2022年1月17日月曜日

トンガの大噴火に思うこと

 驚きました。ネットでシェアされた、南太平洋の島嶼国家トンガでの大規模な噴火。強い既視感があったのは、1989年公開のハリウッド映画「ディープ・インパクト」での隕石衝突シーンにそっくりだったから。「まるでCGみたい」というのが、私の偽らざる感想。同じことを2001年9.11の同時多発テロでも感じました。

SNSで指摘する人もいたように、ここ最近、100年に一度レベルの世界的な大災害が立て続け。ちょうど27年前の今日1月17日、私の住んでいた兵庫県南部を襲った阪神淡路大震災から、2004年インド洋沿岸諸国にに壊滅的な被害を出したスマトラ沖地震、2011年の東日本大震災とそれに伴う大津波・原発事故。

その他、今思いつくだけでも、アメリカ・ケンタッキー州の竜巻や、フィリピンでは2013年の、上陸した台風としては史上最強だったスーパー台風ヨランダ。それに続いて、まだ記憶も生々しい昨年(2021年)の、同じくスーパー台風オデット。

何よりもまさに今、100年に一度の新型コロナ・ウイルスによる感染症の世界的大流行の真っ只中。これって1970年代に、作家の五島勉氏が仕組んだ「ノストラダムスの大予言」の喧騒が、そのまま現実になっているとさえ思えます。

そしてトンガの大噴火。

あまりに衝撃的な映像を見過ぎたせいか「まるでCGみたい」となってしまったわけですが、その後の情報によると、驚くべきはその規模。人工衛星から撮影された、不気味に拡散する噴煙は、何と関東平野と同じぐらいの広さなんだそうです。周囲が海なので、スケール感が全然分かりませんでした。

それもそのはずで、実は今回噴火した巨大な山体は大部分が水面下で、見えている小さな島は、火口のごく一部が海上に顔を出したもの。

日本で、噴火の影響と思われる津波(正しくは「潮位上昇」)が観測され、一時は警報まで出た頃、ここフィリピン・ネグロス島にいる私は戦々恐々でネット情報を注視。ところがずっとABS-CBNを見てても、フィリピンに津波が押し寄せたとの報道は皆無。トンガからの距離は、日本より近いはずなんですけどね。

結局、日本では潮位上昇による直截的な被害は、当初の危惧に比べれば最小限だったようです。ただそれは後になって分かったことで、賞賛すべきは日本の気象庁。

学術的に津波と呼べるかどうか不明でも、敢えて「津波警報・注意報」を発令して、国民に強い注意喚起を促したのは、ファインプレー。東日本大震災の手痛い教訓が生かされたと見るべきでしょう。アホな政治家が後出しで「場当たり的」と批判したことが、逆にネット上では炎上してます。

フィリピンではヨランダの時、高潮で大きな被害が予測されていたのに、英語で高潮を意味する「Storm Surge」を使って警告したため、多くの住民にその深刻さが理解されず、レイテ島のタクロバンでは数千名が犠牲に。「ツナミと言ってくれたらすぐに逃げたのに」との声が上がりました。

緊急時には、言葉の定義の正しさより、いかに危険を該当者に伝えるかが最重要。

ということで、私たち家族がフィリピンに移住してもうすぐ10年。地震や台風の報道で、NHKワールドを付けっぱなしにしたテレビの前に釘付けは、もう何回目やら。2022年の年が明けて、まだ半月ちょっとなんですけどねぇ。



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