出典:Inquirer Net
もうネット上では日本語のサイトでも書かれているので、皆さんご存知だと思われる、ボラカイ島の閉鎖。4月26日から最大半年と、日程まで決まりました。まさか本当にやるとは思わなかったという声もありますが、あのドゥテルテ大統領が言い出しっぺ。案の定、本当にやってしまいました。しかも日本のゴールデンウィーク直撃。
海外からの知名度や規模から言うと、セブやボホールよりはやや小粒にしても、フィリピン有数の観光地であることに間違いない。行ったことがある人には説明不要ながら、実はそんなに大きな島ではないボラカイ。約10平方キロといいますから、大阪だと梅田駅のある北区と同等サイズ、東京ならば千代田区よりちょっと小さいぐらい。
位置は、ネグロス島の北隣りにあるパナイ島から2キロ離れた場所で、小型のボートだけが渡航手段。ほんの30年ほど前までは、電気・水道もなく、地元住民だけが住む孤島。バックパッカーが飲み水や食料を携帯して渡ったという、一種の秘境でした。
ところが1990年に、ヨーロッパで「世界一のビーチ」と評価されてから、劇的に開発が進んだそうです。私が新婚時代に、家内と一緒に滞在した時には、ホテルが立ち並ぶ一大リゾート地。観光客が多すぎて、有名な白いビーチもあまり印象に残らないほど。私としては、パラワン島の美しさが、数段ランクが上という気がします。
そんなボラカイを訪れたドゥテルテ大統領。幸か不幸か、たまたま海岸から見えるところに、汚物が浮いているのが見つけてしまったのが運の尽き。(ダジャレではありません)例によっての鶴の一声「この汚物溜めをすぐに何とかしなければ、島を閉鎖するぞ!」
同じ調子で、何十年も空港ターミナル使用料未払いだったフィリピン航空を、ターミナル閉鎖を盾に脅し上げた彼にしてみれば、何てことはない話だったのかも。
観光による収入で生計を立てている人にすれば、まさに死活問題。堪ったものではありません。日本だったらズルズルと解決を先延ばしにして、環境が台無しになってから大騒ぎとなりそう。そう思うとこれも止むを得ない措置。ネットでの日本人の反応も、概ね「残念だけど、綺麗にするためなら仕方ない」という感じ。
ところが私の身近に、閉鎖の影響をまともに受ける人がいます。昨年まで我が家に週一で通っていた、セラピスト(マッサージャー)のシェリル嬢。シライの隣街、タリサイの生まれで、家内の従弟が始めたマッサージサービスで雇われたのが縁。
マッサージの腕はそこそこながら、時間をちゃんと守るし、明るく素直な性格なので、ずっと世話になってました。「ボラカイで仕事することになりました」となった時には、それは良かったと一緒に喜んだものです。ちゃんと後釜に、同じくセラピストの姉、シャロンを紹介してくれました。
フェイスブックでも友達付き合いをしているシェリル。ネグロスに戻ったら、またマッサージをよろしくとコメント。週に2回もマッサージしてもらう必要もないし、お姉ちゃんとの兼ね合いはどうしたものか。
とまぁ、戻る場所がある人はまだマシなんでしょうけど、仕事がなくなって、家族と別れて出稼ぎしかない、みたいな人もいっぱいいるんでしょうね。政府から補助金が出るという話があるにしても、末端の労働者にまで行き渡るかどうかは疑問。
閉鎖が解除となっても、シェリルがボラカイでもう一度働けるかどうかは、分かりません。それでも1日も早い、観光地ボラカイの復活を願わずにはいられません。
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