2022年7月13日水曜日

暗殺事件の衝撃


先週金曜日(202278日)に起こった、安倍晋三元首相の暗殺事件には、本当に驚きました。なぜ今、この人を?というのが、事件直後の率直な疑問。おそらく、殆どの人がそう感じただろうと思います。


さすがに、当日や翌日には、それについて書く心の余裕もなく、事件の推移や、次第に明らかになる背景などを注視。五日経ってようやく考えがまとまってきました。


最初に断っておきますが、私は、政治家としての安倍晋三氏には、支持も共感もできないという立場です。


だからと言って、自業自得だとか暗殺の動機を正当化できるなどとは、まったく思えない。こんなやり方を肯定したら、昭和初期の暗黒時代に、逆戻りになってしまいます。


そして、世界各国の主要メディアが、トップ扱いで報道したように、ここフィリピンでも、驚愕と悲しみと共に、事件が伝えられました。私個人にすら友人や知人から、SNS経由で弔意を示すメッセージが届くほど。


さらには、たまたま事件の翌日、庭の手入れを頼んだ庭師のオッちゃんが開口一番。「日本の大統領が殺されたんですってねぇ。」微妙に詳細はズレてるものの、こんな片田舎の、市井の人の口の端に登る大事件だったんですね。


こうなると、私の好悪の感情とは関係なく、安倍元首相の影響力の大きさを、思わないわけにはいきません。


最近は、日本の大手メディアが全然信頼できないので、アメリカCNNやイギリスBBCの記事を読む事が多いのですが、その両方が「日本憲政史上最長の総理大臣」の枕詞で、安倍氏の功績を紹介。やっぱりいろんな意味で、歴史に残る人物だったことは、間違いありません。


そしてこの事件に、フィリピンの一般市民が高い関心を持つのは、おそらく1983年のアキノ上院議員暗殺の影響があると思われます。


アキノ氏殺害をきっかけに、「ピープルパワー」の名で知られるエドゥサ革命が起こり、約20年続いたマルコス大統領の独裁政権が崩壊。


先月には、そのマルコスの息子が大統領に選ばれたこともあって、誰もが1980年代のフィリピンを想起したんじゃないでしょうか?


ところで、安倍氏とネグロス島が、意外なところで接点がありました。本人さんではなく、妻の昭恵さんですが。


宮城県気仙沼市を起点に、環境保護活動を行なっているNGO「森は海の恋人」。このNGOが数年前に、ここフィリピン・ネグロス島シライでプロジェクトを行った際、それを支援していた、当時ファーストレディだった安倍昭恵さんが、シライを表敬訪問するという話があったんですよ。


結局セキュリティ確保が難しいなどの理由で、訪問はなくなりましたが、プロジェクトに参加していた五名の地元関係者が、研修の名目で日本出張。実は家内もその一人で、日本で昭恵さんに会ったそうです。


そんなことがあったので、事件当日は、家内もずいぶんと落ち込んでました。


ということで、今日もCNNで葬儀の模様がテレビ報道。しばらくは、この何とも言えない後味の悪さを、引きずりそうです。



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