2015年6月11日木曜日

何でも弁護士

日本で生活していると、逮捕でもされない限り弁護士の世話になることは珍しいと思います。その他に考えられるのは民事訴訟の場合ですが、私の場合は50年以上日本で生きて来て、幸い訴えることも訴えられることもなく済みました。

そんな弁護士未経験だった私が、フィリピンに移住してからというもの、何かと弁護士と接触する機会が多い。まず永住ビザの取得。大雑把に言うと書類揃えて、セブにある入国管理局に持っていけばいいだけ。しかし何故か地元の弁護士に一筆書き添えてもらうと、手続きがスムーズになるらしい。これは役所のホームページ見ても必要書類には指定されていません。まぁ一種の身元保証みたいなものなんでしょう。

入国管理局では面接があります。フィリピンに住む理由などを訊かれる訳ですが、ここでも面接官は弁護士。なかなか忙しいようで、私が行った時は偶然役所にいたので書類提出と同日に面接も終わりましたが、そうでないと面接のためだけに日程調整して、出直さないといけない。

最近では、銀行のキャッシュカードを紛失してしまった時。入っているはずのカードが財布の中にない。カバンにも服のポケットにもない。と青ざめてから最初にするのは銀行に連絡して、カードを無効にしてもらうこと。ここまでは日本と変わりませんが、カードの再発行で銀行から求められるのは、弁護士の手による身元証明。

この場合は市役所に出向くことに。そこにはちゃんと弁護士窓口みたいなものがあって、まるで職員の一人のようにカウンターの向こうに弁護士が座っています。そこで写真付きの身分証明書(私の場合はフィリピン版の外国人登録証明書「I Card」)を見せて、新たに書類を起こしてもらう。他にも順番待ちのシライ市民がいっぱい。

どの場合でも証明書の類いがちゃんと揃っていれば、別に弁護士は必要ないんじゃないかと思うのですが、書類の偽造を恐れているのか、手続きの不備が多いからなのか、二言目には「弁護士に頼め」というのが多いですね。そしてこれまた理由はよく分かりませんが、女性弁護士が多くてフィリピンで男の弁護士には、まだ会ったことがない。

どうやら同じ弁護士という名前の職能でも、社会で果たしている役割は日本とは少し違うようです。


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