2022年1月23日日曜日

シロアリ戦争

 かれこれ1年近く前の昨年3月、私が今寝起きしているゲストハウスに、シロアリが出没しました。フィリピンの住宅は、貧困層など、よほど経済的に余裕がない世帯じゃない限り、鉄筋コンクリートが基本。我が家もゲストハウス含めてすべてそうなので、木製部分というと、ドアとフレーム、モールとクローゼットの棚板ぐらい。そのわずかな木を狙っての侵入でした。

やっかいなのは、例えば居間のクローゼットだけだと油断してたら、一晩でトンネル状の通り道(英語ではチューブと言うそうです)を作り、隣の部屋や家具にまで拡散。たまたま木製の引き出しと、その中に保管していた、パスポートを食い荒らされてしまった。


この時は、そのチューブを全部掃除機で吸い取り、近所の建材店で買ってきたシロアリ用の殺虫剤を散布。一旦は収まったかに見えました。

ところが、しばらくすると隣の部屋のクローゼットやドアフレームに、シロアリが移動したらしく、チューブが出てきては、吸引・殺虫剤を繰り返すうちに、フレームがベコベコの状態に。ドライバーの先端で破ってみたら、出てくる出てくる。シロアリの大群。

フィリピンのシロアリが独特なのか、それとも世界中どこでも同じなのか、ポロポロ落ちてきたのが、人間にも噛み付くんですよ。取り敢えずいつものように殺虫剤を撒きましたが、これはもう素人の手には追えないと悟り、家内に相談して、専門の駆除業者を頼ることにしました。

さてそこは、シロアリが日本以上に蔓延っている熱帯のフィリピン。家内の高校以来の友人で、当ブログにも時々登場する、噂話大好きなナンシー。たまたま最近、彼女の家が同じようにシロアリ被害があって、駆除依頼したという業者を紹介してもらいました。

名前はMAPECON(マペコン)。Manila Pest Control の略称だそうです。ペストって入ってるから、あの怖い病気のことかと思ったら、これは害虫の意味。疫病のペストは英語で「Plague」ですね。我ながら不勉強でお恥ずかしい。

このマペコン。フィリピン全国に展開している有名企業らしく、対応も思いの外しっかりしている。連絡した翌日の火曜日にはちゃんと担当者が見積もりで来訪。「木曜日に駆除に伺います。」とのこと。

ちなみに見積もりは13,000ペソで、ざっくり3万円弱。こっちではメイドのライラおばさんの数ヶ月分の給与に相当する金額でも、日本で同様のサービスを考えると、破格の安さらしい。しかも1回だけではなく、2ヶ月毎に作業して1年間6回分の価格。

当日は「午前中」という約束ギリギリの11時半、2名の作業員が到着。まぁフィリピンだから上出来。

まずは、2LDKゲストハウス全部の木製部分に、ニードルのような道具で小さな穴を開けて、薬剤を注入。これは市販されている殺虫剤に比べ木材への浸透度が高く、効果が強いとのこと。さらに、電気の配線に伝って移動することもあるので、電源スイッチやコンセントの蓋を一つ一つ開けて、同じく薬剤注入。



ダメ押しに、家の外も中も薬剤散布。特に離れとして使ってる竹製のニッパハウスとベンチは、びしょびしょになるほどしっかりと。



これで終わりかと思ったら、コロナ禍以降の追加作業で、別の噴霧器で除菌液の散布。ご苦労さまなことです。

ここまでやって、ざっと1時間。フィリピンの業者さんにしては、いかにもプロって感じのテキパキした仕事だったので、はなはだ些少ながらチップを手渡しました。

作業が終わってからは、クローゼットの棚やドアフレームから「カサカサ」というような音が。たぶんパニックになったシロアリたちが大騒ぎになってるのかも。それも数時間ほど経つと静かになりました。

ということで、取り敢えずは我が家のシロアリ戦争、油断は禁物ながら、大反攻作戦の第一陣は人間側の勝利に終わったようで、ホっとしております。

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