2021年9月2日木曜日

エヴァの関西弁がヘタ過ぎる

ここフィリピンのネグロス島にまで光ケーブルが敷設され、ブロードバンド環境を享受できる状況になって喜んでおります。何が嬉しいって、ネットフリックがストレスなく観られて、最新の映画やテレビはもちろん、かなり昔の番組も楽しめること。

私の場合、宇宙戦艦ヤマトや機動戦士ガンダムはリアルタイムで視聴していて、最初のシリーズならば、セリフを覚えているほど。ところがそれより少し遅れて、1990年代に大ヒットして、今ではヤマト・ガンダム同様の神話と化しているエヴァンゲリオンはまったく馴染みがありません。

実はその時期と言うと私は30代。インハウスの工業デザイナーとして、フィリピンを含む東南アジア諸国や中国、中近東へ業務出張の嵐。その上プライベートでは、最初の結婚生活の破綻と、それに続く国際長距離恋愛などなどで、テレビや映画を見てる暇も気持ちの余裕もありませんでした。

今にして思えばこの10年間は、映像だけでなく、音楽とかファッションなどの記憶がほぼありません。気がついたらもう20世紀は終わってた感じで、これこそ失われた10年。

なのでエヴァどころか、ジブリ作品も、「紅の豚」(1992年)から「千と千尋の神隠し」(2001年)まで一挙に飛んでしまってます。一応、アニメファンを自認している私としては、基礎が欠落してる気がして、ずっと気になってました。

その穴を埋めるように、フィリピンに来てからネットフリックスで、当時の作品を観まくっているわけです。そしてやっと初見で「新世紀エヴァンゲリオン」。まだ画面が4:3だったんですね。パソコンはブラウン管だし、携帯すらなくてまだ公衆電話が普通に出てきたり。

それでも最初の数話は、ストーリーの力にぐいぐい引っ張られて、かなり集中して鑑賞。ところが、途中から準主役級で登場した人物が、なぜか関西訛り。それも正しく訛ってくれたらいいのに、聴くに耐えない不自然なアクセントと言葉使い。

まぁこれは、エヴァンゲリオンに限らず、昔からドラマではよくある話。おそらく関西弁だけではなく、他の方言でもありがちなんでしょうね。

私が関西人じゃなければ、気にならなかったんでしょうけど、残念ながらフィリピン移住までの人生50年間、ほぼ関西に定住してきた者としては、どうにもストーリーに集中できず、敢えなくギブアップ。庵野さんともあろう方が、こんな凡ミスをやらかしてたとは。

これって、ハリウッド映画で、日本や日本人の描かれ方が、とんでもなく勘違いしているようなレベル。こちらも昔からあるし、今でも変な映画やドラマがありますよね。ちょっと前だと「ラスト・サムライ」とか、最近では「ベスト・キッド」の続編「コブラ会」。その他の部分がよくできているだけに、もったいない事この上なし。

私が知る限り、アメリカ資本で日本のシーンが完璧な大作映画は、1970年の「トラ・トラ・トラ」ぐらいかなぁ。日本サイドは、脚本から演出、俳優まで全部日本人なので、当たり前と言えば当たり前。しかも主役の一人である真珠湾攻撃の指揮官、淵田中佐を演じた田村高廣さんが、これまた完璧な関西弁。シビれましたよ。

アニメで言えば「じゃりン子チエ」。原作からして、登場人物全員がコテコテの大阪弁話者なので、そこはさすがの高畑さん。声優のほとんどを関西のお笑い芸人で固めたのは、単に話題作りだけではない秀逸のアイデア。

さて、エヴァの関西弁があまりに残念だったので、フィリピンの方言イロンゴ語ネイティブの家内に、同じようなことがフィリピンのドラマでもあるか訊いてみたところ、やっぱり多いらしい。

言ってみれば、ビサヤ地方の方言セブアノやイロンゴって、フィリピンの関西弁みたいなもの。登場人物がビサヤ出身という設定もあるでしょう。でもビサヤ訛りで喋ってるはずが、当のビサヤ出身者からすれば、何とも変なアクセントでがっかりすることも。うわ、まるっきり一緒やんか。



0 件のコメント:

コメントを投稿