが重り、親の低収入=子供の低学力〜つまり社会常識を学ぶ力不足〜が固定化されて、社会人になってから一番基本的な、金銭と時間の感覚に欠陥をかかえたまま成人してしまう。嫌な言い方ですが、大卒じゃないと雇っても使い物にならないと、思わざるを得ない。

フィリピンで起業して人を雇ったり、フィリピン人の同僚と働く人なら、よ〜くご存じでしょうけど、大卒の人でもお金にだらしなかったり、時間にルーズな人はいっぱい居るフィリピン。それでも、昇進したり、自営業である程度成功する人は、やっぱりお金と時間はキッチリしてます。

また仕事ではなくても、会話が成り立たないことも。以前、我が家で働いていた高卒すぐの若いメイドさんの場合、ロクに本は読んでないし、テレビがないので映画やドラマも見ない。最近はユーチューブがあるじゃないかと言われそうですが、安いスマホがあっても、十分なロード(通話料)がないと、画像や動画が見られない。

さらには英語も怪しいとなったら、どうにも共通の話題を探しようがない。せいぜい韓流アイドルとか、ミスユニバースの話ぐらい。これではフィリピン人同士でも階層が違うと、友達になったり、ましてや恋愛関係になるのは難しそう。

というわけで、多数派が貧しく、ごく一部の金持ちが贅沢...ではなく、中流層と貧困層のボリュームに大差がないのに、その所得差がどんどん拡大すると、社会全体に蓄積する不満や不平等感の総量が、飛躍的に増える気がしますねぇ。フィリピンに永住するつもりの私としては、かなり怖い話です。



2022年8月10日水曜日

メイドさんの辞職願い

 我が家のメイド、ライラおばさんが我が家で働くようになってから、この7月で丸4年。ゲストハウス建てたり、コロナ禍があったりと、私と家族にとっては、かなり激動の4年間を共にしてくれたライラから、先週の金曜日、メイドを辞めたいとの意思表示がありました。

ネグロス島の自宅が完成して以来の8年、途中で数ヶ月ほどの空白期間はあったものの、合計5人のメイドさんに働いてもらった中で、最年長のライラ。私よりちょうど干支一回り若く、今年で48歳になります。

ライラによると、この数ヶ月ぐらい体調がすぐれず、昼間の暑い時間帯に家内の弁当配達や、市場への買い物がツラくなってきたとのこと。実はそれだけでなく、アレルギー持ちなので、サトウキビの焼畑シーズンには決まって咳がひどくなるし、暑過ぎると頭痛。雨が続くと右膝が痛む。年齢的に更年期障害もあるんでしょうねぇ、確かにここ最近は、側から見てても疲れ気味でした。

そしてどうやら決定打となったのが、息子さんの就職。ライラが無理しなくても、収入の目処が立ったようです。

ライラは旦那さんと別れて、二人の男の子を育てるシングルマザー。就職したというのが上の子で、下の子は私の息子と同い歳の17歳。我が家に来る前は、クウェートでの海外出稼ぎを経験した苦労人。まだ引退には早いけど、実年齢以上に老け込んで見えるライラは、10歳上の家内の方が遥かに若く見えるほど。

ライラにはたいへん失礼ながら、40年近く前に亡くなった、私の祖母を思い出してしまいます。戦中・戦後に子育てで苦労したところは、似てなくもない。

ちなみに今までのメイドさんは、高校卒業してすぐ、みたいな人がほとんど。カトリーナ、アミー、ジャジャの3人がティーンエイジャーで、年嵩のネルジーでさえ20代の半ば。たった4日でギブアップしたジャジャ以外は、みんな長期休暇で実家に戻って、そのまま逃げてしまうパターン。

ライラは、10月までは働くそうで、それまでに次の人を探しますと言ってくれてます。後のことを考える辺りは、さすがに経験豊富なベテラン・メイド。ただ、週明けの月曜日以来、また体調崩したのか、無断欠勤が続いてはおりますが。

ということで、ライラだけに頼るのも少々危ないので、週一でマッサージに来てくれてる、ラケル(こちらもライラと同世代)に「ライラ辞めちゃうので、親戚か友達で、誰かメイドさんやってくれる人いない?」と訊いてみました。

ライラの住むギンハララン地区同様、ラケルの地元ランタッドの住民は、あまり裕福ではありません。おそらくメイド業で生計を立てる人も多いらしく、サラリーは? 子持ちだと通いになるよ? 交通費は出る?...などなど、すごく具体的な確認事項が、立板に水の如く。

今までの経験から、ティーンエイジャーとか若すぎる人はノーサンキューで、明るくてお喋りな人が希望、ついでに美人すぎるとカミさんが許してくれないと言ったら「じゃ、私みたいな人がいいんですね!ガハハハ」だそうです。

さて、通算6人目のメイドさんは、どんな人になるでしょうか。乞うご期待。


2022年8月9日火曜日

彼氏同伴で一週間宿泊

 このブログでも時々触れているように、あと2ヶ月足らずで、私は還暦を迎えます。ただでさえ、ええ歳の大人でも誕生日パーティは欠かさないフィリピン。やっぱり節目には多少なりとも気合の入れたパーティはしようかと思って、いろいろと計画中の最近。

結婚式ほどではないし、日本の家族や親戚を呼ぶのは無理なので、結局のところ家内の親戚や友達をメインに招待ことになりました。そうなると、いつもは感覚的に、平均的な日本人とあまり変わらない家内も、DNAに刷り込まれたお祭り大好きフィリピン気質が湧き上がるのか「私に任せて!」と、率先して準備を進めてます。

とは言っても何百人とかのレベルではなく、せいぜい30〜40人ぐらいでしょうか。ネグロス在住の親戚がざっと半分で、家内のフィリピン大学研究員時代の同僚が1/4、多くは隣島パナイにいます。そして残りは、マニラなど飛行機でないと来れないような遠隔地。

そのマニラに住んでいる「あの」美女揃いの従妹たち、オフィレニア・ファイブ・シスターズが来てくれることになりました。


昨年描いた、5人姉妹の似顔絵イラスト

この5人は、7年前に亡くなった家内の叔父、パパ・ボーイの娘たちで、上の2人、ディアンとドリセルは生まれも育ちもマニラ。下の3人、ダリア、ミニー、ダリルは、パパ・ボーイが心臓発作で急逝するまでは、ここシライで育ちました。

当初は、飛行機代も高いし、シライ所縁の下三人だけが来るかもと言ってたのが、急転直下で5人全員が来ることに。さらに私の予想の遥か斜め上を行く展開で、すでに子持ちの長女ディアンが二人の幼い子供を連れて、合計7名。何と一週間も、我が家に滞在したいと言い出しました。

そこまでならば、多少の戸惑いはあっても「まぁ、しょうがないか」てなものなんですが、驚くことに、ダリアとミニーがそれぞれの彼氏を同伴したいとの希望。ちょっと待ってぇな。

いくら子供が一緒とは言え、7名ですでに我が家のゲストハウスは満杯状態。そもそもベッドが5つしかありません。さらに追加でオっさん二人は、スペース的に無理。何よりも、夫婦でもない男女を、親戚である私が「はいそうですか」と宿泊許可をするわけにいかないでしょう。案の定それを聞いた家内が、軽くキレました。

まぁ、ダリアもミニーも、最近大学を卒業した大人の女性。誰と付き合おうが外泊しようが、親でもない私や家内が、口出しすることではありません。しかし、タダで一週間、彼氏同伴で泊めてほしいって、それは厚かましすぎないかぃ? ラブホテルじゃないんだから。

念の為に書いておきますと、これはフィリピンでもかなり非常識な話。風俗関係からフィリピンに関わった日本人にはピンとこないかも知れませんが、カトリック・プロテスタント合わせると、国民の約9割がクリスチャン。少なくとも、ここまで堂々と「婚前交渉してます」みたいな振る舞いは、日本以上に白眼視されます。

言わでもがなのことを書き加えますと、フェイスブックを通じて顔だけは知ってる、その彼氏二人。両方とも美男でもなければ、頼れる感じでもない。選りに選ってなぜこの男?と思うような佇まい。すみません、それこそ大きなお世話ですね。

さらに腹立たしいのは、そういった言いにくいことを、全部末っ子で17歳(息子と同い歳!)のダリルからのメッセージで言わせているところ。可愛らしいし、なかなか頭の良いダリルなので、鼻の下伸ばした日本人の爺さんにはちょうどいいと、スポークス・パーソンにされているみたい。つい最近も、頼まれもしないのに似顔絵イラスト描いてあげたしなぁ。

ということで、さすがの美女に弱い私も「申し訳ないけど、まだ家族になってない人は、受け入れられません」と、英語で拒否。ダリルの返事は「Understandable」。それはそうですよねぇ、とでも訳しましょうか。これは分かった上でダメ元で頼んでるな。


2022年8月8日月曜日

ハーフの息子が17歳になりました

 先週の8月3日に、日比ハーフの一人息子が17歳の誕生日を迎えました。私の転勤で横浜に住んでいた2005年出生なので、ほんの半年足らずながら浜っ子。その後、私の地元、関西に戻って、小一まで大阪府茨木市で育ち、フィリピン移住前のこれまた半年だけ、福岡在住の博多っ子。そして今はシライノン(シライっ子)というわけです。

両親の文化背景や母語が違う場合、下手に多言語環境で育てると、どの言葉も母語として定着しない、バイリンガル・マルチリンガルならぬセミリンガルという、抽象的な思考に支障を来たす、かなり困った状況に陥る危険性もあるんだとか。

幸い息子に関しては、比較的言葉が早く、6歳までは家庭内も友達関係、幼稚園〜小学校でほぼ日本語だけだったせいか、第一言語=日本語が定着したようです。移住後の9年間は、英語教育のみながら、家では私だけでなく、フィリピン人の家内とも日本語で普通に喋り、一方で英語の映画やドラマは字幕なしで鑑賞。読書大好きで、「ハリーポッター」は原書、「精霊の守り人」は日本語で全巻読破という具合。

少なくとも言葉に関しては、特に悩んだりすることもなく順調に育ったようで、父親としては、ホっとしている次第。ただ、さすがに日本語はやや物足りないのか、まにら新聞が運営する、オンラインの日本語クラスの高校生コースを、自分から希望して受講中。実は、週一回の3時間ながら、メインで通っている近所の私立高校より学費が高い。もちろん、それだけの価値はあると思ってはおりますが。

それにしても、このコロナ禍の2年間。ちょうど対面授業が行えなくなった時期に合わせるように、背丈が急激に伸びました。昔から外で走り回るより、家で本読んだりするタイプだったので「逞しい」という感じはなく、ヒョロっとしますが、それでも家の中での存在感は爆増。母親の身長は遠に追い抜いて、今では私に迫る勢いです。

加えて、もうそろそろ「反抗期」っていうのが来ても良い頃合いながら、その気配は感じないですねぇ。まぁ、口数は少なくなって、スマホを向けるとおどけて変顔するようなことはなくなったものの、メイドさんがいない時には、食器洗いや犬の散歩を頼んでも嫌がらずにやってくれるし、食事時など、こっちから話題を振れば、それなりに会話が成立しております。

次はいよいよ大学進学を考えなければなりません。

私が息子と同年代の頃には、かなり早くから美大に行くと決めていて、夏休みには美術系進学での予備校に相当する「美術研究所」で、連日デッサンや色彩構成の精を出しておりました。息子もイラスト描いたりするのは好きなようですが、プログラミングにも興味があって、おそらくは理系、エンジニアを目指したい様子。

それならば、隣町のタリサイ市に、フィリピン工科大学 Technological University of the Philippines 略称 TUP という西ネグロスの州立大学があります。フィリピン国内では、なかなか名の通った学校だし、公立なので授業料がタダ。

フィリピン大学卒の家内にすれば、TUPも悪くないけど、やっぱり国内最高学府とされるフィリピン大も...という思いがあるようです。でも一番近いビサヤ校でも、隣島パナイのイロイロ市内。子離れできてない家内は悩むところ。どっちにしても親が強制することではないので、息子が好きな道を選べばいい話。

ということで、遂に来年には成人年齢に到達する息子。大学進学や就職なんて、ずっと先のことだと思ってたのに、いつの間にか具体的な準備が、必要な段階になってまいりました。たまに息子から聞き出すところでは、日本やフィリピンよりも、シンガポールで働きたいとの漠然とした希望もあるらしい。

40年前の自分の学生時代からすると、振り出しからいきなり、当たり前のように海外というのが、たいへん羨ましいですなぁ。



2022年8月4日木曜日

歌えない三日間

 あっと言う間に7月が終わり、8月1日の月曜日。丸々2週間休んでいた我が家のメイドのライラおばさんが、やっと出勤しました。先々週、喉が痛くて声が出なくなったので病院に行きますと言ってましたが、それがずっと続いていたらしい。

フィリピンで人を雇うと、本当はやる気がないだけなのに、病気だの家族が怪我しただの、すぐにバレる嘘を言い訳に使うケースも多いようですが、ライラおばさんに限っては、その手の嘘とは無縁のタイプ。ただ40代真っ只中の年齢のせいか、体中にいろんな爆弾を抱えてます。

アレルギーなので、サトウキビの焼畑があると咳がひどいし、雨が続くと右膝が痛む。暑さには頭痛がセットで、生理は重い。2〜3ヶ月に一度は数日から一週間休むのは、もう諦めるしかないようです。

それならクビにして、別の人を雇えばいいと言われそう。ところが、ライラほどキチンと仕事してくれる人は、なかなか得難いのがフィリピンの現実。ライラの前に4人雇って、いろいろありましたからねぇ。

そしてもうひとつ重宝しているのが、ライラの人脈。

明るくてお喋り好きなライラオバさんは、ちょっとした大工仕事や、不燃ごみが大量に出た時、モーター・電熱系(つまり難しい電子部品交換の類ではない)家電製品の修理などを頼みたい時に、ご近所さんや知り合いを紹介してくれます。

草刈りや樹木の伐採ならば、子供のドドンも労働力。ちなみに、不定期で来てくれる運転手のナルシソおじさんは、ライラの隣人つながりでした。

それはともかく、コロナ禍のロックダウン時を除くと、最長の2週間、合計16連休となったライラの欠勤の原因。決して財布に余裕があるとは言えないライラが、お医者さんに診てもらうほどひどい喉の痛みで、一時はまったく声が出なくなった風邪引き。最初は、私も家内も、コロナ感染を疑ったんですよ。

私たち家族もライラも、全員ワクチン接種はブースターまで済ませているので、以前ほどには恐れはしないものの、もし陽性となったら家内は濃厚接触者となって、オフィスに出ることができなくなるし、私も買い物に出られなくなる。検査結果を隠していてもすぐに噂になる、狭い社会のシライ市ですから。

何より、いくら重症化はしにくいと言っても、軽症でも相当ツラい目に合う可能性はありますし。

幸いにも、ライラはただの風邪だったんですが、厄介なことに、一週間以上の時間差で私まで喉の調子が悪くなってしまいました。まぁ普通に生活する分には、何の支障もなく、ちょっと声が出にくくなる程度ながら、この2年半、毎日欠かさないボイストレーニングには、相当な影響が。

実は先週の土曜日の、従弟パウロの誕生日パーティ。ここで1曲歌ってあげようと目論んでたのが、全然無理。寝不足や疲れが溜まった時って、だいたい高音が出にくくなるだけなのに、今回は中域以上がほぼ壊滅状態。歌い出しからいきなりしゃがれて、どうにも誤魔化しが効きません。なぜかフォルセット(裏声)は出るんですけどねぇ。

こんな状態で喉に負担をかけても、症状が悪化するだけなので、自らに3日間の歌唱禁止を課しました。一昨日からの再開も、最初は恐る々る。案の定、平井堅さんや山下達郎さんの曲で、ラストに転調して高音を引っ張るような箇所は、まだダメ。完全復調までは、1週間以上はかかりそうです。

ということで、日頃普通に出来ていたことが出来ないって、どれだけストレスになるかを思い知った次第。私もだんだん「出来なくなる事」が増えいてく年齢なので、ちょっと落ち込んで考え込んでしまった数日間でした。