2018年4月22日日曜日

フィリピンの灘中

日本では卒業・入学シーズンも終わり、新学期が始まって数週間という時期でしょうか。ここフィリピンでは、同じように3月の終わり頃に、多くの学校が学年末を迎えるので、日本と似たようなタイミングながら、新学期は長い夏休みを挟んでの6月開始。なので、比較的スケジュールがゆっくりです。

教育省のシライ市オフィス、つまり市の教育委員会みたいな場所に勤務している家内は、昨日(4/21)に、市内公立高校の卒業式に、教育省代表として祝辞を述べに行ってました。

日比ハーフの息子は、今年で小学6年生。今通っている、聖テレシタ学院は、小・中・高一貫校で、別に中学受験などは必要ありません。移住前は特に期待をしていたわけではないけれど、意外と学校の勉強に関しては要領が良いらしく、年4回の定期試験では、英語や算数、理科で、毎回学年トップの賞状やら、学外模試上位入賞のメダルを貰って来る。

国立のフィリピン大学卒で、大学院を経て研究所にまで残ったという才女の家内は、親の欲目満タン。「これは私の遺伝だ〜」と勝ち誇っております。こうなると、やっぱり子供もフィリピン大へ、と思うようで、そのための進学高に目星をつけ始めました。

家内の一押しは、フィリピン科学高等学校(Philippine Science High School)。教育省ではなく、科学技術省によって設立された、全国規模の教育機関。中高一貫で、16のリージョン(日本の、近畿や関東の地方に相当)に1キャンパスづつ配置。数学・科学の分野で優秀な学生に奨学金を支給し、卒業生の多くがフィリピン大学へ進学するという、私の生まれ育った関西地方で言うなら、公立版の、みたいな感じでしょうか。


フィリピン科学高等学校
西ビサヤ・キャンパス

私たちが住む西ネグロス州からだと、対象になるのは、隣島パナイのイロイロ市内にある、西ビサヤ・キャンパス(Western Visaya Campus)。毎年1000人程度の入学志望者から70名を選抜する難関で、まず小学校の所属クラスで、トップ10パーセント内に入ることが受験の条件。全教科ではなく、理数系の才能を伸ばそうということらしく、筆記試験は、主に数学と科学。それに加えて口頭試問もあります。

と書くと、さぁ、この1年はお受験でたいへんだ〜、と思われそうですが、進学前最後の夏休みである今も、別に特別なことはしてないし、何がなんでも、目指せフィリピン大!みたいな気負いもない。中学・高校自体は、今の学校にそのまま通い続けても別に構いません。決して悪い学校ではない聖テレシタ学院。学費がそれほど高いわけでもない。

飽くまでも、本人が何をやりたいかが最優先。ただ、日本以上に学歴社会のこの国なので、フィリピン大学とまでは言わなくても、近所にある、そこそこの大学は卒業しておいた方がいいだろうなぁ、程度には思っております。

我が身を振り返ってみると、高校進学の頃には、はっきり美術系にと専門分野を思い定めていたので、大学はその進路の中で一番望ましい学校という決め方。大学に入ってから何をするかを考える、という人が大多数の中にあっては、かなり変わっていたと思います。

もっと言えば、やりたいことができるのであれば、行き先が学校でなくても構わなかった。今ならばインターネットという、最強のツールがある。これを活用すれば、専門教育を受けるとか、資格を取得するというプロセスをすっ飛ばして、いきなり起業もできる時代。息子の場合、英語はネイティブ並みで、日本とフィリピン、二つのカルチャーを背景にしているという、私にはなかった強みもあります。

ということで、どんな将来を思い描くにしても、絶対に大学までは卒業しろ、という気持ちはありません。もちろんフィリピン科学高校へ行きたいのなら、それなりのサポートはしますが、授業の内容よりも、親元を離れて寮生活をすることの方が、息子にはいい経験になるでしょうね。


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