最初、この話を聞いた時、てっきりシリーズ最初の一冊だけだと思い込んでましたが、なんと3年かけて、全10巻の全部を映像化するんだとか。これは快挙というか、無謀というか、よく企画が通ったと思います。しかし、原作の上橋菜穂子さんが関わっていて、シーズン1の出来栄えにかなり満足されているようなので、いずれはDVDで大人買いして、じっくり見てみたい。
私は、この作品に神山健治監督のアニメ版で出会いました。(こちらもNHK製作)主人公の短槍使いバルサが、攻殻機動隊の素子のイメージに被り過ぎの感はありましたが、神山さんらしい、背景と設定の隅々まで丁寧に創られた素晴らしい作品で、とても気に入ってます。
そして、原作にも興味を持ち、移住前にシリーズ前半の5作品、「精霊の守り人」「闇の守り人」「夢の守り人」「虚空の旅人」「神の守り人(前/後編)」を購入。一気読みした、と思い込んでたら....。
フィリピンに移住して3年。小学生の息子が、だんだんと日本語を読み書きする機会から遠ざかってきたので、児童文学としても名高いこのシリーズを読ませてやろうと、久しぶりに手に取って読み返してみました。ところが2冊目以降、全然覚えてない。あれぇ、まるで初読みたいだと思いつつ、それでも作品世界にぐいぐい引き込まれるように、一気読み。
やっぱり移住前に読んだのは、1冊目だけだったようです。最近、年齢のせいか、以前に読んだことをすっかり忘れて、同じ本の2度買いとか3度買いなんて、情けないことやってますが、これほど面白い内容を、いくらなんでもそう簡単には忘れません。まぁ、読んだのを忘れるのも、読まなかったのを忘れるのも似たような事ですけど。
そんなこんなで、読み終わった分を片っ端から息子に「払い下げ」。息子も面白かったようで、私とそう変わらないスピードで、どんどん読んでいきます。本当にちゃんと読んどるんか?と思って、筋書きを尋ねたら、一応は理解している模様。
予定していたよりずっと早く手持ち作品を読了してしまい、先月、日本に出張した家内に頼んで、後半の「蒼路の旅人」「天と地の守り人(三部作)」を買って帰ってもらいました。
残りが減っていくのを惜しみながら読むという感覚は、学生時代以来。実に面白かった。しかも息子とほぼ同時進行で楽しみをシェアできるとは。移住先で、しかも日本語の作品で、こんなに幸せな時間を過ごせたのは、予想外の喜びでした。
ところで、この作品にはいろいろな架空の国が登場します。中でも4冊目の「虚空の旅人」に出てくる、南国の島嶼国家「サンガル」が私のお気に入り。熱帯に位置し、国王より妃が、王子よりも王女が国の実権を握っているという描写が、なんとなくフィリピンみたいで、サンガルの女性たちが、顔見知りのフィリピーナとダブって、仕方ありませんでした。文化人類学者の肩書きも持っている上橋さん、そんな事情もちゃんと分かって、執筆されたのでしょうか?
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