2022年1月10日月曜日

台風でメンタル・ダウン


出典:Philstar

 昨年12月のスーパー台風22号オデット襲来から、もうすぐ4週間。クリスマスと年末年始を挟んでいるせいか、ずいぶん昔のように感じますが、まだ1ヶ月経ってなかったんですね。

コースはほぼ直撃だったものの比較的被害が軽かった、ここネグロス島シライ。我が家の周辺は幸いにも断水はなく、翌日には電気も復旧。場所によってずいぶん差はあったものの、年内には大体の場所で、台風前の生活が戻ったようです。(家が全・半壊したような世帯は、当然ながらその限りではありません。)

家内に言わせると、直撃と言っても、ネグロスを南北に貫くシライ〜マンダラガン〜カンラオン山系が盾になってくれたから、この程度で済んだとのこと。確かに東側に遮蔽物がない、上陸地のシャルガオ、ボホール、セブ等の各島の被害は甚大で、さらに同じネグロスでも東ネグロスや、山陰に入らなかった南部のシパライは、たいへんな状況。

そんな中でも、フィリピン第二の都市であるセブとその周辺は、私の友達や知り合いの在留邦人が多数。最初の数日はネット接続すらままならず、安否不明の方々も何人か。連絡が取れるようになってからも、ライフラインがいつ戻るかの目処すら立たず、日々、食糧や、生活用水、ガソリンなどの確保に追われる苦労話で、一時ツイッターのタイムラインが埋め尽くされました。

以前にも書いた通り、1995年の阪神淡路大震災の被災地に住んでいた私なので、どれだけ辛い状態にあるかを想像するのは難しくありません。その上、1日で電気が戻ったことが変な罪悪感を引き寄せてしまったようで、気分が落ち込むこと甚だしい。それだったらSNSを見なけりゃいいのに、ついつい深夜まで入り浸り。

もちろん、被災地から懸命の発信を続けている人には1ミリの責任もなく、そもそもツイッターやYouTubeに情報を流し続けるのは、被災者同士の助け合いだったり、支援を求めていたり。私のようにただ見ているだけの外野は、まったくどうでもいい存在。

しかし、当初は電気が戻るだけで何ヶ月単位になるかもという悲観的な見方を早々に覆し、今日1月10日現在で、セブのかなりの範囲で送電が再開されているようです。軒並み電柱がぶっ倒れてた台風翌日の風景からすると、フィリピンの電力会社もずいぶん頑張ったんですね。

印象的だったのが、電気が戻って通電したウォーターサーバーの前で、大喜びで踊り出すフィリピン女性のショートムービー。日本人のご主人が投稿したもので、見ているこっちまで一緒に踊り出したくなりました。うんうん、気持ちは痛いほど分かるよ。

聞くところによると、盗電してたのが送電線の修理時にバレてしまい、電気を盗まれてた隣人と大喧嘩になったとか、発電機付きの集合住宅で、家主から高額の電気料金の請求が来たとかの悲喜劇も起こっているそうです。

ちなみに我が家の発電機で、満タン10リッターで約12時間稼働。半日で1,700円ぐらいはかかるので、単純計算で1週間2万円以上はいっちゃいます。知らなかったら暴利だと思うでしょうねぇ。

ということで、実はあまりのツラさに、たいへん失礼ながら、何人かの方はツイッターでミュートしてたのが、ここ数日でやっと私のSNSも復旧完了。まだまだ不安や不自由はあるでしょうし、私の視界の外では電気も水道もない場所は多々あるのは承知ですが、なんとか自分のメンタルを通常レベルに取り戻せました。

それにしても、足掛け3年目のコロナ禍と合わせて、台風被災地では文字通りのダブルパンチ。今年も一筋縄ではいかない1年になりそうです。



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