2018年8月24日金曜日
だから日本人会には近づかない
前回「面倒臭いフィリピン関係者たち」と題して、同国人であることが恥ずかしくなるような、フィリピンに関わる日本人について書いたところ、思いの外、たくさんの反響をいただきました。それも「お前に言われたないわ!」という逆ギレではなく、共感するとのコメントが。
やっぱりフィリピンに暮らしたり、フィリピン人と付き合ったりする多くの日本人は、普通に常識があって、私と同じように「面倒臭い人々」を苦々しく思っていたようです。反撃に備えて少し身構えていただけに、やや拍子抜けの反面、かなりホッとしました。ページビューもぐんぐん伸びて、「エホバの証人」をテーマにした時以来のヒット。
それに気を良くして、調子に乗るわけではないけれど、今日も日本人ネタを少々。
フィリピンだけでなく、ある程度まとまった数の邦人がいる日本国外の街や地域には、たいてい日本人会が組織されていることでしょう。マニラやセブなどはもちろん、ここ西ネグロスの州都バコロドにもあります。
韓国人向けの英語学校が盛んになり、それに便乗するように、日本からの若い留学生も増えているバコロド市。顔ぶれは流動的ながら、日本の夏休みの時期など、何百人単位の日本人滞在者がいると思われます。三日前にシライにやって来た姪っ子によると、マニラ〜バコロドのフライトには、高校生やボーイスカウトらしい団体客が40〜50人もいたとか。
ただ、何年も住むような長期滞在や、永住者はぐっと少なく、おそらく百人いるかどうか。そのほとんどが、私同様、フィリピン女性を配偶者とする、定年退職した中高年男性らしい。そうなると、日本人会のメンバーはジィさんばかりで占められて、私のように50そこそこで早期退職した者は、下手すると若造のヒヨっ子扱い。
移住直後ぐらいの時期、家内の大学以来の友人で、バコロドでも有数の資産家にして貿易商、フィリップ・クルーズ氏の誕生日パーティに招かれた時、たまたま同席していた、バコロド日本人会の人たちと、少しだけ話をしたことがあります。
会長を務める方は、もう30年以上もこの地に住むパイオニア。農場を経営したり、日本・フィリピン間ビジネスの仲立ちをしたり、実に温厚で、フィリピン人にも日本人にも人望のある名士。初対面で、ずっと年若の私にも、きちんと丁寧な受け答えをしていただきました。
ところが、その取り巻きのオッさんたちが、どうにも嫌な感じ。たまたま話題に上がった、地元で活動する日本のNGOについて、最近来たばかりの新参者が...みたいな言い方で、歯牙にも掛けない。フィリピン歴が長いほど偉い、とでも言わんばかり。
年長者やその道の先輩に敬意を払うのは、悪い習慣ではないし、私は日本文化の良さの一つだと思います。とは言っても、それは年寄りや経験の長い人物が、無条件に偉そうぶって、尊大に振舞っても構わないという意味ではありません。もちろん、日本人会のメンバーがすべて面倒臭いわけではなく、おそらく一人一人と話をすれば、普通の人々。
でも、人間って群れると、その集団が持つ負の側面が、顕在化するのはよくあること。日本人の場合は、周囲の空気を読んで、自分の意見を言わなかったり、阿諛追従もいじめも、発言力の強い人の尻馬に乗ったり。それが嫌で日本から逃げてきた私のような者にすれば、何を好きこのんで、日本のムラ社会に戻りたいと思うでしょう。
後になって気づいたのは、この年寄りばかりの閉鎖的な雰囲気って、高齢化が進んだ日本のカトリックにそっくり。移住前に住んでいた福岡のように、信徒の母数が多く、年齢の偏りが少ない地域ではそうでもないけれど、全国的に見れば、爺さん婆さんの溜まり場になっている教会も多く、何か新しい取り組みをしようにも、身動きが取れないような状況。
それはさて置き、食わず嫌いの思い込みだと自覚しつつも、以来、日本人会には近づいておりません。しかも、わざわざ自分より年配の人たちに混ざらなくても、たいへん有難いことに、もっと若い世代の日本人のお客さんや、フィリピンの親戚や友達が、しょっちゅう我が家に来てくれます。
ということで今日は、一匹狼を気取った、ちょっと鼻持ちならない結びになってしまいました。
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