2021年10月3日日曜日

反ワクチンはリトマス試験紙

気がつくともう10月。今日10月3日は私の誕生日。今年(2021年)で59歳になってしまいました。50代も残すところ1年。50歳で退職せず会社に残ったとしても、あと1年で定年退職という年齢。いや、今の日本では、年金だけではとても生活できないので、まだまだ働かないと立ち行かないかも。

それはともかく、ワクチンの接種状況。

日頃このブログで、日本のダメなところをあげつらってばかりの、もうすぐ還暦の私ですが、物事を粗漏なく、時間と場所とキチンとマネージメントする能力って、やっぱり日本が世界で一番じゃないかと舌を巻いております。

日本経済新聞による「世界の接種状況」によると、今日現在で、100人当たりの接種回数が130回余り。最終コーナーで驚異の巻き返しという感じで、先行していたアメリカ(117回)を抜き去り、西ヨーロッパ諸国と肩を並べるトップグループ。今は若年層への接種が課題とか、3回目のブースター接種をどうするか等々が話題。

それに比べて我がフィリピンは、まだ41回ちょっと。ずいぶん日本の背中が遠くなっちゃっいました。フィリピンなりに頑張ってはいるんですよ。国全体がまだまだなのに、日本人の接種に尽力してくれたりしてます。先日はマニラで、今月にはセブでも開催される見通し。

少し前に投稿した通り、地方在住・ノンシニア・外国人の私ですら、アストラゼネカの第一回目の接種を受けることができました。教育省勤務の家内と、持病が高血圧のメイドさんは、二人とも接種完了。ネットで流行ってる言い方だと、二人「フルチン」(フルワクチン接種)私が「ハミチン」(半分未接種)ということに。

ちょっと残念なのは、私のイロンゴ語家庭教師のアン嬢。一昨日に接種の予定だったのが、ドクターストップで結局打たなかったそうです。公立高校の教師なので、本当はもっと前に接種の機会があったはずなのに、どうも忌避してたらしい。まぁこればっかりは本人の意思。無理強いできるものではないし、健康上の理由があるなら尚更です。

その他には、高校生の甥っ子が1回目を打ったとか、セブ在住の若い日本人の友達が接種したけど、目立った副反応がなくてホっとしてるとか、明るい話題も徐々に増えてきております。

ここからが今日の本題。

相変わらず、反ワクチンのデマが後を絶たないネット界隈。

ワクチン打った方が感染リスクが上がるとか、不妊になるとか。ちなみに不妊に関しては、新型コロナに限らず、昔から新しいワクチンには必ずと言っていいほど囁かれる、定番デマとのこと。

笑ってしまうのは、ワクチンにはマイクロチップが混入しているので、金属製品が腕に張り付くと冗談でネットに投稿されたネタ動画が、ワクチン有害説の証拠として拡散したり。これは作った本人が驚いて謝罪してます。人の肌って汗や脂で、小さなものだったら、簡単に張り付くんですよ。

この程度なら「アホちゃうか」なんですが、現役の政治家がとんでもないデマを発信したり拡散したり。つい最近も有名な俳優さんが、怪しげな健康法に頼ってワクチンを忌避した挙句、コロナが原因で亡くなるという痛ましい報道がありました。デマが人の生き死ににかかわるって、分かってるんでしょうか?

中には、私が良識ある著名人と思って、SNSでフォローしていた人の中に、反ワクチンに傾倒するケースもちらほら。知的に見えたり、社会的に高い地位があるからって、必ずしも科学的な思考するとは限らないということが、図らずも露見してしまった。こうして見ると、ワクチン接種に対する姿勢って、リトマス試験紙みたいなもの。

少し前までは、私がSNS上で、問答無用のブロックをするのは、フィリピン文化やフィリピン人を見下したり、「味の素を一粒でも口に入れたら死ぬ」みたいな極端な健康食品志向、嫌中・嫌韓、プロフ写真に旭日旗や日章旗を使う人...だったところに、新たに反ワクチンも加わりました。

こういう人たちに共通しているのは、理屈が通じないこと。もう信仰の域にまで達しているので、最初から議論も何もあったものじゃない。今回のパンデミックが、世界中で分断を生んでいる所以です。これが一つの家族内で起こったら、本当に悲劇。

ということで、パンデミックが収束して以前の生活が戻ってくるには、単にワクチンの供給量の問題だけでなく、それ以外の手間も時間も、まだまだかかりそうな情勢です。



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