2021年12月3日金曜日

日本もフィリピンも迷走する感染対策


出典:Inquirer

 もう今年(2021年)こそは、長引くコロナ禍も収束に向かうのかと思ったら、やっぱり一筋縄ではいきません。新しい変異株の出現は予測されていたものの、またも各国がヒステリックな対応になってしまった12月。

伝え聞くところによると今回のオミクロン株、あたかも南アフリカが発祥みたいな報道されてますが、これはたまたま最初に確認されたのがそこだと言うだけで、騒ぎ出した頃にはすでに世界各国で感染者が見つかっていたそうです。

しかも、感染力は高いものの、それまでの株に比べて重症化率が高いわけでもないのに、正直に報告した南アフリカを罰するような完全渡航禁止策。これは将来に禍根を残すでしょうね。

在フィリピン邦人として衝撃だったのが、岸田新政権による「鎖国」。当初の外国人の一律入国禁止でもやり過ぎぐらいだったのが、続いて日本への航空便の予約停止要請で、事実上の在外邦人の締め出し。どうやらこれは勇み足だったようで、すぐに撤回されたものの、それでなくても海外の同胞には冷たい印象だった日本政府。残念を通りこして、呆れてしまいました。

SNSで知り合ったフィリピンに住む日本人の方々にも、動揺や怒りが広がってます。タイミング悪く、日本とフィリピンに恋人や夫婦が離れ々れになってしまい、1年以上も会えなくなったり、2年ぶりのクリスマス/年末年始の里帰りを諦めたり。

かく言う私も、コロナがなければ昨年には年老いた両親を日本から引き取って「介護移住」する予定で、そのために裏庭に離れを建て増し。やっと来年(2022年)には何とか動けるかと思った矢先ですから、かなり落ち込んでおります。

考えてみれば、100年に一度の世界的な感染爆発。今生きてる人は経験のないことだし、完璧な対応を政治家に求めるのは無理。本当の発祥地である中国が、下手に隠蔽しようとしたから、どの国の政府も初動の遅れは仕方ない側面もあったでしょう。

また、当初はうまく処理して、感染を抑え込んだかに見えた国でも、デルタ株による感染者急増が起きたりして、自然相手の戦いがどれほど厄介な事かを改めて実感。まぁ、こういう前例のない大規模な規制って、戦争と似て、始めるのは意外に簡単でも、それを緩めたり撤廃するのって、タイミングやさじ加減がとても難しいようです。

とは言うものの、祖国日本も、第二の故郷フィリピンも、どう控えめに見たって打ち出す対策が科学的・合理的な見地ではなく、気分や雰囲気で決めてるとしか思えない。

特にここフィリピンでの検疫。一応警戒レベルがあるんですが、どのレベルで何がダメで何がOKなのかがイマイチ不明瞭。人や場所によって言うことがコロコロ変わるもんだから、せっかく久しぶりに家族全員で外食できると思ったら、子どもだけ門前払いだったりする悲劇が頻発。

そもそも、2年近くも未成年者に学校はおろか外出もさせない国って、他に聞いたことないし意味が分からない。フェイスシールドも然りで、あまり効果も期待できない割に、鬱陶しいことこの上ないのに、なぜかフィリピンのお役人はこれにご執心。

やっと解除されたかと思ったら、オミクロン騒ぎに乗じて、また着用義務を復活させると保健相が発言したらしい。よくこれで国民による暴動が起きないものだと思ってしまいます。

ということで、12月に入ってカトリック的には待降節(アドベント)。師走&本格的クリスマスシーズン到来の時期ですが、来年もまだまだコロナ禍は続きそうですね。



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