2016年6月28日火曜日

最低のアップル・フィリピン

三日前の金曜日の夕方、突如として愛用のiPhone6plusの電源が入らなくなりました。ホーム・キーとオン/オフ・キーの長押しでダメ。充電してもダメ。さらにはMacにつないでiTunesからの「復元」を試みても、散々待たされた挙句に「ディバイスを認識できません」と突き放される。

このiPhone、私にとっては、記念すべきフィリピンで初購入のアップル製品。日本から持って行ったiPhone 4Sのバッテリーがヘタっている上に、がっちりSIMロックがかかっていて、携帯電話としてフィリピンでは使えない。移住後に買ったノキアと二つ持ちが不便なので、1年ちょっと前に州都バコロドで手に入れました。

私たちの住むネグロス島には、Apple StoreではなくiStore(アイ・ストア)というアップル専門店があります。なぜApple Storeではないかというと、直営店ではなくフランチャイズだから。日本やアメリカにあるApple Storeに比べると、規模も小さく品揃えも限定的。ただ、フィリピンのパソコン関連の店の中では際立って綺麗だし、それなりにアップルらしい内装設計。これならば、商品も日本のアップルと同じだと思ったんですけど...。


最初の「異変」は、まるで狙い澄ましたかのように、購入後1年と1日が過ぎた日に起こりました。フェイスブックに毎日表示される「過去のこの日」で、新しいiPhone買って、ちょうど1年かと思ったところ。その時も今回と同じように、落としたりぶつけたりした覚えはないのに、急に電源が入らなくなり、何をしても無反応。

そこで、購入元のバコロドのiStoreに持ち込み。日本のApple Store並みの丁寧さと、知識を持っているスタッフがいるとの期待は、ものの見事に裏切られました。まず、絶対に謝らない。忘れもしない、買った時はあんなに嬉しそうな顔してた若い女のスタッフ、不具合が出たとなると「面倒なことを言ってきやがって」と露骨に態度に出す。

まぁ、そのスタッフが製造責任者ではないので、自分のこととは思わないというのは、フィリピンの小売店ではよくある話。それにしても価格を考えてほしい。4万ペソ以上なので、日本円で約10万円。(アップル製品は、日本よりフィリピンの方がやや割高)どう考えてみても、このスタッフの2か月分以上か、ヘタすると半年分の給料と同額。それが、保証期間が過ぎた直後に使えなくなってるのに、きみには、想像力がないのか? 

しかも、不具合に関しては、まったくの素人。当たり前のように、サポートセンターの住所と電話番号をコピーした紙切れを手渡すだけ。これには、フィリピン慣れした私も、かなり頭に血が上りました。「二度と来るか!」とばかりに、店を後に。

その時は、自宅に持ち帰った後にもう一度Macで「復元」を試してみたら、なぜか何もなかったかのように完治。ああよかったと胸を撫で下ろしたところだったんですけどね。

しかし、今回は3日経っても改善の兆しがないので、小売店ではなく、以前にもらった紙切れに書かれた住所の、サポートセンターへ持ち込み。パソコン関連の販売店が集まったテナントビルの一角で、細々とやっている感じの場所で、見るからに頼りになりそうにない。案の定、ソフトの対応ではダメで、ハードに問題があると分かった途端、あっさりと「シンガポールの修理工場に送って、中身を入れ替えるしかない」と言い放ちました。



そうか、フィリピン国内ではハードの故障に対応できる場所がないのか。それでよく、こんな高価な製品を販売するなぁ。そして戻って来るまで最長で1か月もかかって、費用が2万4千ペソ(約6万円弱)って...。それやった新しいのを買うって。しかも、やっぱり一言も謝らないし。

日本にいる頃から、アップル製品は使い勝手の品質は最高でも、すぐに不具合を起こすし、何か起こっても、冷たい対応しかしてくれないとは思ってたけど、フィリピンのアップルは、それに輪をかけて最低のサービスですね。

私は二回目ということもあり、呆れ返るだけでしたが、同行した家内がカンカンになり、新しいiPhoneを購入したiStore(バコロドではなく、隣のタリサイ)で、これまた若い女のスタッフを相手に怒りが爆発。恐れをなした彼女が、文句を言ならこっちにとばかりに、アップル・フィリピンのホットラインの電話番号(フリーダイヤル)を教えてくれました。

昔、バブル期に大ヒットした、ソニーの世界初ヘッドホン・カセットプレーヤー「ウォークマン」が、1年過ぎたら決まって故障すると言われ、「ソニー・タイマー」と、不名誉なアダ名で呼ばれたのを思い出しました。

ということで、また10万円。家内の手前、少しでも安いのをとiPhone 6Sに格下げで、画面が小さく。新品購入の高揚感は皆無。今日は「腹立ち日記」になってしまった。



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