2021年12月22日水曜日

まだら模様の被害状況

 フィリピン中部のビサヤ地方とミンダナオ北部に、甚大な被害をもたらした台風22号、フィリピン名オデット襲来から一週間が経過しました。連日テレビのニュースでは、被害の大きかったスリガオやボホール、セブ、そしてネグロス南部のシパライなどの、惨憺たる街並みの映像が流れています。

このブログで度々触れているように、私たち家族の住むネグロス島シライ市では、各所で樹木や電柱が倒れて送電線が寸断。トタン屋根を飛ばされる家屋も多く、市民の避難先だった市立体育館も天井が崩落、人々はさらに市内の高校へと再避難を余儀なくされました。

それでも他の被災地に比べると、幸いにも死者はなく、台風通過後24時間以内に一部の電力が復旧し、まだ完全ではないものの、大部分で通常の生活が戻っています。

自宅向いの空きロットから、我が家の塀に倒れ込んできた樹木は、数日前に宅地のメンテナンススタッフによって枝が除去。台風4日後に出勤してくれた、メイドのライラおばさんにも手伝ってもらい、路上に散乱した小枝と大量の落ち葉を清掃。翌日には腰や腕が盛大に筋肉痛になったけれど、取り敢えずは車両は通行可能になりました。


ゴミ回収車は無理ですが
普通の自家用車なら大丈夫。


台風通過直後はこんなでした。

まだ時々、1時間程度の停電があったり、ネットが不安定になるといった後遺症はあっても、敢えて意識しなければ、たった一週間前に「猛烈な台風」の直撃を受けたとは思えないほど。

それに比べて隣島のセブでは、依然として厳しい状況が続いています。

電気と水道は完全にストップしたまま。発電機と貯水槽をそなえたビルが林立するビジネス街ITパークでは、最初は明かりも空調もあり、飲食店も営業。それも数日経つうちに、燃料切れや発電機の故障などがあって、現在では真っ暗な状態とのこと。

日本では自宅で発電機を使っている人はほとんどいないと思うので、我が家の発電機について少し説明しますと、発電量3.1キロワットのガソリンエンジンのものを2台使用これで照明器具に冷蔵庫・洗濯機、電子レンジなどが稼働できますが、エアコンはちょっと厳しい。電気給湯器はオーバーキャパシティでエンスト。価格は1台4万円程度。

満タン10リッターで、連続12時間ぐらいは保ちます。ちなみに現在のガソリン価格はリッター160円ぐらいで、就寝中はオフにするとして1日1,600円。

ここシライでは、台風が来なくても毎週のように停電があるので、頻繁に発電機を回してますが、電力事情の良い大都会セブだと、おそらくあまり使ってなかったと思われます。

車のエンジンと同じく、定期的に動かさないと不具合が出やすいのが燃料式の発電機。しかも不慣れな人が操作や給油となるといろいろ不安があります。今回のセブでは、何を勘違いしたのか、ガソリンの代わりに水を入れて故障したなんて話を聞きました。

それは論外だとしても、ディーゼルオイルとガソリンを間違えると異常燃焼が起きて、エンジンをダメにしてしまうことも。

セブの現状に話を戻しますと、故障はしなくても、燃料入手はかなり困難なようで、ガソリンスタンドでは連日長蛇の列。当然のように価格も高騰。中にはこれを商機に変えて、自宅の発電機で携帯電話の充電サービスを始めた人もいるとか。

さらに飲料水購入や生活用水を探すだけで、1日走り回ってクタクタになったり、ネットがなかなか繋がらずイライラしたり。聞くところによると、フェイスブックのメッセージが着信しているのは分かるのに、内容を読めず返信不可という現象も多発。これはストレスが溜まると思います。

そんな状況でセブ在住邦人の方々は、何とか情報を交換しつつ、助け合いながら過ごされているそうです。当初に比べると多少はネットは繋がりやすくなり、一部ではカードが使える場所もちらほら。今はどこもATMが激混みで、唯一の決済手段である現金が手に入らないので、これはかなり助かるでしょう。

ようやく日本国内でもフィリピンの台風被害が報道され始め、日本政府も支援物資を送り届けることで、動き出しました。初動の遅れは否めないものの、そのニュースを聞くだけでも嬉しい。

ということで今日の投稿のセブに関する部分は、主にツイッターでフォローしている方々のつぶやきを元にしております。私の誤解や、すでに状況が変わっている箇所もあると思いますので、間違いに気づかれた方は、ご指摘ください。



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