ただしシライの場合、西側は海で東は山、南のタリサイ市、バコロド市や、北のビクトリアス市の間には、延々と続くサトウキビ畑が横たわっているので、日本のように近隣の市街地と、どこに境界線があるのか分からないのとは、だいぶ違います。
また市外から労働者がおおぜい通勤してくるような、大きな事業所がそうあるわけでもないし、ショッピングモールで働く人たちも、シライ市内在住者が多い。
さらには、山間部のパタッグやランタワンは、交通の便が悪くて、毎日平地にある職場に通うのは、自家用車でもないと難しい。学校は山の上にもあるし、日々の生活はそっちで完結してしまいます。
つまり、ちょっとした陸の孤島なので、街中を歩いている顔ぶれに、ほんとんど年中変化がない。観光客もいるにはいますが、結構「よそ者」って分かっちゃうぐらい。
こういう土地に外国人が移住してくると、そりゃあ目立ちます。まぁ、日本人である私の場合、白人や黒人ほど体格に差があるわけでもない。中国系メスティーソで通らない顔つきでもないけど、やっぱりスーパーで買い物したりすると、日本人だとバレますね。
先日、日本からの来客で、シライ市内では数少ない観光名所のバライ・ネグレンセ(築100年を超える、スペイン統治時代の富豪の邸宅を、博物館として保存)に行った時のこと。ここでは、シライ出身の現役大学生が、ボランティアとして説明員を務め、大学側もそれを単位として認めるという制度があります。
バライ・ネグレンセの二階室内
そんな女子大生説明員が、私の顔を見るなり「ミスター○○ですか?」と、私の本名で声をかけてきました。ご近所さんだったら、通り名のフランシスと呼ぶはずだし、全然見た事ない相手だったので、かなり驚いた。
なんで名前知ってんの?と訊いたら、息子と同じ学校、聖テレシタ学院に通っていて、息子のことを知っていたから。テレシタ学院は、小・中・高の一貫校。最近まで高校生だったんでしょうね。
3名いた説明員は全員女性で
お揃いの民族衣装でした。
それにしても、息子はこんな上級生にまで顔が知れるほどの有名人だったのか。日比ハーフながら、思いっきり「日本人顔」で、私と血縁関係があると丸わかり。学外の公開模試などで何度も表彰されているので、ファンも多いらしい。特にかなり年上の女子生徒に人気だという噂も。
今までも初対面の人から、近所で散歩してましたね、とか、パラワン・エクスプレス(送金や受け取りができるノンバンク系の金融機関)で見かけましたよ、なんて言われて、まるで衆目監視状態。今度は息子経由で身元が知られるのか...。
マニラ首都圏やセブなら、全体の人口が桁違いだし、外国人も多い。自分で言うのも何ですが、中肉中背で、外見上の特徴に乏しい私など、そんなに目立たない。人が少なく、長閑な地方都市に暮らす、一種の税金みたいなものでしょうか。
可愛い女の子に声をかけてもらえる程度だったら、俺も有名人だと喜んでいればいいけれど、フィリピンの場合は、日本人=金持ちというステレオタイプがいまだに根強い。あんまり悪目立ちしたり、誰かの恨みを買うと、本当に拳銃を持った馬鹿が、自宅に押しかける可能性もあります。
以前にも冗談めかして書きましたが、これはそろそろ本気で銃器を購入して、武装することを考えたほうがいいのかも知れません。
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