今日は、フィリピンに住んでいたり、頻繁にフィリピンを訪れる日本人には「あるある」なお話。
私が初めてフィリピンに来た頃、フィリピンの女の子と電話をすると、相手がまるで合いの手のように「あの〜、あの〜」と言う。もちろん会話は英語で、全然日本語は喋れないはずなのに。最初は、聞きかじった日本語を、私へのサービスのつもりで使っているのかと思いました。
はい、フィリピン慣れしているあなた、もう分かりましたね。「あの」はフィリピノ語の「Ano」。英語のWhatの意味。つまりその女の子は、さほど英語を流暢に発語できるわけではなく、英単語を思い出しながら喋っていたのです。「何て言うかな〜」みたいな感じで。
これはイロンゴ語(西ネグロスの方言)でも同じで、例えばイロンゴで「あなたのお名前は何ですか?」は、アノ・ンガラン・モ? (Ano ngalan mo?)となります。最近では私も、相手が早口すぎる時に「アノ?」。このような、偶然日本語の単語に似た発音のフィリピンの言葉は、いくつかあります。
テレビで洗剤のコマーシャルを見ていると、洗濯物の汚れがきれいに落ちるシーンで「洗う、洗う」と連発。全編フィリピノ語なのに、なんでそこだけ?と思ったら、「Araw Araw」 は、「毎日」のこと。Arawだけだと「日」で二つ重ねて毎日。要するに「毎日のお洗濯に」と言ってたんです。あまりにも映像とぴったりだったので、すごく印象に残りました。
フィリピノ語のポップスを聴いていて、とても耳につくのが「サヨ」という言葉。だいたいセンテンスの最後に「サヨ〜〜」と引っ張る。どうしても「松島ぁ〜の、さぁ〜よぉ〜」を思い出してしまう。もちろん日本の民謡とは無関係で、サィヨ「Sa 'yo」とは、for you。「あなたへ」とか「あなたに」。このフレーズはラブソングに必ずと言っていいほど使われます。
私の家内は、フィリピノ語のニュースを聞きながら、晩ご飯を食べるのが習慣。マニラ首都圏の話題だと渋滞情報が多く、なぜか決まってアナウンサーは、「佐々木さん、佐々木さん」と日本人の名前を呼んでいる。それも変に語尾を上げて「ささきさぁ〜ん」。それは、佐々木さんじゃなくて、ササキアン「Sasakyan」。自動車のことです。なるほど、だから渋滞情報で連呼するんですね。
ネグロスでの日常会話では、「堪らんなぁ」と疲れた顔で言われることがあります。もう状況からして、絶対日本語で言ってるとしか思えない。でもこれは立派なイロンゴ語で、Tamaran Na。Tamaranは「怠惰な」。何かをお願いして、タマランナァと返されたら、「面倒くさ〜い」ということ。
それ以外にもイロンゴ語で、「牛」がバカ「Baka」で、「買う」がバカル「Bakal」。英語の「牛」=カウ「Cow」が妙につながっていて、最近忘れっぽい私も一発で覚えてしまいました。
他にもいくつかあったような気がしますが、今思い出せるのは、これぐらいでしょうか? 小学生並みのたわいのない言葉遊びとはいえ、自分にとって新しい言語を習得する時には、こんなアホみたいな方法が、意外と効果的だったりします。特に頭がカチカチに固くなっている五十過ぎのオッさんにはちょうどいい。
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