2018年9月19日水曜日

フィリピンは災害対応先進国?

数日前ぐらいから、フィリピン関係のことがツィッターで話題になってますね。2枚の写真を比較して、「左がフィリピン右が...。毎年繰り返し起こる災害。日本政府、自治体は何を学んでいるのか...」、とするツィート。もう、まとめサイトまで出来て、さんざん叩かれているので、ご存知の方も多いと思います。


あっさりネタをバラしてしまうと、左は先月(2018年8月)に、マニラ首都圏のマリキナ市を中心に、洪水で大きな被害が出た、モンスーン(季節風)豪雨の時で、右は2004年の新潟県中越地震の際、避難場所となった小千谷市総合体育館

フィリピンにお住まいの方なら、容易に想像ができると思いますが、こういう仮設の間仕切りを支給されるのは、かなり幸運に恵まれた状況でしょう。4000世帯近い住民が避難した中で、大部分はザコ寝状態だったと思われます。(下写真は、同じ時にケソン市内の避難所で撮影されたもの)



出典:News 4 Europe

私は、その少し前、たまたま一昨年(2016年)の熊本地震の避難所に、簡易式の間仕切りが設置されたという記事を読んだばかり。ツィートを見た瞬間に、これは炎上狙いのネタやなと、ピンと来ました。



それ以外にも、写真の撮影時期や場所などのデータは皆無だし、日本の避難所写真が妙に古い。最近のスマホなら素人が撮っても、もっと鮮明な画像になるはず。まさか14年も前のものだとは思いませんでしたが。

案の定、ちょっとネットで検索したら、すでに上記のようなことは、だいたい書かれてました。やっぱり脊髄反射的に反応しちゃいけませんね。この手のSNS上の素人投稿は、反論するにしろ拡散するにしろ、最低でも元ネタを確認する程度はしないと、デマの片棒を担ぐことになりかねません。

とは言うものの、今回の件にしても、日本がフィリピンよりずっと進んでいて、素晴らしい国だ、印象操作で日本を貶めるなんてケシカラン、などと騒ぐ気にもならない。

現状の日本で、すべての災害に完璧に備えている自治体はないだろうし、そもそも、あらゆる自然災害を詳細に予測することなんて不可能。つい先日の関西空港を閉鎖に追い込んだ台風や、北海道全土が停電になった地震など、誰が事前に被害想定をしていたでしょう。

まぁ、これほど同じ地域で、洪水が度重なるフィリピンの場合は、何とかならないものかと思ってしまいますけどね。フィリピンに関しては、もっとポジティブな話題で、ツィッターやフェイスブックを賑わせてほしいものです。


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