2018年8月8日水曜日

兄妹天使


前回に続き、またまた日本からの来客、マダムMのお話です。

マダムMは、ご本人もたいへんチャーミングな方なのですが、今回同伴のお二人のお子さんが実に「天使」な兄妹。少々汗臭くてゴンタ(関西の方言で、やんちゃな子供の意)な小二と幼稚園児ながら、一人息子がもう来年中学生というタイミングの私には、昔を思い出させる存在でした。

初対面でも「抱っこしたろか?」というと、二人ともニマ〜〜って笑うし、近所にお化けがおるから、今日の晩、見に行こか? なんて訊いたら、本気で怖がる。この素直でスレてない感じは、本当に久しぶり。

どんな国でも、このぐらいの歳の子供を連れて歩くと、周囲からの視線が温かくなるもの。その余禄で、保護者への待遇も格段に良化。特にフィリピンの場合は、この傾向が著しい。朝の散歩で「あの人にマアヨン・アガ(おはよう)って言うてみ」と仕向けると、言われた相手はもう溶けそうな笑顔を返してくれます。

日本の場合、ベビーカーで電車に乗ったら、いくら混雑してるからと言っても、露骨に嫌な顔をされるなんて、やっぱり普通の国ではないですね。

さて、天使とは言っても、2歳しか違わない二人は、しょっちゅう喧嘩はする、ものは落とす、食事時など大騒ぎ。それでも親ではない無責任な立場。お叱り役をママに丸投げして、自分だけ「近所の優しいオっちゃん」を決め込むという、楽チンなポジションを取らせていただきました。ごめんなさいね、マダム。

たった3泊4日の間でも、よく笑ったしよく泣きました。月曜日が、たまたま義母の命日で、家内と息子、義父たちと一緒に教会での夕方ミサの聖体拝領。信徒一人一人が、聖餅(せいへい、キリストの体を模した、小さな煎餅みたいなもの)を頂いた時。信徒ではないマダムM母子は、当然ながら頭を下げて、神父さまの祝福を受けるだけ。

妹くんは、それがとても残念だったようで、しばらくの間「せんべい、食べたかった〜」と半べそをかいてました。このぐらいの子供に、聖体拝領の意味を教えても納得してくれないしね。

と書くと、どんだけ子供好きかと思われそうですが、実は私、自分の子供が生まれるまでは、かなりの子供嫌い。正直に白状しますと、電車の中やレストランで赤ちゃんに泣かれたりしたら、顔には出さないけれど、ずいぶん辛かった。

ところがエラいもので、我が子を一通り面倒見たら、なぜ辛かったのかを思い出すことすらできないほどの変わりよう。意図的ではないにせよ「子供との接し方」みたいなものを会得。

ポイントは、子供を大人扱いして話す事と、方言(関西弁)を使うこと。本気でボケとツッコミを演じれば、大抵の子供は面白がります。相手がフィリピンの子供でも、言葉の調整は必要ながら、基本姿勢は同じでOK。

ということで、我が家に幸せを運んでくれた、兄妹天使。来年の夏休みも、オッちゃんは待ってるで。もしお母さんが行かないと言っても、道に大の字に寝転んで「フィリピンにいきたい〜」ってゴネるんやで。


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