2022年6月25日土曜日

フィリピンの田舎でシマノの自転車パーツ

 このブログで度々話題にしている、ネグロス島シライでのサイクリング。意外に思われるかもしれませんが、地元の人々には人気の高いスポーツなんですよ。

何しろ四国ぐらいのサイズで、大部分がサトウキビ畑に覆われた平坦なネグロス島は、自転車には最適な環境。中央部にカンラオン、マンダラガンなどの山はあっても、さほど急峻ではなく、裾野が緩やかに広がる優しい山容。しかも最近は舗装道路も出来てきて、それなりの体力と筋力があれば、自転車で登ることも可能です。

ちなみに私、日本にいた頃は、結構な距離を自転車で走行。週末には、自宅の賃貸マンションがあった南茨木から、約5キロから10キロ離れた吹田や千里が丘、豊中まで往復自転車漕いで、テニスをしに行ってました。

これがまっ平な道だけなら、それほど大したことはないけれど、千里丘陵を超えていく場合は、そこそこのアップダウン。3時間もテニスしての帰路は、かなりキツかった覚えがあります。ある真夏の夕刻には、阪急電車の踏切を渡る途中で両足の太ももが攣って、マジで死ぬかと思いました。

それはともかく、フィリピンの田舎でサイクリングなんて、誰がやるんだと舐めてたら、本格的にヘルメットとサイクルウェアに身を固め、値の張りそうなスポーツバイクで山越えしたりする人も多い。今年の1月には、シライ市内でマウンテンバイクのオープンレーストーナメントも開かれ、参加者は数百名。市長まで挨拶に来る盛況ぶり。シライのサイクル野郎ども、侮りがたし。

それほどサイクリングが盛んなシライなのに、つい最近まで、まともなサイクルショップがなかったんですよ。唯一あるのは、市場の近くにある小汚い自転車修理屋。パンクの修理ぐらいはやってくれますが、売ってる部品は、極安のすぐダメになるようなものばかり。唯一の取柄は、安さのみ。

そことは別に、日本から輸入された中古ママチャリを売る店もありますが、修理やメンテナンスはまったくノータッチの売りっ放しスタイル。

ところで私が今乗っている自転車というのが、もう15年ほど前に、日本のイオンにあった自転車店で購入。はるばる引っ越し荷物と一緒に、ネグロスまで運んでもらったという代物。当時2万円ほどだった中国製のマウンテンバイクで、品質は悪くないものの、ずいぶん長く乗ってるので、さすがにあちこちガタが出始めてます。


タイヤは前後とも何度かチューブ交換してるし、サドルは表面に裂け目が入って、太い絶縁テープで応急修理。2段×5段の10段変速は、部品が錆び付いてしまったせいか、2段の部分がギアチェンジできなくなってしまいました。

なので、ちゃんとした修理・点検と部品交換が、ここ半年ほどの懸案事項。そのための日本並みのサイクルショップとなると、どうしても州都バコロドへとなってしまい、そこまで20キロも自転車漕ぐのか?となると、もう年齢的に腰が引けてしまいます。

この愛機、購入時は、マンションの玄関に置けるようにと、折り畳み式。どうしてもとなったら、車に積んで持っていくこともできるんですが、大仕事になってしまいそうで、ズルズルと先延ばしにしていた次第。

そんな時に、フェイスブックで見つけたのが、すぐ近所に新しくオープンしたというサイクルショップ。投稿された写真を見ると「新フレーム入荷!」などの、レベルの高いサイクリング愛好家に向けた内容で、三日と置かず更新されている模様。サドルやタイヤなども、安物ではなさそうなものを、単体で売っています。

ということで、先週の父の日に、行ってきました「パラダイム・バイク」。

自転車で10分ぐらいの場所で、思ったよりこじんまりした店舗ながら、品物が整然と並んでいて、店員の服装がきちんとしてる。何より普通の英語が通じるのが嬉しい。早速乗ってきた自転車を見てもらいました。

メカニックと呼ばれる修理の担当者さんは、ずいぶん小柄な兄ちゃんだなと思ったら、声を聴いたら女性。いわゆる「オナベさん」で、こちらではトンボイと呼ばれる方。でもそれとは無関係に、作業の手際を見ていると、なかなか腕の良い職人さんのようです。

あっという間に変速機の修理が終わり、ツルツルになってた前輪のタイヤを交換。それを待つ間に私は、新しいサドルを見繕いました。工賃込みでざっと5,000円というところ。お陰さまで、久しぶりに気持ちよく自転車漕いで帰れました。正直、そろそろ買い替えかなと覚悟してたのが、もう4~5年は延命できた感じ。

さて、その後も引き続きパラダイム・バイクの投稿はチェックしてると、多いのが日本の部品メーカー「シマノ」製品の入荷。自転車と釣り具に関しては、世界的に有名な会社だとは知っていて、修理してもらった変速機もシマノ製。

故国を遠く離れたフィリピンの片田舎で、私の出身と同じ関西発祥(大阪府堺市)の会社が、こんなに頑張っているとは、なんとも嬉しいことです。


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